2015年で最も重要な、あるいは興味深い心理学論文トップ10

公開日: 12/30/2015 心理学


PsychCentralで、「2015年で最も重要な、あるいは興味深い心理学論文トップ10」が紹介されていました。PsychCentralのCEOであるジョン・グロール博士のセレクションとのこと。

Top 10 Important or Intriguing Psychology Articles of 2015

面白そうなのでちらほらと眺めてみます。

1.心理学を応用した尋問や拷問に、倫理的な規制が

今年の2月に発表された、サイコロジストが尋問や拷問に関与する際の倫理的問題に関する調査です。調査の代表者であるデイヴィッド・ホフマンさんの名前から通称「ホフマン・レポート」と呼ばれていますが、正式には、

Independent Review Relating to APA Ethics Guidelines, National Security Interrogations, and Torture.
「アメリカ心理学会の倫理的ガイドラインに関連した独自レビュー、国家安全保障の尋問と拷問」
という名称です。6ヶ月間に渡り、5万を超える文書をレビューし、148名の関係者に200回以上のインタビューを実施したのだそうです。軍やCIAで行なわれた尋問・拷問に心理学者が関与していることが明らかにされ、議論を呼びました。アメリカ心理学会のトップらがこの件で引退することになったといいます。

心理的(精神的)拷問については、日本トラウマティック・ストレス学会誌で昔読んだ宮地尚子先生の「拷問とトラウマ」が詳しかった記憶があります。

2.初回精神病エピソードのケアとしては、抗精神病薬を中心とした通常の治療と比べて、心理療法や家族支援などに焦点を当てたプログラムのほうが2年後の結果がよかった


アメリカ国立精神衛生研究所によるプロジェクトで明らかにされました。
Initial Psychotic Episode Best Managed by Team-Based Approach

「初回精神病エピソードはチーム・アプローチによるマネジメントがベスト」とのことです。訓練された専門家が、それぞれのクライエントにパーソナライズされた治療プランを立てて、チームで支援します。抗精神病薬の使用を減らし、回復指向の心理療法や、家族教育と支援、ケースマネジメント、仕事や教育のサポートなどが、一人一人のニーズや要望に応じて提供されるのです。プランは、クライエントとチーム、そして家族たちによる共同の意思決定に基づいてつくられるのだそう。

このプログラムを使って治療された患者は、一般的な治療を受けた人たちと比べて、治療からのドロップアウトが少なく、症状、人間関係、生活の質などもより改善したといいます。

一般的には、初回の精神病エピソードは入院や投薬中心の治療で、落ちついてきたら心理教育や家族支援といったケアが提供されることが多いと思いますが、初期からそうした介入もしたほうが結果がいいということのようです。

フィンランドで行なわれているという「オープン・ダイアログ」に通じるものもあるのかな。

3.心理学研究の再現性は考えられているよりもずっと低い

発表された心理学の研究結果の多くは牛の糞だと判明!?
でも取り上げました。
ランダムに選ばれた100の心理学研究の追試を試みたところ、そのうち36%しか統計的に意味のある結果を得られなかったというもの。

4.使っちゃいけない心理学と精神医学の専門用語50

不正確で、誤解を招いたり、間違って使われる、曖昧で論理的に混乱した言葉やフレーズが50取り上げられています。

Fifty psychological and psychiatric terms to avoid: a list of inaccurate, misleading, misused, ambiguous, and logically confused words and phrases

ここにそうした用語がリストアップされてました。

不正確かつ誤解を招く用語としては、
「自閉症の流行」「洗脳」「催眠トランス」「〜に対するジェンダー(あるいは教育や民族、知能、外向性などなど)の影響」「嘘発見テスト」「多重人格障害」
などが挙げられていました。

しょっちゅう間違って用いられる用語として、
「行動化」「近接」「否認」「フェティッシュ」「分裂」
が挙げられています。精神分析用語が多いですね。

あいまいな用語としては、
「併存疾患」「相互作用」「医学的モデル」「還元主義」が、

矛盾している言葉として、
「階層的段階的回帰(Hierarchical stepwise regression、どう訳すの?)」「心身療法」「観察可能な症状」「パーソナリティ・タイプ」などなど。

冗長なものとして挙げれてるのが、
「生物的環境的影響」「経験的データ」「メンタル・テレパシー」「神経認知」でした。

こんなにあると、何も言えなくなってしまうじゃないか。

5.自閉症はほんとうに「流行」しているのか? 

自閉症そのものが増えたのではなく、知的障害などのその他の児童精神科の診断が単に置き換わっただけだと。

6.音楽の好みは認知スタイルとリンクしている

3000人を対象にした調査で、音楽の好みがその人の認知スタイルとつながっていることが明らかになったという研究。
「共感タイプ(感情的、生理的に音楽に反応する人)」は、R&Bやソウル、アダルト・コンテンポラリー、ソフトロックといったメローな感じの音楽を好む。
「分析タイプ(音楽を分析、体系化する人)」は、パンクやヘヴィ・メタ、ハード・ロックといった激しい音楽を好む。
分析タイプがパンクを好むというのはちょっと意外な気もしますけど。

7.治療の成功を予測するのは? fMRIとゲノム薬理検査

抗うつ薬の効果がどれくらいあるかがfMRIで分かるようになるかもという研究と、ゲノム薬理検査(Pharmacogenomic testing)という遺伝子検査で特定の薬物への反応が予測できるようになるんじゃないかという研究。

8.性的な誘惑をどれくらい受け入れるかの男女の違いと類似性

前にYoutubeで、美人の女性が道を歩く男性に「Hしない?」と誘いかけてどれくらいが応じるか、という動画を見たのを思い出した。その逆で、男性が女性に声をかけるというパターンもありました。みなさんご想像のように、男性の多くはその誘いを受け入れ(いや、なかには「彼女がいるから」と断っている男性もいた)、ほとんどの女性は拒否していました。

男性と違って女性は、友人や家族から社会的に判断されるという恐怖と、身体的に傷つけられるという恐怖(妊娠する怖れなども含めて)があるので、女性は性的な誘惑に応じない傾向があると考えられています。

紹介されている研究では、女性が感じるこのふたつの恐怖を体験しにくいようなセッティングをつくると、性的な誘惑への男女差はなくなるということが明らかにされているそうです。

39ドル95セントで全文読めるみたいなので、女性の抵抗感を減らす秘訣に関心のあるかたはどうぞ。

あとの2つは、「政治的に多様なほうが社会心理学は発展する」とか「プロダクト・プレイスメントはテレビ視聴者の行動を変化させるか?」といった研究が紹介されていました。プロダクト・プレイスメントというのは、映画やテレビドラマの劇のなかの小道具や背景に実際の企業名や商品名などを表示させる広告手法だそうです。

ではでは、みなさまよいお年をお迎え下さい。
来年もよろしくお願いします。

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昨日、『スターウォーズ/フォースの覚醒』を観た。カイロ・レンがメンタル弱すぎなのは「もっと悪くなる」ために最後にやっちゃうことの伏線だろうからいいとして、殺陣シーンもライトセーバーふりまわしてるだけでずいぶん大雑把だったぞ。

慢性的にゲームしている人の脳は、良くも悪くも過剰に結合している

公開日: 12/26/2015 ゲーム 心理学


Brains of Chronic Gamers Show Hyperconnectivity, Good & Bad|PsychCentral

慢性的にゲームばかりしている人の脳は、そうじゃない人と比べてシナプス同士の結合が多すぎるのだそうだ。

新しい情報にすばやく反応できるのは良い面だが、他方で、衝動コントロールが弱くなるのだって。

まあ、FPSでばんばん敵を打ち殺していたら、反応は早くなるだろうな。

テレビゲームばかりしていると脳の接続が増えるのか、あるいはもともとたくさんつながってる人がゲームにはまりやすいのかは不明と。


アイコンタクトによって二人の脳の活動がシンクロする

公開日: 12/26/2015 心理学

Eye Contact Synchronizes Brain Activity Between Two People|PsychCentral

アイコンタクトによって二人の脳の活動がシンクロするのだって。二人がアイコンタクトしていたり、第三のものをいっしょに見る(共同注意)とき、脳で何が起こっているのかを研究したらしい。

「共同注意が必要な課題を行っているときに瞬きがシンクロするのは、注意が共有されたサインで、注意の共有は社会的な記憶として保たれると私たちは考えました」と第一執筆者のたかひろこいけさんが述べているのだって。

「見つめ合うと素直に お喋りできない♪」と歌われますが、脳がシンクロしてるなら言葉にしなくてもいいのか。

子どもの貧困と子ども食堂

公開日: 12/24/2015 子ども 社会


子どもの貧困対策 一歩前進だが足りない|毎日新聞

毎日新聞の社説で子どもの貧困対策について取り上げられていた。阿部彩さんの『子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)』が出版されたのが2008年のことだった。この本を読むまで、日本は子どもや社会的な弱者に対して優しい国だとなんとなく思っていたが、ぜんぜんそうではないということが客観的なデータによって明らかにされている。日本の子どもや、子育て環境は、他の先進諸国と比べても非常に劣悪なのだ。

子どもの貧困率は2012年に16.3%と過去最悪となっており、6人に1人の子どもが相対的に貧困状態にあるという。2013年には子どもの貧困対策法が成立し、2014年に子どもの貧困対策大綱が策定されたが、具体的な経済支援がなかったこともあり、実効性は疑問視されていたという。

「相対的貧困」とは、「所得の中央値の半分を下回っている人の割合で、つまりその国の所得格差を表している数字」を表している(相対的貧困率とは何か:6人に1人が貧困ラインを下回る日本の現状)。

社説によると、「服装は普通で携帯電話を持っている子が、実はカップラーメンと菓子だけ食べて過ごしているという例はいくらでもある」とのことで、支援の難しさが指摘されている。
 最近は食事付きの学習支援の場が各地に広がっており、政府はこうした「居場所」を早期に年間約50万人分作ることを対策に盛り込んだ。しかし、学校や地域で孤立し深刻な困窮状態にある子どもはなかなか居場所にやって来ないという。待っているだけではだめなのだ。
とのこと。
政府広報オンラインでも子どもの貧困対策について取り上げられている。

民間の取り組みとしては、最近ときどき耳にする「子ども食堂」という活動が、もっと広まるといいのにと思う。


雪だるまに隠れてるパンダを見つけられる?

公開日: 12/24/2015 いろいろ


雪だるまに隠れてるパンダを見つけられる?

制限時間は一分です。

それだけ。メリー・クリスマス!

スターウォーズでいうとあなたはどのキャラ? という心理テスト(のようなも の)

公開日: 12/24/2015 いろいろ 心理テスト


スターウォーズでいうとあなたはどのキャラ?
というクイズを見かけました。スターウォーズファンのあなたはぜひお試しください。

  1. 敵に囲まれた! どの武器を選ぶ?
  2. モス・アイズリー・カンティーナ酒場に来た。どれいっとく?
  3. 操縦するならどれ?
  4. お好みのヘアスタイルは?
  5. 友だちにどんなふうに言われる?
  6. フォースをなんのために使う?
  7. あなたの相棒は?
といった質問。



認知症になりやすい性格?

公開日: 12/22/2015 精神医学 認知症 不安


This Personality Trait Raises Dementia Risk 48% | PSYBLOG

スウェーデンで1000人以上の双子を28年にわたって追跡調査した研究からわかったことは、ある特定の性格傾向をもった人は認知症になりやすいということです。

人生において高いレベルの不安を体験してきた人々は認知症になるリスクが48%も増えるのだといいます。

研究を主導したAndrew Petkus博士によると、うつと比べると不安はどっちかというと代役扱いされてきたけれども、うつがエピソード的であるのに対して、不安は人生長きにわたる慢性的な問題となりやすいそうです。

双子たちはどちらも3年ごとに認知症のスクリーニング検査を受けたところ、上記のような傾向が明らかになりました。

2015年に、The journal Alzheimer’s & Dementia(アルツハイマーと認知症誌)に掲載された研究だそうです。

抑うつや不安障害などで、仮性認知症になる人はいるけれど、この研究はそういうのとはまた違うみたい。性格傾向として不安を感じやすいという人の脳には、なんらかの脆弱生があるということなのか、また違った理由で説明できるのか。

Anxiety is associated with increased risk of dementia in older Swedish twins

*英単語
understudy:代役のために稽古をする、代役をする

カール・サフィナ「動物は何を感じ何を思うのか?」(TED)

公開日: 12/19/2015 心理学 動物

TED観た。
カール・サフィナ「動物は何を感じ何を思うのか?」

動物が何を感じたり、考えたりしているかを知ることは可能なのだろうか、というテーマのレクチャー。そもそも動物に人間と同じような「心」はあるのだろうか? という疑問に、カール・サフィナさんが答えている。アホウドリの研究などもしている人のようです()。
生態学、生物学、行動科学に渡る発見や逸話から、クジラやオオカミやゾウやアホウドリの物語を紡ぎ出し、地球を共有する他の生き物たちも人間同様に考え、道具を使い、感情を表現することを示します。 

南アフリカの水族館に ドリーという名の まだ乳を飲んでいる バンドウイルカの赤ちゃんがいました ある時 飼育係が 休憩を取って 窓から水槽を眺めながら 煙草を吸っていました ドリーがやってきて 彼を見ると お母さんのところに行って 1分か2分ほど乳を飲み それから窓のところに戻ってきて 頭の上に煙のような ミルクの雲を作りました どのようにしてか この赤ちゃんイルカは ミルクで煙を表現するというアイデアを 思いついたのです 人間が何かを使って 別のものを表現するとき それは「芸術」と呼ばれます。
というエピソードは面白かった。「まねる」というのは、人間以外の動物はなかなかしないんじゃないかと思っていたけど、ほんとだろうか? イルカならやるかもしれない。

調査捕鯨に中止命令、日本は順守するのか|CNN
という記事を読むと、日本の捕鯨に対して反対を表明している学者でもあるようだ。
捕鯨に反対する理由としてサフィナ氏は、過去60年の間に南半球で約200万頭のクジラが殺されたと述べ、大型クジラのほとんどは頭数が回復していないと指摘。さらに、クジラに苦痛を与えずに殺す方法が存在しないことや、「値段は鶏肉の約10倍もする。クジラの肉がなくなっても餓死する人はいない」ことを挙げた。
という理屈は、じゃあ鶏には思考や感情はないのか、値段の問題だったら牛肉だって高いじゃないか、クジラに苦痛を与えずに殺す方法が見つかればOKなの? といった疑問も感じる。でも、何を食べてよくて、何は食べたらだめか、という問題は、理屈じゃないんだろうな。

あとサフィナさんの言い方だと、「動物が感情や愛情をもっているのは、見れば分かるでしょう。人間と同じでしょ」という話になってしまっていて、それでほんとにいいのだろうかとも思う。「わかりあえる」ことを前提とするか、「わかりあえない」ことから始めるか、という違いは大きいんじゃないか。

といったことを考え中。


ラズパイ(RASPBERRY PI 2)とマインクラフトを試してみた

公開日: 12/18/2015 ガジェット


子どもの誕生日プレゼントにRASPBERRY PI 2という小さなパソコンを買った。
Minecraftというゲームが流行っているのだという。

Raspberry Pi 2 スターターキット(無線版)

イラストのとおり、基盤剥き出しのそっけないものだが、スターターキットには電源やケース、ケーブルなどもついていて、すぐに始めることができた。

キーボードとマウスをつないで、HDMIケーブルをテレビにつないで電源をさしこむと勝手に起動する(起動ボタンなんてものはないのだ)。

OSはRaspbianというLinuxの仲間(?)。

渡してほっといたら、子どもはいつのまにかラズパイでYoutubeを観ていた。

マインクラフトは、パイエディションという機能限定の軽いものみたいで、ゾンビなどが出てこないのがちょっと物足りないようだ。

ためしにやってみると、箱庭みたいでなかなか面白いではないですか。


 
そのうちプログラムなども覚えると、自由に建物や地形を作れて面白くなりそうだ。
あれこれ調べて、パッチを当てたらちょっとだけサバイバルモードっぽくなった。
はい、子どもより親の方がはまっています。




を読むと、習い事としてプログラミングを始める子どもも増えてきているのだそうだ。




この記事には次のように書かれていた。
そもそもなぜ「子どもにプログラミングを教えるべき」,と考えられるようになったのでしょうか。それにはいくつか,きっかけとなる発言があります。たとえばAppleの創業者であるスティーブ・ジョブズは「すべてのアメリカ人がプログラミングを学ぶべきだ」という主旨の発言を1995年のインタビューで答えています。
筆者は子どもへのプログラミング教育の主眼は,プログラミングができるようになることではなく,むしろプログラミングを通じて,「思考のやり方を学ばせる」ということに本筋があると考えています。
プログラミング教育は,すべての学問に共通する「考え方」の根本を育てることができます。
「思考のやり方を学ぶ」あるいは「学び方を学ぶ」ということが大切ということだろう。





これはそのうち読んでみよう。メモ。

LattePandaというマシンも気になる。



『人狼ゲームで学ぶコミュニケーションの心理学 嘘と説得、コミュニケーショントレーニング』

公開日: 12/18/2015 グループ ゲーム 心理学


人狼ゲームで学ぶコミュニケーションの心理学 嘘と説得、コミュニケーショントレーニング』読了。

「究極の心理ゲーム」と言われる人狼ゲームについて、心理学のプロと人狼ゲームのプロ(ってなんだ)がチームを組んでできあがった本だそうです。


思春期の脳と反抗期・ゲーム、スマホ依存。親はどう関わればいいの?

公開日: 12/10/2015 子ども 発達心理学

例によって、dマガジンで読んだのだけど、週刊文春に

「思春期の脳」とのつき合い方

という記事があった。

「反抗期」が起きるのは親のせいではなかった!

なんてサブタイトルがついてるのは、多くの親が「急に死ねとかうざいとか言い出したのは、私の育て方が悪かったのか」と不安になるということの裏返しだろう。


将来展望が見えずに一千人の大学生が自殺

公開日: 12/08/2015 自殺




12月はよく鉄道事故で電車が止まるというイメージがあって、自殺者や「死にたい」人の数が増えるのかなと思っていたが、統計では4月、5月がピークになることが多いようだ。

上記の記事では、内閣府のデータから、「大学生の自殺」について書かれていた。
「就職失敗」や「進路の悩み」など、“将来展望”に関する原因で自殺した大学生が、過去6年間(2009〜14年)で1018人にのぼることが、内閣府のデータからはじめて判明した。うち42人については、併せて「家族からの叱責」や「親子関係の不和」も、原因として記録されていた。うつ病などの精神疾患を一因に自殺した大学生は、実数で664人、失恋など男女問題は192人と判明。大学生にとっては、将来展望こそが、精神疾患や失恋よりも、はるかに、死に至る深刻なリスクであることが明らかになった。
個人的に、いわゆるリクルートスーツを着ての「就活」という行為をしたことがないので、大変さはいまひとつ実感はできないのだが、「将来の展望」がまったく見えないということは相当のプレッシャーになるということは想像できる。

記事のほうは、後半が「会員限定」だったので、内閣府のサイトを見てみた。


一週間のFacebook断ちで得られる4つのメリット

公開日: 12/07/2015 SNS 心理学


「あなたがFacebookを一週間やめるべき理由」
This is Why You Should Quit Facebook For One Week|PsyBlog
を読みました。

Facebookを一週間やめてみることが、人々のメンタルヘルスにおよぼす影響を心理学者が確かめてみた、という記事でした。

集中力を高めたり、社会的な生活を促進して幸福感を増すことができるんだって。
しかもタダで。今すぐ。
薬もなしで、カウンセラーに会う必要だってないんだと。

それが一週間のFacebook断ちというわけです。

デンマークにあるHappiness Research Institute(幸福研究所)というシンクタンクの報告が元ネタのようです。ので、読んでみた。

THE FACEBOOK EXPERIMENT 
DOES SOCIAL MEDIA AFFECT THE QUALITY OF OUR LIVES?
Facebook 実験
ソーシャルメディアは、私たちのクオリティ・オブ・ライフに影響を与えているのか?」

というタイトルの報告書をダウンロードすることができます。

それによると、94%のユーザーがFacebookを尋ねるのを日課としていて、78%が日に30分かそれ以上使っていて、61%が「いいこと」をポストしたがっているのだそうです。

実験では、1095人のFacebook ユーザーが、一週間のあいだ、これまでと同じように使い続けるグループと(コントロール群)、辞めてみるグループに分けられました。

一週間後、Facebook断ちという「処理」を受けたグループの人たちには、次のような目覚ましい改善が認められました。
  1. より良い社会生活
  2. 集中しやすくなる
  3. 気分がよくなる
  4. 時間を無駄にしなくなる
なんだかいいことばかりじゃないですか。ほんとか。

ええと、報告書によると、

一週間Facebook断ちした人の88%はハッピーで(コントロール群は81%だそう。有意差あるのか?)、人生を楽しんでいるのは84%(コントロール群は75%)、孤独に感じているのは16%だけ(コントロール群は25%)だそうです。

Facebookを辞めたほうがさみしくないというのは興味深いですね。

どうやら、Facebookのかわりに、会話したり、家族に電話したりと他のことをする時間が増えたために、より穏やかに感じるようになったということのようです。

また、Facebook envy と呼ばれるような嫉妬心を刺激される機会が少なくなることで、気分が落ちついたということもあるとのこと。たしかに、人々はソーシャルメディアには「いいこと」しか書かない傾向があるので、「楽しそうだ、幸せそうだ、うまくやってやがる」とうらやましく思ってしまいがちですね。
いわゆる、「隣りの芝生は青い」という現象です。
PEOPLE ON FACEBOOKARE 39% MORE LIKELYTO FEEL LESS HAPPYTHAN THEIR FRIENDS.
なんて結論だった。Facebookユーザーは、Facebookをしてない友だちと比べて39%以上もハッピーではないんだと。
INSTEAD OF FOCUSINGON WHAT WEACTUALLY NEED,WE HAVE ANUNFORTUNATETENDENCY TO FOCUSON WHAT OTHERPEOPLE HAVE.
「本当に必要なことにフォーカスするかわりに、私たちは、他人がもっていることにフォーカスしてしまうという不幸な傾向をもっているのです」
だそうですよ。

幸福研究所の次のテーマは、一年間のFacebook断ちを実験してみるということらしい。

認知行動療法などに使えやしないか「紙1枚にまとめる技術」

公開日: 12/06/2015 いろいろ 仕事


『トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術』という本を立ち読みしました(半分くらい)。

「紙1枚にまとめる技術」を、たとえば認知行動療法などをする際に、活用できたりしないだろうか、と思ってぱらぱらめくってみたのです。

普段、あんまりビジネス書なんて読まないので、興味関心のある良い読者というわけではないのだけれど、思い出していくつか覚え書きとしてメモしておきます。

クリスマスに関する心理学研究を知ってハッピーな年の瀬を

公開日: 12/05/2015 いろいろ 心理学



「クリスマスに関する12の心理学研究」
The 12 Psychology Studies of Christmas | PsyBlog
という記事を読んだので、そのなかからいくつか研究の元ネタに当たって面白そうなのを紹介してみます。

ホワイトクリスマスの幻聴体験

Harald Merckelbach , Vincent van de Ven, Another White Christmas: fantasy proneness and reports of ‘hallucinatory experiences’ in undergraduate students, Journal of Behavior Therapy and Experimental Psychiatry Volume 32, Issue 3, September 2001, Pages 137–144

ノイズ音を流して、ビング・クロスビーが歌う「ホワイト・クリスマス」が聞こえたと思ったらボタンを押してもらうという実験です。


大学院生44名が被験者となり、この実験を行ったところ、14人(32%)が少なくとも一度は「聞こえた」とボタンを押したそうです(実際は、「ホワイト・クリスマス」は一度も流れていない)。

ホワイト・クリスマスが聞こえた人は、そうでない人々と比べて、「空想傾向」と「Launay-Slade幻覚スケール」がハイスコアでしたが、イメージの鮮明さや社会的要求への敏感さは変わらなかったとの結果。

幸せなクリスマスを過ごすには

『幸福研究誌』に掲載された
Tim Kasser , Kennon M. Sheldon, What Makes for a Merry Christmas?, Article Journal of Happiness Studies December 2002, Volume 3, Issue 4, pp 313-329

という論文から。

クリスマスは多くの文化で重要なものとされているけれど、どんな経験や活動が幸福と結びついているかということはこれまで検証されてこなかった。というわけで、18歳から80歳までの117人に聞いてみました、という研究です。

より幸福度が高かったのは、家族と過ごしたり、信仰的な体験をした人々でした。他方、幸福度が低かったのは、消費やプレゼントをもらうことを重視していた人たちだそうですよ。

現代の物質主義的なクリスマスは、幸福を減らしてしまうので、家族やスピリチュアルな活動を大切にしましょうということでした。

いいプレゼント、悪いプレゼント

How Poor Gifts Affect Relationships
クリスマスの贈り物を選ぶという行為は、経済的にも、情緒的にもハードな仕事だ、というわけで、贈り物が人間関係に与える影響についての研究が紹介されています。

よい贈り物は、カップルのあいだの同質性・親近感を維持するが、関係にはそれほどプラスにならない。一方で、不十分なプレゼントは、お互いの同質性に疑問を抱かせ、関係性を傷つけてしまう。がんばってプレゼントを選んでも、対して効果はないけど、失敗するとぎくしゃくするというわけですな。ああ難しい。

また別の研究では、プレゼントに対する男女の反応の違いが取り上げられていました。なかなか興味深い実験です。

Elizabeth W. Dunn, Jeff Huntsinger, Janetta Lun, and Stacey Sinclair (2008). The Gift of Similarity: How Good and Bad Gifts Influence RelationshipsSocial Cognition: Vol. 26, No. 4, pp. 469-481.

ブリティッシュ・コロンビア大学の心理学者エリザベス・ダンさんたちによる研究。

初めて出会う大学生の被験者たち(異性のペア)に、数分間雑談させて、おたがいにプレゼントを贈る、という設定です。
あらかじめプレゼントのカタログを見せて、最も欲しいものと、欲しくないものをランクづけしておいてもらいます。
欲しかった(良い)プレゼントをもらった人と、欲しくない(悪い)プレゼントをもらった人では、相手に対して感じる同質性(どれくらい似ているか)がどう違うかを測定しました。

すると、男性は、欲しかった物を贈られると、相手に対してより親近感を感じる傾向が示されました。しかし、女性は、プレゼントの良し悪しが親近感の大小にあまり影響しなかったのだそうです。

不思議ですね。

二つ目の実験では、すでにつきあっているカップルが対象とされました。あとはほぼ同じ実験。
それぞれにとって、最高のプレゼント、あるいは最低のプレゼントを受け取ります。相手に対する親近感に加えて、関係がどれくらい長く続きそうかを聞きました。

すると、欲しくないプレゼントを受け取った男性は、親近感を感じる度合いがより少なく、また関係の継続も短くなると予想する傾向が示されました。

一方で女性は、パートナーから望まないプレゼントをもらったほうが、より親近感を強く意識し、関係の継続も長く続くと考える傾向が見られたといいます。

いったいどういうことでしょうか?

ダンさんたちは、「心理的防衛機制」から、説明を試みています。

女性は、二人の関係に(たとえば不十分なプレゼントなどから)脅威を感じるほど、その脅威から関係を守ろうとする、というのです。
知り合ったばかりの人とはそれほど深い関係はないので、つまらないプレゼントをもらったからといって、関係性をおびやかしたりはしません。ところが、守りたい関係性がすでにある場合には、女性は潜在的な脅威に対して防衛しようと動機づけられるのです。

男性は反対に、パートナーの選択が気に入らなければ、パートナーだって嫌いだ、といった態度を取る傾向があるのだと。

この実験はあくまで短時間の、男女の最初の直感的反応について調査したものなので、こういう実験結果が出たからといって、男性が女性に贈るのはチープなプレゼントでいいやということではありません。むしろ、女性のほうが不十分な贈り物に傷つきやすいのだということ。

クリスマスの飾りつけでわかるあなたの性格

Carol M. Werner, Sonja Peterson-Lewis, Barbara B. Brown, Inferences about homeowners' sociability: Impact of christmas decorations and other cues, Journal of Environmental Psychology Volume 9, Issue 4, December 1989, Pages 279–296

クリスマスのシーズンになると、色鮮やかな電飾やクリスマスグッズを飾る家が増えてきます。この論文では、家の外観を飾っていると、周囲の人々からはより社交的な家族で、コミュニティや社会活動にも積極的に参加していると考えられる、といった傾向があるとされています。

まあそうですね。
引きこもってうん10年という人は、窓にライトをかざったりはあまりしないと思う。

社交的に見られたかったら、ピカピカに飾り立てるというのもひとつの方法ということでしょうか。

サンタクロースは本当はいないという真実を知った子どもの反応は?

Carl J. AndersonAffiliated with Department of Psychology, University of Texas , Norman M. Prentice, Encounter with reality: Children's reactions on discovering the Santa Claus myth, Child Psychiatry and Human Development December 1994, Volume 25, Issue 2, pp 67-84


サンタクロースをもはや信じていない52人の子どもたちに、彼ら/彼女らが真実とであったときの反応を尋ねるインタビューをしてみたという研究。

子どもたちの親も、子どもにサンタを信じさせるためにした努力や、子どもが真実を発見したときの反応、そして親自身の反応について、質問紙で回答を求められた。

サンタを信じさせようとする親の努力にもかかわらず、子どもたちはだいたい7歳くらいになると真実を発見する。子どもは、おおむね、真実を知ったことをポジティブにとらえていたが、親の方はそれをさみしがる傾向が見られたんんだそうです。

ではでは、みなさま、よいクリスマスを!


喉が詰まる、、ヒステリー球(梅核気)の対処法を探してみた

公開日: 12/02/2015 ストレス 精神医学


2、3日前から、喉がつまったような違和感がずっと続いている。
ピンポン球かなにかがすっぽりと収まっているみたいな感じで、ものが飲み込みにくいし、気になってしかたがない。
うがいをしても、吐き出そうとしても、このピンポン球が取れなくて気持ち悪い。

これは、どうやら「ヒステリー球」と言う症状だ。
「神経性咽喉頭部狭窄症」とか「咽喉頭異常感症」とも呼ばれている。英語では、Globus hystericus という言葉で表現されているものが、同じ症状らしい。
東洋医学では「梅核気(ばいかくき)」という名称で知られている。

どうにかならないものかと、治療法や対処法をあれこれ調べてみた。


おしゃべり用心理ゲーム「海、砂漠、コップ、コーヒー」

公開日: 12/01/2015 ゲーム 心理テスト

お遊び用の心理ゲームです。

次の4つの問に答えてください。
海が目のまえにみえます。気持ちを一言。
あなたは砂漠の真ん中に取り残されています。どうする?
ガラスのコップがあります。どんなコップ? 思い浮かぶことは?
コーヒーをどんなふうに飲むのが好きですか?
さてどう読み解くのでしょうか。

海は、「人生」を象徴しています。
砂漠は「死」の象徴です。
コップが表しているのは「結婚」
コーヒーは「セックス」のシンボルです。

このゲームは、台湾で流行っていたのをアグネス・チャンが紹介したんだそうですよ。

ちなみにアグネスの回答は、

「海はとっても気持ちがよくて深呼吸したくなる」
「砂漠から、何とか出られる方法を考える。そのままいるのは悔しい」
「コップ→透きとおっていて長持ちしそう。人間より丈夫」
「コーヒーは飲みません。どうしてもと言われたら、ミルクやお砂糖をたっぷり入れて飲む」

だそうです。