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「毎日オシッコしなきゃならない人間なんか世界じゅうでぼくひとりきりだ」なんて思いこんでいたら、ずいぶん悩んでしまうだろうね

もしもだよ、「毎日オシッコしなきゃならない人間なんか世界じゅうでぼくひとりきりだ」なんて思いこんでいたら、ずいぶん悩んでしまうだろうね、こんな不潔で誰もやらない異常なことを、ひっきりなしにやってなきゃならないなんてって。『なまけ者の3分間瞑想法』デイヴィッド・ハープ

誰の心もでたらめで、勝手気ままに動き回っているものだということをたとえている。他の人の心も、自分と同じように酔っぱらった猿みたいだって。


法然上人もこう言った。「私たち凡人の心というものは、何かを見たり聞いたりするとすぐにふらふらとゆれ動く。たとえて言うなら、猿が枝から枝へと動きまわっているようなものだ。散り散りに乱れて、集中するのは難しい」。

最近、また瞑想(マインドフルネス中心)ブームらしくて、たくさん本が出ているけれども、2000年に翻訳が出たこの『なまけ者の3分間瞑想法』は、難しい哲学や用語は使われていなくて、とっつきやすい。強いていえば、もうちょっとページ数が少なくったっていいんじゃない、というくらい。

3分間だけでもいいや、と続けて取り組めるといいのだけれど、やっぱりなまけ者なのでさぼってしまう。本棚に置いといてときどき見ては、「ちょっと瞑想でもやってみようか」というくらいの取り組みです。そんなんからでいいんじゃないかな。
著者のデイヴィッド・ハープさんは、ハーモニカの先生(だからハープさんなのか)であり、心理学者であり、瞑想のインストラクターでもあるそう。紀伊國屋書店のサイトでは、次のように紹介されていた。
友達や家族のことで悩んだり、健康のことが気になったり、毎日大変だ! それでなくても仕事が忙しいのに!!そんなときには、この瞑想法がおすすめ。「瞑想」っていっても、座禅を組んだり、頭を丸めたり、そんなんじゃない。信号待ちのあいだや、レンジでチンする時間でできる、かんたんリラクセーション法のこと。たとえば、この「呼吸を数える瞑想」。 「やることは簡単。息を吐くときに、心のなかで、ひとーつ、ふたーつ、と数を数えながら吐いていく。ただそれだけ。「吸って……ひとーつ、吸って……ふたーつ、吸って……みーっつ……」……息が鼻や口をとおりぬけていくときにどんな感じがするか、吸いながら、吐きながら、確かめてみよう。」(本書128頁より) たったこれだけ。他のことを考えず、呼吸の数を数えるだけで、著者にいわせると「何でもコイッって感じ」になれるワケ。この「呼吸を数える瞑想」のエクササイズができるようになったら、次は「雑用をしながら呼吸を数える」「歩きながら呼吸を数える」方法と、少しずつステップアップ。 著者の二人は、ハーモニカの先生のデイヴィッド・ハープ、そしてその双子の妹、ニーナ・フェルドマンは心理学の先生。変わった取り合わせのふたりから生まれたのがユニークなこの本。らくちん主義のみなさんに贈る、創元社の隠れたベストセラーですよ。(S) 

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