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人間型(ヒューマノイド)ロボットの進化と課題(とあらためてヒトの赤ちゃんってすごいんだなと)

NHKクローズアップ現代の番組ホームページで

人間型ロボット 頂上決戦  ~進化続ける夢の技術~

という映像を見た(番組は見そびれた)。

ヒューマノイド型のロボットとは、人間と同じように考えて、行動するようなロボットを指している。現代、ロボットはどれくらいの能力を持つようになったのだろう? 果たしてそれは実用に耐えることができるのだろうか?


ロボットという言葉

ロボット(robot)という言葉自体は、1920年にカレル・チャペックが発表した戯曲R.U.R.—ロッスムのユニバーサルロボット』で初めて使われた。


Karel Capek's Rossum's Universal Robots.
原作では、金属製の機械じゃなくて、化学合成で作られた肉体でできていたと思うが、この写真で見るとちゃんと(?)機械の身体をしているな。原作では、ロボットは人造人間なので、見かけはまったく人間と変わらない。それでも、ロボットを奴隷のように扱う人間たちは、ロボットには意思も魂もないと見下していた。

チャペックの戯曲では、ロボットに職を奪われた労働者たちが暴動を起こしていた。それを静圧するためにロボットの軍隊が結成されるが、ロボットたちが自我に目覚めて革命を起こすというストーリーである。『i Robot』も同じような話でしたっけ(ちゃんと見てない)。

『R.U.R』には、産業革命による工業化・機械化社会の衝撃と不安が反映されていると言われている。

人間型ロボット 頂上決戦

チャペックが、ロボットによる革命という悪夢を描いてから100年弱、実際のロボット技術はどのくらい進んだのだろう。
クローズアップ現代の番組紹介動画では、アメリカの軍事研究所「DARPA」が主催した、ヒューマノイドロボットの技術を競う大会について紹介されていた。世界各国の企業や大学のロボット研究者たちが参加し、実用化、産業化を後押ししようという計画らしい。

世界から23のチームが参加して、競技を行った。原発事故の現場でロボットが行動する、という状況を設定し、いくつかの課題に取り組むことになる。

DARPA Robotics Challenge

によると、課題は次の8つだ。


  1. 車を運転して現場まで行く。
  2. 車を降りる。
  3. ドアを開ける。
  4. バルブを回す。
  5. ドリルで壁に穴をあける
  6. サプライズ課題
  7. ガレキを超える
  8. 階段を上がる

日本からは4チーム出場したとのこと。前評判は高かったようだが、苦戦しており、結局、上位に食い込むことはできなかった。

産総研のロボット
見ていると、ロボットはちょっとしたことで転倒する。二足歩行はやはり相当難しいのだろう。産総研のロボットくんは、ガレキから降りるときに4センチ高さを見誤って転倒していた。

ルンバのような足のないロボットなら転倒の危険はないのだろうけど、それでは災害現場などの凸凹した場所では使えない(家庭内だって、お掃除ロボットを使うために物を片付けておかなきゃいけない)。マンガや映画に出てくるような便利なロボットができるのは、もう少し先のことなんだろうか。

赤ん坊が二足歩行を学ぶまで

そう考えると、ヒトの赤ん坊が1、2年でちゃんと二足歩行を身につけるというのは驚くべきことだ。


この動画を見ると、赤ん坊の身体運動感覚がどんどん細かくなっていくプロセスが良くわかる。よちよち歩きだった子が、スムーズに歩いたり、走ったりすることができるようになるためには、感覚と運動の複雑な相互作用が必要だろう。

直立二足歩行をするようになることで、喉の構造が変化して、人類は言葉を話すことが可能になったと言われている。

ロボット工学者たちが二足歩行にこだわるのも、これが可能になることでロボットがずいぶん進化すると考えているからなんだろうか。

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