パニックや不安になりやすい性格? パニック障害と痛みや免疫異常との関連性

公開日: 7/24/2015 パニック障害 精神医学

パニック障害の心理療法には何が適しているのか?
の関連で、読んだものをメモしておく。

パニックになりやすい性格

「パニックになりやすいパーソナリティタイプはあるか?」
Is there a panic-prone personality type? Got Anxiety?
二人のサイコロジスト夫婦が書いたエッセイのようです。心理療法やカウンセリングの場面で、パニック障害の人にしばしば「なぜ私が? パニック障害の遺伝子かなにかをもって生まれたんでしょうか?」と尋ねられるそうだ。
Lippy: No Gloss admin
パニック障害を引き起こすと特定された遺伝子はないけれど、これまでの研究では特定のパーソナリティ特徴があるだろうとされていて、それは遺伝的に不安状態と結びついているだろうとのこと。

そして、パニック障害と関連していると考えられているパーソナリティ特徴がいくつか挙げられている。




過度の承認欲求

誰かに承認してほしい、認めて欲しいという欲求が強いということは、拒絶を恐れるということと同じだ。こうした傾向をもつ人は批判に過敏になるし、何か頼まれたときに嫌と言えないことが多い。

こういう性格の人は、友人や家族の幸せに関して1人で責任を負わなきゃいけないということになるので、彼らの要求に過敏になってしまうのだ。

創造性が高い

パニック障害を患っている人は、創造的にイメージする能力をもっている。「もしも~が起こったら」(だいたい悪い結果だけど)というシナリオを詳細に思い浮かべることができる。
これ、ほんとかなと思って調べてみたら、
「心配しすぎは知能と共に進化してきた:一般的に病的ととらえられてきたことが、種の生き残りを助けたかもしれない」
という研究を見つけた。
コントロール群では高知能は低い心配度合と関連していたが、「全般性不安障害」群は、心配度合が高い人ほどIQのスコアも高かったのだそう。
集団の中に、知能が高くて心配性な人がいると、その集団が危険を回避する可能性が高まるということかもしれない。

完全主義

完全主義は、何かを行って評価するときに、あまりに高いレベルのことを要求したり、黒白はっきりと考えすぎることから成り立っている。そうなると、よい結果は過小評価して、自分の基準に達してないことばかりに目が向くだろう。

そうなると、完璧でないことは失敗とみなされてしまう。これが、「課題と自己のフュージョン(“task-self-fusion”)」現象を生み出すのだって。自分の価値っていうものが、課題を完璧にできなかったら地に落ちると感じるような現象。

過度なコントロール欲求

パニックになりやすい性格の基本的な特性が二つ挙げられている。その1は、不確かなことに耐えられない。その2は、常に自身をコントロールしていると感じたい、ということ。

思わぬ予定の変更だとか体調の変化がパニック発作の引き金となることもある。生活しているとそういうことはまま起こりうるので、パニック障害の人たちはまた発作が起きるのではと恐れて、同じような場面を回避することになりがちだ。

身体感覚への過剰反応

身体の交感神経系(sympathetic nervous system)が、「闘争‐逃走反応」の引き金となる。生物学的な研究では、生まれつき「交感神経系優位」な人がいる。彼らの身体は、予期しがたい、あるいはコントロールしがたい変化に対し、過剰に反応する傾向を持っているのだという。

最近、HSP(ハイリーセンシティブパーソン)という言葉をときどき聞くが、この人たちも、交感神経系優位と言えるのだろう。

こういう傾向をもった人々は、環境や自分の生理的な反応に対して、高度に警戒した状態になりやすい。心臓がいつもより早く鼓動しだしたとか、汗がたくさん出るといった身体的な変化が起きたときに過剰に反応して、身体感覚を「危険な事態」と解釈しやすい。


パニック障害と痛みや免疫異常との関連性

もうひとつ読んだのが、「パニック障害に関連する新しいスペクトラム状態の提案」

New Spectrum Condition Linked to Panic Disorder Proposed

という記事。

パニック障害と身体的疾患には高い関係があるということがわかってきて、研究者たちは ALPIM と名付けたスペクトラム症候群を提案している。
Journal of Neuropsychiatry and Clinical Neurosciences.に掲載された研究とのこと。

パニック障害の患者とそれ以外の人を比べてみると、関節弛緩症や線維筋痛症(fibromyalgia)、アレルギー性鼻炎を併発している割合が非常に高いことが判明した。
以前には無関係と考えらえてきたこれらの症状は、実はパニック障害と関連があると研究者は想定しているのだそう。

 ALPIM という言葉が表しているのは、次の頭文字。医学用語が多いのでときどき略。

  • A: Anxiety disorder  不安障害(おもにはパニック障害)
  • L: Ligamentous laxity 靱帯弛緩(関節過剰運動症候群、脊柱側弯とかうんぬん)
  • P: Pain 痛み(線維筋痛症や偏頭痛、過敏性大腸症候群、前立腺炎、膀胱炎など)
  • I: Immune disorders 免疫異常 (甲状腺機能低下、ぜんそく、鼻アレルギー, 慢性疲労症候群)
  • M: Mood disorders 気分障害(大うつ病、双極Ⅱ型やⅢ型、タキフィラキシー←よくわからない)
こうした疾患が、別々のものではなくて、共通の遺伝的病因を持ったひとつのスペクトラム障害であるという可能性が示唆されている。

パニック障害と合併する疾患 / 鑑別を要する疾患というページには、
またパニック障害に伴う身体症状は多彩であり「変装の名人」とも称される程です。過敏性腸症候群(パニック障害患者の46%に合併)・頻尿・過呼吸症候群など診断基準に入っていない症状が合併する事も多くあります。
と記載されていたが、合併しているのではなくて同じ病気の別の現われなのかもしれないということらしい。


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