別れた後に元彼/彼女をFacebookストーキングすると・・・

公開日: 9/29/2015 SNS 心理学

いくつか質問。

YesかNoかで、正直に回答してください。

  • 切り替えは早い方? それとも引きずる方?
  • あなたは疑り深いですか?
  • 可愛さあまって憎さ100倍、なんて感情を経験したことは?
  • あなたは、昔の彼氏/彼女や、気になっていた人のことをGoogleやFacebookで検索したことはありますか?

全部にYesだったからといって、別にあなたにストーカー気質がある訳ではない。と思いますけれども、そうえいばこんな研究を見かけました。


Romantic Partner Monitoring After Breakups: Attachment, Dependence, Distress, and Post-Dissolution Online Surveillance via Social Networking Sites

「破局後に(元)恋人を追跡する:愛着、依存、苦悩、そして別れた後にSNSを通じてオンライン上の監視を行うこと」

といった感じのタイトルの研究である。

恋愛関係の解消は、たいていの人にとってストレスフルな出来事だ。それまでは2人のつながりを確かなものにするツールだったSNSが、別れた後にはかえって負担になることも多いだろう。オフラインでは別れても、SNSの「フレンド」や「フォロー」関係をなかなか切れないという人もけっこういるのではないか。

オハイオ州立大学のJesse Fox博士らによる調査によると、別れによって苦痛を感じている人ほど、かつてのパートナーをオンライン上でモニタ—しやすいという。
まあ、別れてヤッホーてな人は、新しい人に目が向きますわねそりゃ。

で、かつてのパートナーが気になってオンラインで監視するほど、失恋からの回復も長引くんだという。

研究では、愛着スタイル(不安型と回避型とか)、関係への投資、コミットメントのレベル、関係終結への責任度合い、破局後の情緒的苦悩、そして別の関係を求めるかどうかといったことが調べられた。

結果から明らかになったのは、次のような傾向だった。

愛着への不安が強いほど、その関係に投資する度合いも高いけれど、別の関係も求めやすいんだという。不安な人ほど、あれこれつぎ込むけれど、「保険」や「代替」も欲しいということなのかな。

回避的な愛着関係をもつ人は、深い関係にはならないが(まあそうだよな)、別の関係を求める傾向はある。広く浅く、が戦略というタイプか。

別れた苦しみが大きいほど、元のパートナーをオンラインで監視する(Facebookストーキングというんですね)傾向が強いけれど、そんなことをしても自分の傷に塩を塗るだけだからやめといた方がいいですよ、って話でした。


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猫投下作戦、あるいは風が吹けば桶屋が儲かる

公開日: 9/27/2015 いろいろ 心理学

『NLPカウンセリング・システムセラピー入門』という本を読んでいたら、「猫投下作戦」について書かれていて、面白かったので調べてみた。

なんとなく、スパイ大作戦、みたいで響きがいいじゃないですか。

ご存知の方もいるかもしれないが、これは1950年代に世界保健機関(WHO)がボルネオ島で実施したと伝えられる環境保全活動だったという。

こんなストーリーである。

1950年代初期、ボルネオ島でマラリアが流行したという。WHOは、殺虫剤のDDTを散布した。マラリア原虫を運ぶ蚊を撲滅するためだった。
その結果、マラリアの発生は減ったのだが、同時に、他の昆虫も駆除されてしまった。

引き続き、こんなことが起こったという。

ひとつは、ボルネオの住民の不眠症だ。
なぜか?
DDTによって、スズメバチがたくさん死んだ。
スズメバチは、屋根に住む毛虫を食べる習性があった。
そのスズメバチが減ったために、毛虫が大量発生して、屋根を食べまくった。
その当時のボルネオの屋根は、たぶん茅のようなものを敷いたものだったのだろう。
屋根がぼろぼろ落ちたり、風で飛んだりしたので、屋根にするためにWHOはトタンを配った。
ボルネオは熱帯地方で、雨期には激しい雨が降る。
トタンの屋根にスコールが落ちてくるので、住民は太鼓の下で暮らしているようなものだ。これではとても眠れない。
というわけで、不眠症が増えてしまったのだというストーリー。

もうひとつの話。

殺虫剤で死んだ蚊を、イモリが食べて死んでしまった。
毒だらけのイモリを猫たちが食べて、猫も死んでしまう。
その結果、ネズミが大量に増えてしまった。
すると、ネズミが媒介するチフスやペストなどが心配されるようになったのだ。
そこで、WHOは箱に猫を入れて、イギリス空軍の飛行機からパラシュートで空から投下するという作戦を考えだして、実行したんだと言われている。

ボルネオ島のお隣のバリ島では、お土産に「パラシュート猫」が売られているんだって。

出典www.artfesta.net

半分都市伝説みたいに尾ひれがついて、何万匹もの猫がパラシュートで空から降ってきたみたいな話になっているけれど、実際は20匹くらいだったらしい。

こういう話はあちこちにあるみたいだ。
「風が吹けば桶屋が儲かる」
というのも、同じようなストーリーだし、
「わらしべ長者」
なんてのも、構造は同じだ。

蝶々が羽ばたくと天気が変わるか、なんていうのは、バタフライ効果とか、カオス理論とか、複雑系といった分野と関係しているみたいだけれども、さっぱり分からない。

でも、「心」とか「人間関係」も、言ってみれば「猫投下作戦」みたいなところはあるんじゃないかと思うのである。

心も人間関係も、「Aが起これば常にBという結果になる」といったような、はっきりとした因果関係で動いているわけではない。

それこそ「猫投下作戦」のような、一見、関係ないようなことが影響しあっているのだと思う。

で、場当たり的な介入はたいがいいいことない、というのも共通しているようだ。

でも、このストーリーが広まったのは、「猫がパラシュートで降ってくる」という、なんとも言いがたいキュートさが要因だろう。



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iPadをアップグレードしてしまったけどiMacをYosemiteにできないからiCloud Drive使えないじゃないかという話

公開日: 9/25/2015 ガジェット

連休は子どもたちとあちらこちらと出かけてすっかりくたびれております。

まったくのメモ書き。

iPad mini2でKeynoteを使ってプレゼンをすることがあるのだが、ひさしぶりに開いてみたらiCloudからファイルをうまくダウンロードできないという不具合が生じていた。

調べて見ると「復元」すると元に戻ったというのをみかけたので、ついでにiOSをアップグレードしてしまおうと考えた。

そのさいにiCloud Driveを使う、という選択をうっかりしていまった。

iPadでは、KyenoteのファイルをiCloud Driveからちゃんと読み込めるようになった。

よかったよかった、と思ったら、今度はiMacでiCloud Driveを使えないと出た。
アカウントが iCloud Drive にアップグレードされました。すべてのデバイスでプレゼンテーションを最新の状態に保つため、OS X Yosemite にアップデートしてください。
そうか、iCloud DriveはYosemiteにしなきゃいけないんだ。

(いま試してみたところ、iMacからもファイルは開けるし、編集もできるのだけど、iPadのものと同期はしない。iCloud Driveとは別の場所に保存されちゃうということなのかな)

でもまてよ。
しばらく前にそれを試みて、うちのマックは古すぎるので、Yosemiteはあきらめたんだった。

2007年のiMacで、メモリは4G。
ギリギリ、Yosemiteは動くらしいが、ネットの評判を見ているとやはりかなり重くなるらしい。

リスクを考えると、ちょっと手を出しにくい。

そろそろ買い替えどきだろうか・・・

家庭内の大蔵大臣にそれとなくふってみると「ま、当分ムリだね」とあっさり言われてしまった。

ということで、しばらくiPadだけでプレゼンテーションを作成する必要がある。
(あれ、iCloud Driveをダウングレードという手もあるのかな)

とりあえず、ここまでの進捗状況をメモしておく。


なぜ多くの患者は認知行動療法を早くにやめてしまうのか

公開日: 9/20/2015 心理療法 認知行動療法

「なぜ多くの患者は認知行動療法を早くにやめてしまうのか」
Why Many Mental Health Patients End CBT Early|Psych Central News

という研究。the Journal of Clinical Psychology に掲載されたとのこと。


認知行動療法 (CBT) の予定されたコースを終える前にドロップアウトしてしまう患者が多いことはよく知られている(ある研究によれば、半分近くが中断事例だという)。

それはなぜだろうか?

ということで、Partha Krishnamurthy博士らが、不安のための認知行動療法の治療を受けている患者たちを対象に調査を行った。

CBTは宿題が出るから、それができなかった患者さんが「先生に叱られるかも」と気にして行きにくくなるのかと想像していたけれど、研究では違う結果だったらしい。

調査から分かったのは、

  • 早く回復した患者
  • ベースラインの不安が高い患者

はドロップアウトする率が高かったということ。

「発見の肝は、回復のレベルよりも回復のスピードだと考えています。始めたときと比べて早く良くなるほど、患者は治療をやめる傾向があるのです」とKrishnamurthy博士は言う。

("the heartbeat of the finding"は、直訳すると「発見の鼓動」となるけど、どう訳したらいいのかな)

また、精神疾患にまつわるスティグマも、ドロップアウトに寄与しているだろうとのこと。「私は良くなったのに、なんで治療を続けなきゃいけないの?」と考えるのはムリもない。

従来の意思決定の研究では、患者は改善しつづける限りは治療に通うと考えられてきた。
けれども新しい研究では、どうもそうじゃないらしいことが明らかになった。

患者は良くなってきたと体験しはじめると、治療を続けることの社会的、情緒的、経済的、時間的コストと比べて、もっと良くなりたいという願望はあまりはっきりしなくなってくるのだそう。

もともとの不安のレベルが高い患者も、ドロップアウトしやすいが、それは「治療が必要だ」と決定する能力が病気によって影響されているからだと考えられている。

不安が高すぎる人たちは、リラクセーションや薬物療法といった即効性のある方法の方がよいだろうとのこと。

ドロップアウトを減らすには、続けるとメリットがあるような方法がいいかもしれないと提案されていた。たとえば、治療をある程度やりとげたら患者の自己負担が減るというような経済的なインセンティブだって。

ちょうど、岡野憲一郎先生がブログで「治療の終結」についてエッセイを書いておられたのを読んだ。
しっかり計画された終結は、いったいどれほど起きるのだろうか?人それぞれであろうが、心理療法に限ってはインテークした人の半分以上がドロップアウトしてしまうと考えていいだろう。ビギナーの場合には、三分の一残ればいい方ではないか。
とのことなので、力動的な精神療法でもドロップアウト率は似たようなものなのかもしれない。「自然消滅」というかたちの中断は、治療者と患者のお互いの阿吽の呼吸で起こっている終結のかたちなのでは、という岡野先生の話が興味深かった。
敢えて言うならば、人間はある時期が来れば、別れている方が、よい関係を持てることが多いのである。安定した穏やかな関係は、距離のある関係である。距離を持ちつつ、心の中ではお互いを考えているのだ。
そういうものかもしれない、と思いました。

親密な関係と個人の苦悩:心理的攻撃による目に見えない傷

公開日: 9/20/2015 心理学

「親密な関係と個人の苦悩:心理的攻撃による目に見えない傷」
Intimate Relationships and Personal Distress The Invisible Harm of Psychological Aggression|Personality And Social Psychology Bulletin

アブストラクトだけ読んでみた、シリーズ。



親密な関係における攻撃に関する研究。いわゆるDVは、個人の苦悩に関係しているが、それでもいまだに有害なこととして十分認識されていない。

この研究では、パートナーへの心理的な攻撃行動が、カップルが全般的にどれくらいうまくいっているかとか、身体的な暴力を経験したかということとくらべても、より個人的な苦悩に結びついていることが明らかにされた。

二つ目の研究では、参加者は何が自分のストレスの原因となっているととらえているか、ということを調査した。

パートナーによる心理的な攻撃が個人的な苦悩を予測しているにもかかわらず、参加者は自分たちの関係がストレスの原因だと認知していなかったという。

これは、「目に見えない傷(invisible harm)」というパターンを示唆している。心理的な攻撃の被害者とされた人は、体験している傷を認識しないかもしれないということだ。

ということです。

内閣府男女共同参画局による「配偶者からの暴力被害者支援情報」というサイトによれば、「いわゆるドメスティックバイオレンス(DV)」の「精神的なもの」は次のように定義されている。
心無い言動等により、相手の心を傷つけるもの。
精神的な暴力については、その結果、 PTSD(外傷後ストレス障害)に至るなど、刑法上の傷害とみなされるほどの精神障害に至れば、刑法上の傷害罪として処罰されることもあります。 
具体的な言動は、次のようなことが挙げられている。

  • 大声でどなる 
  • 「誰のおかげで生活できるんだ」「かいしょうなし」などと言う 
  • 実家や友人とつきあうのを制限したり、電話や手紙を細かくチェックしたりする 
  • 何を言っても無視して口をきかない 
  • 人の前でバカにしたり、命令するような口調でものを言ったりする 
  • 大切にしているものをこわしたり、捨てたりする 
  • 生活費を渡さない 
  • 外で働くなと言ったり、仕事を辞めさせたりする 
  • 子どもに危害を加えるといっておどす 
  • なぐるそぶりや、物をなげつけるふりをして、おどかす

「目に見えない傷(invisible harm)」は、被害者が「悪いのは私だ」と自らを責めたり、あるいは「あなたが悪い」と周囲から非難されることによっても、起こるのだろう。

「ファミリー・バイオレンスについて考えるサイト」の「被害者たち」の体験や心理状態に関するページには、次のように書かれていた。
心理的外傷は、それが目に見えないものであるがゆえに、また人に語れないことであるがゆえに、 適切な対応がされないまま放置されていることがほとんどです。
身体の傷を放置しておくと化膿して悪化するのと同じように、心の傷もそれが深い傷であれば、 放置しておくと時とともに悪化します。
「目に見えない」のは、周囲にいる人たちが見えない、見ていない、ということでもある。

DV相談ナビ
DV相談ナビ

「犬のうんこ、ふんじまえ」とかわいい毒を吐く(怒りのマネージメント)

公開日: 9/18/2015 アンガーマネジメント ストレス 心理学

「怒り」のマネジメント術―できる人はイライラしない』(安藤俊介、朝日新書)

を読んだ。


「怒り」はアレルギーと似ているという。
同じ刺激や出来事でも、腹が立たない人もいれば、身もだえするほど怒ってしまう人もいる。
必要以上に怒ると、自分も苦しいし、人間関係にも影響して結局損してしまうことになる。

アレルギーの治療と同じく、怒りのマネジメントには、「対症療法」と「体質改善」の二つがある。

怒ったり、イライラしたりする度に怒りを消火するスキルが「対症療法」で、普段から小さなことで怒らなくなるようにしていくのが「体質改善」ということになる。

「怒りの消火」について、いろいろなスキルが紹介されている。

「怒りは数値化するだけで小さくなる」
というのは、短期療法や認知行動療法でもよく使われるスキルだろう。
0〜10段階でレーティングしてみるだけで、ちょっと落ちつくというあれだ。

「100から順番に3ずつ引き算していく」(できれば英語で)
というのも、怒りに飲み込まれる前に、ちょっと気を逸らすのに有効だろう。

「かわいい毒を吐く」
というのが、ちょっと面白かった。
心の中で「犬のうんこ、ふんじまえ」とちょっと毒を吐いておくと、怒りが楽になる。「かわいい」くらいの毒というのが、自家中毒に陥らないポイントのようだ。
「お前の母ちゃん、でべそ!」なんてのもいいだろう。

「魔太郎日記」とか「ぷちデスノート」なんてのをつけるといいかもしれない。

後は、「歌う」「走る」「掃除する」なんてコツが取り上げられていた。

「体質改善」については、基本的には、怒りの日報(アンガーログ)をつけて、「こころのメガネのゆがみ」を治していくという、認知行動療法の手法。

毒吐きでちょっと気になったのが、豆しばでした。

かわいい顔で毒を吐く「豆しば」、仕掛けた電通の意図は何?

心理学クイズとジェンダーバイアス、プライミング効果について

公開日: 9/18/2015 ジェンダー 心理テスト 心理学

心理学クイズ

Can You Solve This Famous Psychological Riddle?

という記事で取り上げられていた「有名な心理学クイズ」。Riddleだから、「なぞなぞ」の方が正しい訳かな。
心理テストってわけじゃありません。



こんなやつでした。
少年と父親が病気になった。悲しいことに、父親は、腫瘍が大きくなって死んでしまった。少年は生きのびたが、早急の手術が必要となって病院に駆け込んだ。外科医が呼ばれた。手術室に入り、患者を見た瞬間、外科医は叫んだ。「ダメだ! 私には手術はできない。これは私の息子じゃないか!」
いったいどういうことでしょう? この文章におかしなところはありますか?

というなぞなぞ。

さて、みなさんも答えてください。

『レジリエンスの鍛え方』、心の中の7匹の「思い込み犬」

公開日: 9/17/2015 ストレス 心理学

レジリエンス

レジリエンスって? 折れない心を身につけるための心理学

でも紹介したが、レジリエンス(resilience)とは、メンタルな面での「回復力」「復元力」「耐久力」を指す言葉だ。

戦争や災害、過酷な労働といったストレスフルな状況においても、うまくやりぬいてバランスを崩さないでいられる人がいる。
そうした人は「レジリエンスがある」ということになる。

刺激と反応のあいだにはスペースがある

『「レジリエンス」の鍛え方』(久世浩司、実業之に本社)
を電車で読んだ。
刺激と反応のあいだにはスペースがある。そのスペースをどう生かすかが、私たちの成長と幸福の鍵を握っている
『7つの習慣』で有名なコヴィ博士の人生を変えたというフランクルの言葉が紹介されていた。

そのスペースの自分の反応の仕方を決めるのが「思い込み」だという。
認知療法でいうところの、自動思考や信念のことですね。

エリスのABCモデルが紹介されている。こんな感じ。

A. 隣りの家の人が夜中に大ゲンカをしていてうるさい。
B. 人の安眠の邪魔をしやがって! 嫌がらせか!
C. 腹が立って眠れない。

このBのところが、「思い込み」ということになる。

心の中の7匹の犬

この本では、代表的な思い込みを「7種類の犬」に例えているのが面白かった。


正義犬

「べき思考」が強くて「〜すべき」「〜すべきでない」といった口癖がある。怒りや嫉妬の感情を生む。

批判犬

他人を批判しがち。「白黒思考」。怒りや不満の感情。

負け犬

「自分はダメな人間だ」。怖れや悲しみ、不満の感情。

誤り犬

「私のせいで失敗してしまった」と自己関連づけ。罪悪感や羞恥心。

心配犬

悲観的思考。「ひどいことになるだろう」。不安や怖れの感情。

あきらめ犬

「自分の手に負えない」「できっこない」。不安や憂うつ、無力感。

無関心犬

面倒なことを避けて「どっちでもいい」「しらない」。疲労感や意欲喪失。

だそうです。自分の中で、どの犬がつぶやいているのかを、ときどき確認してみるといいかもしれない。

どうすればレジリエンスや自己効力感を養うことができるか、といったことが具体的に書かれていて、勉強になる本でした。

きままにやさしく? 親切にすると社交不安が減少する

公開日: 9/16/2015 心理学 不安

昔々、小学生時代、学芸会の劇で神父さんの役が当たってしまったことがある。
セリフはたしかひとつだけだったのだが、いざその場面になり、両手を挙げたところで頭が真っ白になってしまい、何も言えなかったことがある。

ああいうときの不安とかパニックって、なかなかどうしようもないのだけど、なんとかならないもんだろうか。

「社交不安を少なくする実践的な方法」
A Practical Way To Reduce Social Anxiety|PSYBLOG
という記事で紹介されていた研究。


社交不安は、仕事や生活全般にダメージを与えるし、いろいろな機会を失ってしまうことにつながる。

研究では「親切にする行為」によって、社交不安を減らせるということが明らかになった。

社交不安障害とは

社交不安障害(SAD:Social Anxiety Disorder)とは、社会的な場面で、不安や恐怖を過剰に感じてしまう病気のことだ。

「人前で話をしないといけないとき、ひどく緊張して汗がでたり、動悸がひどくなって、なにもできなくなってしまう」
「会話のときに自分の意見がまったく言えず、自己主張できない」
「周囲の人に注目されることが恥ずかしくてしかたがないので、そうした場面にとてもでることができない」
といった「症状」が見られる。
なんでもかんでも「病気」にしなくたっていいじゃないか、「性格の問題」だろう、といった意見もあるが、当事者にとっては大きな苦痛だし、脳内の神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリンなど)のバランスが崩れている、扁桃体の活動異常が見られる、といった研究もある。

親切さは社交不安による目標の回避を少なくする

Kindness reduces avoidance goals in socially anxious individuals|Motivation and Emotion,2015

のアブストラクトだけ、ざっと読んでみた。

被験者は、3つのグループに分けられた。
  • 一つのグループは、親切な行為をすることを求められた(PSYBLOGの記事によると、ルームメイトのお皿を洗ってあげるとか、そういったこと)
  • もう一つのグループは、「エクスポージャーのみ」。社交場面にさらされるということらしい。
  • 最後に、何もしないコントロール群。
こうした設定で、参加者は4週間過ごした。

その結果、第1グループは、他の二つの群と比べて、社交的な状況を回避しようとする傾向が大きく減少したという。

研究を行ったジェニファー博士はこう話す(PSYBLOG)。
親切によって、社交場面をよりポジティブに捉えたり、予想するということが促進されます。それが、社交場面を否定的に予想することに立ち向かう助けになるのでしょう。
それによって社交不安のレベルが下がって、社交場面を避けようという気持ちも少なくなるのです。
親切にすることで、他者に拒否されるんじゃないか、といったネガティブな予測が少なくなるということなんだろう。

親切を広めるランダム・アクト・オブ・カインドネス

「Random act of kindness」という言葉は、アメリカのアン・ハーバードさんという作家が1980年代に提唱した考え方で、誰かを助けたり、はげましたりする行動を意味しています。

1995年に、親切心を広めるためのNPO団体「The Random Acts of Kindness Foundation」が設立されました。

ハーバートさんは、「きままに やさしく いみなく うつくしく いきる」という本を出しているんですね。あ、谷川俊太郎訳だ。今度、読んでみよう。

きままにやさしくいみなくうつくしくいきる

「ランダムアクト」なんで、「きままにやさしく」するってところがミソなんですね、きっと。

何をしたらいいか分からないって?

では次の動画を参考に。20個の「Random act of kindness」が紹介されている。




Netflixで『横道世之介』を観ているところ

公開日: 9/16/2015 映画

dマガジンお試しに続いて、Netflixを試しているところなのである。

テレビなんてほとんど観ない生活だったのだけれど、一ヶ月無料ならいいかと思って試みに登録してみたしだい。
「月に一度は映画を観るぞ」
と決意したのは今年の一月だが、結局、映画館に行けたのは何回か。
レンタルDVDも借りてみたけど、返却期限までに観れないじゃないか。

なんてことを考えると、ネットでいつでも観ることができる、というのは大きなメリットだと思う。

てなわけで、アニメやら映画やらを、ちょびちょび観たのでした。

今夜は、『横道世之介』という映画を途中まで観た。

横道世之介

レンタルビデオで借りるとなると、いくら安くなったとはいえ、何百円かはかかるので、まるめで600円くらいだったら、普段観ないようなのも手に取ってみる機会は増えるだろう。

流しはじめたら、うちの奥さんが、「あ、それ前に観たことある。最初、眠くなるけど、途中から面白いよ」と言った。

確かに、最初はまったりして、眠くなるんだけど、途中から、いやべつに何が起こるとかハラハラドキドキの展開になるというわけではないんだけれど、なんか面白くなる。

という映画のようである。

もともと「毎日新聞」に連載されていた小説なんですね。
知らんかった。

「横道」という言葉は、横着者を指す「横道もの」という言葉から来たのだそうだ。

図々しくてそれでいて人のいい横道世之介が、なんか知らんけど、天然で周りの人に好かれてるという話だ。

そばにいると、ちょっとうっとおしいような気もするけど、きっと嫌いにはなれないような、なんでか分からないけれど、心のどこかにずっと残っているような、そんな人物として描かれている。

今日はもう寝て、明日続きをみよう。

ソーシャルメディアやSNSにいつもつながってると、不安や抑うつが増すとの研究

公開日: 9/13/2015 SNS 心理学

昔、栄養ドリンクの宣伝で「24時間戦えますか」なんてのがあったけど、今の中高生は本当に24時間スマホをそばにおいて過ごしている子が多い(寝てるときだって枕元で光っている)。


Facebookやtwitter、LineといったSNSは、「いつでもつながっている」という感覚を与えてくるツールだけれど、逆に「いつでもつながってなければいけない」というプレッシャーにもなっている。

イギリス心理学協会の学会で発表された研究。

Pressure to be available on social media may harm teenagers | The British Psychological Society

ソーシャルメディアのアカウントが常に利用可能で、週7日24時間応答しなければならないという状況は、ティーンエイジャーに抑うつや不安、睡眠の質の低下などをもたらす。

研究者はこう言う。
「思春期は抑うつや不安を発症しやすい脆弱性が増す時期です。そして、睡眠の質が貧しいと、よりリスクも増えます。ソーシャルメディアの使用がこうしたことにつながると理解していることが大切です。ソーシャルメディアの使用と、原因ははっきりしませんが、特に思春期の間の健康の関係が深いことを示す根拠は増えています」

SNSを利用する時間が長いほど、幸福度も下がるなんて研究もどこかで見たな。

「だからラインなんて使うな」と言うのも説教臭いけど、たまにオフラインで一日送るのはストレス解消にいいんじゃないでしょうか。




ACT(アクセプタンス・コミットメント・セラピー)とポジティブ心理学の出会い

公開日: 9/13/2015 心理学 心理療法

ポジティブ心理学とACT(アクセプタンス・コミットメント・セラピー)は、心理学のなかの別の流れだが、共通点も多い。しかしこれまではあまり交流はなかった。
二つの船のキャプテンである、バーバラ「ポジティブ」フレドリクソンと、スティーブン「ACT」ヘイズが、ドイツのベルリンで初めて出会った、という記事。

When Negative Emotions are Positive | Positive Psychology News


ポジティブ心理学は「意味深い人生」を持つということを常に柱としてきたし、ACTでもまた意味と価値のある生活に向かうことは、大事なプロセスとされている。では、この二つの違いは?

「ポジティブ」心理学 vs「暗い」ACT?

ということで、2人の対話が紹介されている。

フレデリクソンさんは、ポジティブ心理学はポジティブな側面に焦点を当てるが、このようにポジティブな側面の強調はACTが主張することとは違っているのでは?と尋ねている。

ヘイズさん答えて曰く。ACTが『タイム』に初めて取り上げられたときの記事のタイトルは「幸福はノーマルではない」だったんだそう。「暗闇よこんにちは」なんてヘッドラインでの紹介もあったと。「私たちはそんなこと言ったことないんだけどね、もちろん」

ACTでも初めから、意味や目的、価値に基づいた行動を大切にしてきた。

ACTでは、感情をポジティブとかネガティブとラベリングすることは意識的に避けようとする。では、ACTではポジティブな感情はどう定義されるのか?

それは文脈によるとヘイズさん。たとえば「悲しみ」はネガティブなものか? もし母親が死んだら、悲しみこそが求めている感情ではないか、それはネガティブな感情などではないだろう。
悲しみを十分に生きて人生に位置づけるなら、それはあなたを価値に基づいた方向に導くのではないか、と述べられている。

「ネガティブな感情は、もしそれが文脈に結びついていれば有用です。けれど、文脈から切り離されてしまったら、それはネガティブなものとなります」とフレドリクソンさん。





『女性のアスペルガー症候群』 悩みや症状、その対処法

公開日: 9/10/2015 発達障害

図書館で借りてきた一般向けの本。

女性の当事者が書いた本はけっこう見るが、イラストつきでわかりやすくまとまっているのは意外と少ない気がする。

アスペルガー症候群についてはよく知られるようになったが、それはほとんどが男性のアスペルガーに関する情報で、女性の場合は悩みごとも対応法も異なる。


宮尾益知監修『女性のアスペルガー症候群』講談社、2015年

女性のアスペルガー症候群の悩み

女性のアスペルガー症候群に特有の悩みとして、
  • 「ガールズトーク」についていけない
  • 友達に嫌われても、理由がわからない
  • 「女の子らしくしなさい」と叱られる
  • 急に感情がダウンするときがある
  • 人にだまされ、性的な被害にあう
といったことが挙げられている。

男女の性差については、バロン=コーエンの「論理脳(男性)」と「共感脳(女性)」が紹介されていた。
理屈はどうあれ、男女に違いがあって、女性の発達障害の方が分かりにくいといった傾向はあると思われる。診断基準が男性中心に作られてきたということなのだろうけれど。

心身の症状

心身の症状として
  • 朝が苦手で、ベッドから起き上がれない
  • 自分の成長に戸惑い、体調を崩す
  • 怒られた記憶が何年も残り続ける
  • 感覚面のかたよりに苦しんでいる
  • こだわりの強さから摂食障害に
といったことが挙げられていた。ストレスが重なると二次障害が起きやすく、症状は男性と共通するところもある。女性は、胃腸の不調や貧血などが多いとのこと。また、摂食障害や境界性パーソナリティ障害、性同一性障害といったかたちで表れることもある。

診断と治療

発達障害とは、先天的な脳の機能障害で、脳機能になんらかのかたよりがあり、それが心理的・行動的な特性となって現れると定義されている。

アスペルガー症候群などの自閉症スペクトラム症(ASD)、ADHD(注意欠如・多動症)、学習障害といったものが含まれている。

自閉症スペクトラム症(ASD)は、女性よりも男性に多いと考えられている。実際に、女性のASDが少ないのか、診断基準が女性向きではないとか(そのために「典型例」とならない)、女性は男性と比べてコミュニケーション能力が高いことが多いので発見されにくいといった可能性も考えられる。

婦人科や内科では、心身症と誤診されやすいので、心療内科や精神科などで専門医にかかりましょうとのこと。

治療は、暮らし方や環境の調整が中心となる。
  • まわりの人の理解
  • わかりやすい伝え方
  • 生活しやすい環境
  • 本人の自己理解
が大切。

SST(ソーシャルスキルトレーニング)などで、社会生活をうまくおくるための技能を身につけたり、CBT(認知行動療法)で、思い込みや認知のゆがみを修正するといった専門的な治療も行なわれることがある。また、身体症状には、薬物療法なども用いられる。

誤解されやすさから、DVや性被害などを受けてトラウマに苦しむこともあるので、それへの対応や治療も必要となる。

といった内容です。

「今日からできる生活面の対策」が具体的で分かりやすい。

【関連図書】
アスパーガール
ルディ・シモン『アスパーガール

アスペルガーの女性がパートナーに知ってほしい22の心得



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公認心理師法が可決成立

公開日: 9/09/2015 心理学

2015年9月9日、参議院本会議で新たに「公認心理師」という国家資格を設ける法律が可決され、成立した。

賛成している人、反対している人、無関心な人、いろいろいたと思うけれど、どちらにせよこれから大きく変化していくことになるだろう(心理関係者からは、安保法案と同じ年だ、ということで記憶されることになるかもしれない。個人的には、そうならなければいいと願うけれど)。



公認心理師は、病院や学校などでカウンセリングや心理的なケアを行なう仕事になる。
この法律は、社会で心のケアの重要性が増すなか、心理学に関する専門的な知識と技術を持った質の高い人材の確保につなげるため、新たに「公認心理師」という国家資格を設けることを目的としています。「公認心理師」は、国家試験で認定し、受験資格は大学で心理学などを修めたうえで、卒業後、大学院で必要な課程を修了した人や、一定期間の実務経験を積んだ人などに与えるとしていて、国家資格の獲得後、病院や学校などでカウンセリングを行ったり、心理的なケアに当たったりすることが期待されています。法律は9日の参議院本会議で採決が行われ、全会一致で可決され、成立しました。「公認心理師」の国家試験は、早ければ平成30年から始まります。公認心理師法 参院本会議で可決成立(NHK NEWS WEB)
3年後くらいには試験だそうです。

ガラスの靴と白馬の王子様―ロマンティックな幻想と依存心

公開日: 9/09/2015 心理学

『パーソナリティ研究』をウェブでぱらぱらめくって(って表現はネットサーフィンにはふさわしくないか)たら、こんな研究を見かけた。

ロマンティック幻想の測定—潜在測度,顕在測度の乖離と理想測度|パーソナリティ研究 第 23 巻 第 3 号



ロマンティックな幻想(romantic fantasy)というのは、「いつか王子様が現れて私を幸せにしてくれる」という、シンデレラそのほかいろいろな物語に表現されているような空想を指している。

女子大学生を対象にして、ロマンティックな幻想についてあれこれ調べた研究らしい。

若い女性には恋人を「王子様」とを潜在的に結びつける幻想があって、それが強い女性ほど、王子様のような男性によって自分の地位を高めてもらいたいと考えているのだそう。

「王子様」幻想が強いほど、自分で努力して何かを得ようという志向性が弱くなるんだと。

ロマンティックな幻想は女性が無意識のうちに自らはめた足かせのようなものだそうで、これは「ガラスの靴効果」と名づけられている。

ガラスの靴に期待することで、かえって自分でがんばろうとせずに「王子様」に依存してしまうんだって。

この研究では、潜在的な(無意識的な)ロマンティック幻想は、その女性の「理想の恋人」に近い概念だということが分かった。

質問紙で、
「あなたの理想の恋人について」

「現在交際中の恋人について」
尋ねていて、

  1. 王子様のようだ
  2. 私を守ってくれる
  3. ごく普通の人(逆転項目)
  4. ヒーローのようだ
  5. 白馬の王子様のようだ

といった項目について6件法で回答を求めたと。

また、潜在的なロマンティック幻想の度合いは、IAT (Implicit Association Test)という手法で測定された(参考:IATテスト)。

その結果、恋愛対象を「王子様みたい」と意識的に表明する女性ほど、パートナーの社会的経済的地位に頼ろうとする依存的な態度が弱いことが分かったという。
また、そうした女性ほど、満足や幸福感が高い可能性があるとのこと。

逆に、潜在的な、あるいは理想的なロマンティック幻想を抱いてる女性は、より結婚相手の地位を通じて自分の価値を高めようとする依存的な態度があるという。

ええと、ようするに、今の彼氏が大好きで「王子様みたい」と捉えている女性は、幸福度が高くて依存的ではない。逆に、「いつか(もっといい)王子様が来るに違いない」と高望みしている女性ほど、依存的だってことなのかな。

たぶんそんな感じだと思う。


麻生,奈央子「シンデレラ物語が女性の慈愛的な世界観に及ぼす効果」
も後で読んでみよう。

『10代からの心理学図鑑』読んでみよう。

公開日: 9/08/2015 心理学

三省堂から10代からの心理学図鑑(マーカス・ウィークス著、渡辺滋人訳)という本が出たそうだ。
ちょっと目を通してみたいと思ったので、覚書として記しておきます。

原題は、
Heads Up Psychology
というんだそうで、世界の十数か国で翻訳出版されているシリーズの一冊。

こちらが原著の表紙。


こっちが日本版です。


日本版はフロイトさんが目立ってますね。

三省堂の特集ページなんていうのもあった。
心理学は、私たち人間のあり方のメカニズムを理解しようと努める科学的学問です。発達心理学、認知心理学、社会心理学など、研究分野は多岐にわたります。イワン・パブロフ、エリザベス・ロフタス、ジグムンド・フロイト、スタンレー・ミルグラムなど、著名な心理学者の名前を耳にしたこともあるでしょう。
本書は、こうした研究理論や人名を暗記するための本ではありません。日常生活の中で生まれる素朴な疑問に、心理学者たちがどのように取り組み、答えを出していったか、といことを、実例や図解で紹介していきます。楽しみながらページを繰っていくことで、心理学のさまざまな分野の初歩を学び、ものの考え方のすじ道を知ることができます。
とのことで、「どうして親は必要なのか?」「心と脳は別のもの?」「あなたの個性をつくるのは何?」「男女の心理に違いはある?」なんてトピックが取り上げられています。


この本の「ブックトレイラー」がYoutubeで公開されています。

ディズニーの『インサイド・ヘッド』みたい。



雑誌読み放題のdマガジンを試してみたのでちょっと報告

公開日: 9/07/2015 いろいろ

iPad mini にお試しでdマガジンのアプリを入れて、登録してみた。初回31日は無料とのことなので、気軽に試してみたので、少しレポート。

Newsweek や週刊プレイボーイ、WIRED、週間アスキーなどなど、150誌以上のいろんな雑誌を読むことができて、月432円というのは格安だと思う。

普段はまず読まない女性誌をぱらぱらめくることだってできる。
コンビニで男が anan 立ち読みなんてしにくいことを思えば、読む雑誌の幅はかなり広がるのではないか。


あなたの犬の性格を知るためのテスト

公開日: 9/06/2015 心理テスト 動物

子どもの頃に飼っていた犬は、けっこうおっちょこちょいだった。

田舎だったので住宅街を抜けて田んぼのあぜ道や山に入ったあたりで鎖を放すと(当時はだれも文句を言わなかった)、よろこんでどこかに駆けていく。しばらくすると戻ってきて、いっしょに家に帰った。

あるとき、肥だめに落っこちたらしく、酷いことになって戻ってきたことがある。

肥だめ、知ってますか? 表面がけっこう固くなるので、子どもたちもそこに石を投げ入れたり、片足を乗せて体重をかけたりして(きたないなあ)、度胸試しをしたものでした。

うちの犬も、きっと肥だめに足を乗せてくんくんしているうちに、薄氷のごときうんこが割れてどぼんと浸かったに違いない。

小学生時代の6年間飼って、病気で死んだときにはずいぶん悲しかったのを覚えている。


犬の性格テスト

さてさて。犬の性格テストというのを見かけたので、ちょっと紹介してみたい。

DOG PERSONALITY QUESTIONNAIRE (DPQ)

というんだそうだ。テキサス大学の心理学部門で、アマンダ・ジョーンズ博士らが開発したとのこと。75項目の長いバージョンと、45項目の短縮版があり、信頼性、妥当性も確認されている。

試みに一部だけ訳して紹介してみたい。
  • 臆病さ
  • 人への攻撃性
  • 活動性/興奮しやすさ
  • 訓練への応答性
  • 動物への攻撃性
といった5つの因子があるようだけれど、そこから「人への攻撃性」と「訓練への応答性」に関する項目を45項目の短縮版から抜き出してみた。

犬の場合、日本の犬で標準化の手続きをしないといけないんだろうか、それともこのままでいいんだろうか、なんていう疑問はありますが、まあそのあたりは・・・。

以下に、あなたの犬に該当するかもしれないし、しないかもしれない、いくつかの性格傾向や行動に関する記述があります。それぞれ、どれくらい同意するかしないかを、各文のとなりに番号で記入してください。あなたの犬のいつもの行動にもとづいて判断してください。

1 全く当てはまらない
2 当てはまらない
3 やや当てはまらない
4 どちらともいえない
5 やや当てはまる
6 当てはまる
7 非常に当てはまる

ただし、逆転項目と書かれている質問は、

7 全く当てはまらない
6 当てはまらない
5 やや当てはまらない
4 どちらともいえない
3 やや当てはまる
2 当てはまる
1 非常に当てはまる

となります。

人への攻撃性

Facet 1 一般的な攻撃性

7.(  )見知らぬ人に対して攻撃的にふるまう。
18.(  )見知らぬ人々にもフレンドリーだ。(逆転項目)
40.(  )神経質な、あるいは怯えているとき、犬は攻撃的になる
合計点(  )

Facet 2 状況的攻撃性

25.(  )人から脅威を感じたとき(例えば追いつめられるとか、首に縄をつけられるとか)、犬は攻撃的にふるまう。
30.(  )獣医のところにいるあいだ攻撃的になる。
36.(  )大事なものを守るために攻撃的になる(たとえば盗んだものとか、お菓子とか、餌のお椀とか)
合計点(  )

2つのFacetの合計点(  )

訓練への応答性

Facet 1 訓練しやすさ

29.(  )罰への反応がにぶい。(逆転項目)
38.(  )命令を無視する。(逆転項目)
43.(  )気が散るような状況でも(たとえば、うるさくてせわしない場所とか、他の犬が周りにいるなど)、課題に集中することができる。
合計点(  )

Facet 2 コントロールしやすさ

5.(  )リードを離しても、呼ばれたらすぐに戻ってくる。
10.(  )開いたドアや門から素早く抜け出す。(逆転項目)
32.(  )命じられると食べ物や物を手放すことができる。
合計点(  )

2つのFacetの合計点(  )

それぞれの数値を合計して、得点が高いほど、その傾向が強いということらしい。

Jones, A. C. (2009). Development and validation of a dog personality questionnaire. Ph.D. Thesis. University of Texas, Austin.

いかがだっただろう。
飼い犬がおとなしい性格か、それとも怒りっぽい気性か、心理テストでわかるとちょっと面白いかもしれない。


『帰還兵はなぜ自殺するのか』(デイヴィッド・フィンケル、亜紀書房)

公開日: 9/04/2015 自殺 心理学 精神医学 戦争

対テロ戦争

2001年の9・11の同時多発テロの後、アメリカは「対テロ戦争」としてアフガニスタンに侵攻した。

その後、大量破壊兵器を隠し持っているという理由でイラクを攻めたのが2003年3月だった。

戦地で戦った兵士の多くは、貧しくて若い志願兵だった。

ジョージ・W・ブッシュ前大統領によりはじめられたこの戦争は2010年8月のオバマ大統領の「戦闘終結宣言」で、ひとつの区切り目を迎える。


帰還兵はなぜ自殺するのか


帰還兵の自殺とPTSD

ところが、アフガニスタンとイラクに派兵された200万人の兵士のうち、50万人がPTSD(心的外傷後ストレス障害)とTBI(外傷性脳損傷)で苦しんでおり、毎年240名以上の帰還兵が自殺で死んでいるということが明らかになってきた。

デイヴィッド・フィンケルの『帰還兵はなぜ自殺するのか』(現代は"Thank you for your service" あなた方の奉仕に感謝する)では、イラク・アフガン戦争からの帰還後、「壊れてしまった」兵士とその家族について描かれている。

疫学的には、「自殺による死亡1例に対し,約25例の自殺企図がある」とのデータがあるので()、240人自殺しているということは単純に計算しても年間6000名の帰還兵が自殺を試みていると考えられるし、それ以上の人が、希死念虜やPTSD症状に苦しんでいるのだろう。

戦争における「人殺し」の心理学

ずいぶん前に読んだっきりなので記憶は少し曖昧だけど、『戦争における「人殺し」の心理学』(デーヴ・グロスマン、ちくま学芸文庫)によると、兵士の「発砲率」が工夫によって高まれば高まるほど、その後のメンタルな障害も大きくなるという。

ベトナム戦争におもむいた若い兵士は、さまざまな心理学スキルによって反射的に引き金を引くように訓練されていた。映画『フルメタルジャケット』で描かれていたように、兵士は叱責や罵倒、体罰によって、非人間化され、同時に殺すべき「敵」も「人間ではないもの」と教えこまれていく。

グロスマンの著書によると、ベトナム戦争における発砲率は、それ以前の戦争と比べると相当に向上した(心理学の研究が活用された)。兵士は敵を見ると反射的に引き金を引き、殺傷することができるようになった。言わば、優秀な「戦闘マシン」になったということだ。
こうしたトレーニングや、ゲリラ戦を中心とする戦闘の特異性、帰国後の国の人々の拒否、そういった要因によって、帰還兵がメンタルに失調することが増えてきた。

戦争トラウマと家族への影響

「戦争神経症」や「シェルショック」について知られるようになったのは、第一次世界大戦の後だった。

近代兵器の発展によってより兵士がトラウマを負うことが多くなったのかもしれないし、あるいはそれまでは兵士個人のトラウマになど注目されなかったということなのかもしれない。

日中戦争のとき、日本兵には戦争神経症になるような「軟弱な兵士」はいっさいいないというのが公式見解だったらしいが、その後の調査では戦後70年経っても重いPTSDに苦しんでいる人が大勢いるという(封印された「戦争神経症」)。

ベトナム戦争と同じく、イラク戦争が置かれた政治的な状況や、戦場の特異性なども影響しているだろう。
イラク戦争で最悪なことのひとつが、明確な前線というものがなかったことだ。三百六十度のあらゆる場所が戦場だった。進むべき前線もなければ軍服姿の敵もおらず、予想できるパターンもなければ安心できる場所もなかった。兵士の中に頭がおかしくなる者が出たのはそのせいだった。
「テロ」や「ゲリラ攻撃」によっていつ自分や仲間が吹き飛ばされるか分からない、あるいは幼児を抱いたイラク兵を撃たざるを得ないといった状況は、人間のどこか大切な核のようなものを損なってしまうのだろう。

調査によれば、帰還兵の2割から3割にあたる人々が、PTSDやTBIを負っており、抑うつや不安、悪夢、記憶障害、人格変化、自殺願望などの障害があるという。

本書にはアダムとサスキアという夫婦が登場するのだが、妻のサスキアはこんなふうに言う。
「あの人はいまでもいい人よ」とサスキアは言う。「ただ、壊れてしまっただけ」
アダムは生後数日の息子を床に落としてしまう。謝ったかと思えば、突然怒り出して、暴力をふるう。物忘れが激しく、強い自殺願望を持っている。

夫を支えようと必死なサスキア自身の心の安定も失われていく。

時にアダムは銃口を自分に向ける。
「このいまいましい引き金を引けよ」彼女に向かって歩きながらアダムが言う。銃の台尻を彼女のほうに突き出す。いまそれは彼女の胃のあたりを押して、彼女を煽っている。「このいまいましい引き金を引けよ」アダムはわめく。そして驚いたことにサスキアは、自分がいかにそうしたいと思っているかがわかる。そのいまいましい引き金を引いて、彼の命を終わらせ、自分の悲惨な状況を終わらせ、そのあと壁を掃除し、何もかもをおしまいにする。ようやく終わりになるのだ。
ニックという名前の別の帰還兵は、悪夢やフラッシュバックのような幻覚に頻繁に襲われる。
悪夢を撃退する治療は効いていない。昨日の晩は、パトロールで小学校に入っていく夢を見た。イラクでやっていたことと同じだが、学校から人々を外に出そうとして中に入っていくと女の子ばかりのクラスだった。実際のイラクでは、女の子たちは悲鳴をあげているだけだったが、夢の中では女の子たちが悲鳴をあげ、俺はクラス全員を撃ち殺す。どういうことかわからない。こんな夢を見る自分に怒りを覚える。夢が止まらないことに怒りを覚える。昔の楽しい夢を見たいのに。

PTSDの認知処理療法

PTSDの治療として、薬物療法とともに、「認知処理療法」(Cognitive processing therapy)が取り上げられていた()。認知行動療法のひとつで、帰還兵や性暴力の被害者のPTSD治療に用いられている。本書では、次のように描かれていた。
これは治療のためのセッションで、一時間続く。典型的なものは、トピーカのセッションとよく似ていて、自分の日記を読み上げ、ほかの人とそのことについて話し合い、自分の身に何が起きたのかを考え、その問題を直視するというものだ。PTSDの患者のために使われてきたこうした治療プロトコルは、認知処理療法と呼ばれ、効果的なもののひとつと考えられているが、この一時間は楽なものではない。このセッションが終わると、ドアは殴りつけられ、家具は押しやられ、壁は修理を余儀なくされる。このセッションに参加すると、手がつけられないほど凶暴になる兵士が必ずひとりは出るからだ。
エクスポージャー(暴露)という側面があり、そうとう大変な治療となるようだ。セッションのリーダーは、繰り返し語ることによって「慣れ」ていくのだと説明しているが、そう簡単な道ではないだろう。

片手で貧しい若者たちを戦地に送り込みながら、もうひとつの手で「治療」しようとしている、そうした矛盾も、本書から読み取ることができる。陸軍の上官たちは、最新の治療施設について、「陸軍全体にとって、そして戦士とその家族にとっての勝利」だと演説するが、アダムはこう言う。
「すげえみごとな施設だよ」「だけど、どんなにきれいな包装紙で包もうが、クソはクソなんだよ」
立派な治療施設を作ってみても、戦争が続けば命を失い、心身を損なう帰還兵は増え続ける。


終わりのない罪悪感

邦訳のタイトルでもある「帰還兵はなぜ自殺するのか」という問いに明確な回答は与えられないが、著者のフィンケルは「終わりのない罪悪感」というもっとも簡単な答えがいちばん真実に近いのではないかと述べている。

訳者の「あとがき」にも書かれているが、日本もイラク支援のため、延べで約1万人の自衛隊員を派遣している。そして、イラクから帰還後に28人の自衛隊員が自殺しており、PTSDや睡眠障害、ストレス障害に苦しむ隊員は1割から3割にのぼるという。非戦闘地域での後方支援でさえそうなのだから、集団的自衛権によって前線で戦闘を行ったら、どれほどの影響が起こるのだろう。

今まさに国会で推し進められている法案が通れば、日本もアメリカと同じような根深い問題を抱え込むことになる。そしてそれは、貧しい人や若者に押しつけられていくだろう。

戦争が終わっても、抱え込んだ罪悪感には「終わりがない」。トラウマはいつまでも人や人間関係を損ない続け、傷つけ、命を奪おうとする。

日本にとっても非常に重要な今だからこそ、一読しておく価値のある本だと思う。

【関連記事】
『「戦争」の心理学:人間における戦闘のメカニズム』(デーヴ・グロスマン&ローレン・W・クリステンセン、二見書房)


ティム・バートンの『アリス・イン・ワンダーランド』を見ているときの脳の活 動で精神病かどうかが判別できる(研究)

公開日: 9/02/2015 映画 精神医学 統合失調症

映画を観ている被験者の脳をfMRIで測定することで、初発エピソードの精神病患者であっても、コントロール群とは情報処理の方法が異なっていることが分かったという。

両群に同じ刺激を提示するために、被験者はティム・バートンの『アリス・イン・ワンダーランド』を視聴させられたんだって。

Psychotic patients distinguished from controls while watching movie Alice in Wonderland | European College of Neuropsychopharmacology


fMRIはこれまで慢性期の精神病患者に用いられて、その脳の活動の違いなどが研究されてきた。しかし、初期の精神病における脳の活動パターンの違いを見るのはより難しい。器質的な変化といった「ハードウェア」の違いがないだけに、より微妙なところを見分ける必要があるんだという。

さらに、微妙な違いを見分けるために、患者とコントロール群に同じ刺激を提示しなくてはならない。その刺激は、現実の生活状況と同じく、豊かな情報を含んでいるべきだろう。

ということで、フィンランドの研究者たちは『アリス・イン・ワンダーランド』を見てもらおうと思いついたらしい。

3テスラMRIという装置を使って、46名の精神病の初回エピソードの患者(ただ一度だけの精神病を体験したという意味)と、32名の健康なコントロール群に映画を観てもらい、脳の活動を測定した。


すると、脳の楔前部(けつぜんぶ、英: Precuneus)の活動が大きく異なっていることが分かったという。

左大脳半球の内側面。オレンジ色の所が楔前部。

楔前部は、記憶や視空間意識、自己意識といった意識の諸相と関連している部位だそうだ。研究者によると、この部位は自己やエピソード記憶に関する情報を統合するセントラルハブとしての機能をもっていて、精神病患者の情報処理においても重要な役割を担っている。また、脳の活動の違いで80%の正確さで、精神病かどうかを判定できたとのこと。
今後、早期のスクリーニングや正しい診断に活用される可能性があるだろう。


それにしてもなぜ『アリス』だったんだろう。

いやまあ、わかるような気もしますが。





サイコパス、自己愛傾向などのダークサイドを測る心理テスト

公開日: 9/01/2015 心理テスト 心理学

ウェブで『パーソナリティ研究』を読んでいたら、反社会的なパーソナリティ傾向を測定するための心理尺度に関する論文を見かけた。

日本語版Dark Triad Dirty Dozen (DTDD-J) 作成の試み

反社会的なパーソナリティ特性の代表として、
  • マキャベリアニズム:他者操作的で搾取的な特性
  • サイコパシー傾向:利己性や希薄な感情を代表とする対人的・感情的側面と衝動性のような行動的側面を持つ特性
  • 自己愛傾向:賞賛や注目,地位や名声を求め,他者に対して競争的で攻撃的な特性
の3つが挙げられており、これがDark Triad (DT)と呼ばれているのだと。


因子分析の結果、この3つのDT特性に対応した3つのグループ因子と、総合的なDT特性による1つの因子から構成されることが示されたとのこと。

尺度自体は、論文の最後か、
DTDD-J[pdf]
で見ることができる。

「私には他の人をあやつっても自分の思い通りにするところがある」
「私には他の人をだましたり嘘をついても自分の思い通りにするところがある」
「私は,どちらかというと疑い深くひねくれた人間である」
といった12の質問に、「全くあてはまらない」から「非常にあてはまる」までの5件法で回答する。平均得点などは論文の6ページのTable1に。

疑い深くてひねくれた人間が、こうした質問に正直に答えるだろうか、っていう疑問はあるけれど、なかなか興味深い論文でした。

尺度の名前がインパクトありすぎだと思う。

何日か前に読んだ
サイコパスに学ぶ正しいマインドフルネスへの道(パレオな男)
というブログ記事では、
サイコパスの脳と仏教徒の脳には、多くの類似点がある。どちらも合理的な思考力が高く、「今ここ」に生きる考え方が強く、プレッシャーが大きい状況にも強い
というケビン・ダットンの説が紹介されていた。

神田橋條治先生もどこかでそんなことを書いておられたような記憶がある。

精神病質者の「竹を割ったような」パーソナリティは、ある意味で高僧に似ているけれど、高僧の場合はもともとは葛藤やこだわりがあってそれを修行によって乗り越えてきた、というところが違うんだというような話だった気がする。