スキップしてメイン コンテンツに移動

今日の心理学:ウィリアム・マクドゥーガルの本能説

今日はウィリアム・マクドゥーガル(William McDougall;1871-1938)という心理学者の誕生日。キャリアの前半をイギリスで、後半はアメリカで過ごした。当時、アメリカでは行動主義の心理学が盛り上がっていたようだが、マクドゥーガルはそれに対立し、学習よりも本能を重視した。
Wikipediaの項目を見ると、ロンドン大学とオックスフォード大学で教えた後、ウィリアム・ジェームズの誘いでアメリカのハーバード大学に移ったとのことだ(1920年から27年まで)。その後はデューク大学で、近代超心理学の父ジョゼフ・バンクス・ラインESPカードを使って実験をした人だ)の元で超心理学の実験室を開設したんだって。
ユングから分析治療を受けていた経歴もあるので、超心理学に興味を持つのもさもありなん。本能への注目や目的論的観点も、ユングの影響なのかもしれない。
優生学に関心を持っていたことなどから、マクドゥーガルは主流の心理学者たちから科学的差別主義者と見なされていた。

マクドゥーガルは、人間の行動の原因は、学習ではなくて本能だと考えた。しかし、なんらかの行動の原因に、いちいちそれに対応する本能を探すと、人間のふるまいの数だけ本能の種類も増やさなくちゃいけなくなる。

浮気本能、節約本能、寄り道本能、アイスクリーム食べたい本能などなど。それって結局、人が何かしたことに「本能」ってつけただけちゃうんかと批判されたのだという(これを同義反復:トートロジーという)。

検索して調べていたら、
江戸川乱歩が大正五年に早稲田大学政治経済学部を卒業したさいの論文「競争論 」は、この『模倣の法則』とウィリアム・マクドゥーガルの行動心理学とに立脚していたという。『江戸川乱全集
なんて記述もあった。

コメント

このブログの人気の投稿

果物に例える恋愛心理テスト「フルーツバスケット」で本音がわかる?

簡単な恋愛心理テスト「フルーツバスケット」 「フルーツバスケット」という簡単でおもしろい心理テストのことを聞きました。 「心理テスト」というよりは「心理ゲーム」と呼んだ方がいいですね。 こんなゲームです。 【問】 あなたの目の前に、フルーツバスケットがあります。バスケットには、リンゴ、バナナ、ぶどう、みかん、イチゴ、キウイが入っています。5種類のフルーツを、それぞれ身近な異性にあてはめてみてください。 リンゴ= バナナ= ぶどう= みかん= イチゴ= キウイ= さて、いかがでしょう? 何人かにあらかじめ聞いておくと、後で比べられて楽しいです。

数唱と語音整列の乖離は何を意味しているか?

WAISの数唱と語音整列について、この二つに乖離があったらどう解釈されるんだろうかと思って調べてみたメモ。どちらも作動記憶(ワーキングメモリー)に含まれる下位検査だが、いくらか性質が違う。両者の相関は、中程度くらいだったと思う。 数唱 vs 語音整列 Digit span versus letter number sequencing とある海外の掲示板(?)でのやりとり。 一方が他方よりも高得点だった場合、どんな風に説明できるかな? どっちも順番に配列することが含まれているし、ほとんどの人が順序を操作するために聴覚的記憶を使ってると思う。けど、4点以上の乖離(discrepancy)があった場合は? 実施したばかりのアセスメントを詳しく考えてみると、言葉の受容と表出が明らかに難しいケースだったけど、視空間スキルと処理速度はまったく問題なく保たれていた。-Miriam という問題提起に対するスレッドのようだ。 私も以前に何度か同じようなパターンに出会ったことがあって似たようなことを考えたことがあるけど、ぜんぜん専門外だったから。あなたももう考えてるだろうけど、語音整列はたぶんより複雑な課題だと思う。というのも、数唱のように単に数字を扱うんじゃなくって、(文字と数字という)二種類の情報を使ってそれを切り替えながら作業しなきゃいけないから。被験者が教示を理解して、すべてをすっかり頭に入れることができたという手応えはありましたか? これ(語音整列)を実行するにはいくつかの操作が必要だし、呈示されたものすべてを受け取るには言語受容スキルが特に障壁となるかもしれません。他の下位検査にもこの仮説が当てはまるならば意味をなさないかもしれませんが・・・もっと知識のある人ならいい意見が出せるかも。-Butterfly22 私も同じように考えていました。数唱よりも語音整列の方がいいスコアを示しているような同様のアセスメント事例がおかしいのはなんでかなって。-Miriam 数唱が高くて語音整列が低い場合は、並べ替えなどの操作が入ると難しいのかなと推測できるけど、逆の場合はなんだろう。 数唱は基本的にはワーキングメモリーのタスクだけど、語音整列は、上の人が言ってるみたいに、もっと複雑だ。より心的に柔軟でないといけないし、情報の保存/再生の能力だけでなくて...

イヤーワームになる曲トップ9、そして対処法(頭から離れない曲)

止まらないメロディーの正体とは?イヤーワーム現象を科学する 1. イヤーワームとは?耳に残る音楽の正体 頭の中で特定の曲が何度も繰り返される現象を「イヤーワーム」と呼びます(ディラン効果とも。ボブ・ディランの「風に吹かれて」もイヤーワームが生じやすい曲として知られています)。この言葉は、英語の「earworm(耳の虫)」に由来し、まるで耳に虫が入り込んで音楽を流しているかのような感覚にたとえられています。イヤーワームは、特に集中が必要な時や眠る前に起こりやすく、勉強中や仕事中に困った経験がある人も多いでしょう。 頭のなかである曲が延々と流れ続けて止まらなくなる現象を「イヤーワーム」と言います。 「耳の虫」という意味で、まるで耳に虫がもぐりこんで音楽を流しているみたいに体験されることからそう呼ばれています。 強迫性障害や統合失調症の症状として見られることもありますし、健康な人だってしばしば体験します。脳のバグみたいなもんでしょうか。勉強中や仕事中など、何かに集中しなくてはならないときに、イヤーワームが気になって仕方がないということもあります。受験生でイヤーワームに取り憑かれて困っているという人の話を聞いたことがあります。確かに困りますよね。 Psychologists Identify Key Characteristics Of Earworms 「心理学者たちが見つけたイヤーワームの本質的特徴」 という記事が、アメリカ心理学会のサイトに掲載されていました。 イヤーワームを生じさせやすい曲として、たとえばレディ・ガガのBad Romanceが挙げられていました。 2. イヤーワームが起こりやすい人とその原因 イヤーワームは健康な人にも頻繁に起こりますが、強迫性障害や統合失調症などの精神疾患と関連する場合もあります。脳が「バグ」を起こしたかのように、無意識にメロディーがリピートされてしまうのです。心理学的には、音楽の反復やリズムが脳に影響を及ぼし、メロディーが意識に残り続けることが指摘されています​ Hiroshima University Repository 。 3. 科学的に解明されたイヤーワームを引き起こす音楽の特徴 アメリカ心理学会の研究によると、イヤーワームを引き起こしやすい曲にはいくつかの共通点があります。それは以下の3...