スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

7月, 2015の投稿を表示しています

「自閉症の人、方言話さない傾向」ってなんでやねん? 

自閉症と方言 自閉症の人、方言話さない傾向 弘前大教授らが調査 という朝日新聞DIGITALの記事を読んだ。 isado 自閉症スペクトラム(ASD)は方言を話さない、という印象は教育や医療現場で共通している。確かにそのとおりだけど、これまでその「理由」をあんまり考えたことがなかったので興味深かった。 そうか、そういうのも研究になるのか。 というびっくり感も少し。昔、師匠筋の先生が「ニッチを探せ」と言っていたのを思い出した(もうひとつは「だからどうした "So what?"」という結果にならないようにとも教えられたのだった。「夫婦仲が悪いと離婚率が高い」とか、そういうだからどうした的な結論の論文が世の中にはけっこうあるんだと)。

子どもの頃のIQの高さと後に双極性障害になるリスク

「子ども時代のIQと成人期の双極性障害のリスク」 Childhood IQ and risk of bipolar disorder in adulthood: prospective birth cohort study Daniel J. Smith, Jana Anderson, Stanley Zammit, Thomas D. Meyer, Jill P. Pell, Daniel Mackay British Journal of Psychiatry Open Aug 2015, 1 (1) 74-80; DOI: 10.1192/bjpo.bp.115.000455 知能や創造性とメンタルヘルスの問題の関わりは、以前から議論されてきました。 高知能であるということは、メンタルヘルス上のなんらかのコストを抱えているということでもあるということが、大規模なコホート研究で明らかになったそうです。 1881人を対象に、8歳から22、23歳くらいまでの期間を調べました。IQが測定され、同時に気分障害の特徴も調査されたのです。 結果は次の通り。  There was a positive association between IQ at age 8 years and lifetime manic features at age 22–23 years (Pearson’s correlation coefficient 0.159 (95% CI 0.120–0.198), P>0.001).  8歳の時点で10ポイント以上IQの値が高い人は、20代初期における躁的なパーソナリティ特徴をもつ上位10パーセントと関連していたということが明らかになりました。 The association between IQ and manic features was present for FSIQ, VIQ and for PIQ but was strongest for VIQ. 言語性IQと躁的な特徴の関連が最も強かったそうです。 というわけで、子ども時代に高いIQをスコアした人、とくに言語性IQが高かった人は、後の双極性障害のリスクも高まる傾向があるとの結論です。

境界性パーソナリティ障害の治療に対面の心理療法とオンラインツールを統合する試み

またしてもアブストラクトだけ読み。 境界性パーソナリティ障害の治療のために、e-Health Tools(というのがあるらしい)と対面の心理療法を統合するといいかもしれない、ということらしい。 「需要と供給のギャップを埋めるチャンス」とのサブタイトルがついている。 Integration of e-Health Tools Into Face-to-Face Psychotherapy for Borderline Personality Disorder: A Chance to Close the Gap Between Demand and Supply? | Journal of Clinical Psychology, 24 JUL 2015 【キーワード】境界性パーソナリティ障害、eヘルス(訳は固まっていないが、インターネットを利用して健康に関する情報などを提供することを指している * )、オンライン治療、スキーマ療法 境界性パーソナリティ障害(BPD)は、重篤で、非常に一般的な精神疾患だ。BPDの効果的な心理治療を利用することはできるが、多くの患者は根拠に基づいた治療を受けることができていない。その理由としては、治療の提供には高いコストがかかることや、専門的な治療者が少ないことなどが挙げられる。BPDに特化した治療に、特殊なeヘルスツールを統合することで、治療の密度が増加しうるし、対面でのセッションの頻度や心理セラピストの負担を減らすことが可能だ。そして、患者の日々の生活の中で新しいスキルと経験を実行することが促進されうる。ここにはBPDの患者が根拠に基づいた心理療法をより利用しやすくなり、需要と供給のギャップを埋める大きな可能性がある。本論で我々はスキーマ療法のために発展してきたprioviのようなイノベーティブなeヘルスツールを提示した。prioviのコンセプトと応用が、事例とともに記述、描写された。 アブストラクトはこんな感じ。prioviというeヘルスツールを調べてみた。 prioviを作っている GAIA という会社のサイトを見ると、他にも不安障害や多発性硬化症の患者のためのツールも開発しているらしい。 以前に、 20年後、カウンセラーという仕事はどうなってる? で、「 カウンセラーや学校心理士が、...

双極性障害をもつ人と暮らす10のコツ

「双極性障害をもつ人と暮らす10のコツ」 10 Tips for Living with a Bipolar Person | PsycheCentral を読んだのでメモ。 これを書いたチャーリー・チェンタさんは、子ども時代、双極性障害を患っている母親と祖父と暮らしていたそうだ。 そのときの経験から「10のコツ(Tips)」をまとめている。 双極性障害とは 双極性障害とは、いわゆる躁うつ病のことだ。うつ状態と躁状態の両極を行ったり来たりするという意味で、Bipolar(二つの極)と呼ばれる。 ちなみにPolar bear(極の熊)というのは白熊のことです。 双極性障害には、次のような症状が見られる。 気分が良すぎたり、ハイになったり、興奮したり、調子が上がりすぎたり、時には怒りっぽく不機嫌になったりして、他人から普段のあなたとは違うと思われてしまう 自分が偉くなったように感じる いつもよりおしゃべりになる 色々な考えが次々と頭に浮かぶ 注意がそれやすい 活動性が高まり、ひどくなると全くじっとしていられなくなる 後で困ったことになるのが明らかなのに、つい自分が楽しいことに熱中してしまう (例えば、買い物への浪費・性的無分別・ばかげた商売への投資など) 上の1〜7の症状のうち、少なくとも1を含む4つ以上の症状が1週間以上続く場合に「躁状態(躁病エピソード)」の疑いが高くなるという( 「躁」の症状と双極性障害の種類を確認する )。 家族の1人が躁状態になったりすると、やたらと目をギラギラさせて思いつきにしか聞こえないアイデア(多くの場合は誇大的な)を夜通し話したり、フェラーリを買おうとしたりと、大変なことになってしまうことがある。 家族として、どんな風に関わったらいいのだろう?

猫を飼っていると精神病になりやすい? 猫の噛みつきとうつ病の密かな関係

猫好きには悲しい話かもしれません。 猫を飼っている人は、心の病気を悪化させる可能性があるかもしれないのだというショッキングなニュースです。 猫と狂気 猫と狂気の関係は、ポップカルチャーでいろいろ取り上げられてきた。たとえばジェームズ・ボンドシリーズに登場する悪の天才エルンスト・スタヴロ・ブロフェルドは、いつも白猫を抱いていた。 ブロフェルドのパロディである オースティン・パワーズ のドクター・イーブルも、やっぱり猫を抱いている。 Ernst Stavro Blofeld アニメ「 ザ・シンプソンズ 」に登場する「猫おばさん」は英語では、Crazy Cat Ladyという名前だそうだ。いつも猫を抱えていて、奇声を発しながら住民に猫を投げつける謎の人物である。若い頃は優秀な人物だったらしい。   こうした例はいくつもあるが、これって猫と精神疾患がなにか関係あるってことなんだろうか?

プラセボ(偽薬)と気づいていても、鎮痛効果がある―「信じる者は救われる」か?

プラセボ、もしくはプラシーボとは、有効成分のない(つまり治療効果がない)薬のことだ。有効成分が入っていないにも関わらず、「薬を飲んだだけで安心」することはありますし、その心理的な作用で効果がでることも多い。「プラセボ効果」は、なかなかバカにならないのだ。

『田舎暮らしの相棒に! ヤギと暮らす』『三びきのやぎのがらがらどん』

最近、家で子どもたちが『ハイジ』を見ていたのでその流れでなんとなく『ヤギと暮らす』という本を借りて読んだ。 「ヤギ飼いたちのライフスタイルから飼い方・利用法までヤギのすべてがわかる本」というサブタイトルがついている。 ヤギの魅力から、生態や病気、具体的な飼い方、ヤギと人間の歴史、ヤギ乳やヤギ肉の活用方法まで、幅広く紹介されていた。 21世紀現在、世界中で約8億頭超のヤギが飼育されているのだそうだ。多いような、意外と少ないような、そんな数ですね。 ちなみに世界で飼育されている牛の数が14億頭くらいらしい。 こうした数字と比べると、人間の数が70億人というのは、なんだか相当多い気がする。 ヤギの絵本も紹介されていた。 この中でいちばん好きなのは、『三びきのやぎのがらがらどん』。 大きさの違う3匹のヤギがいて、名前はどれも「がらがらどん」。草を食べてふとろうと、順番に山に行くのだけれど、途中で渡る橋の下には不気味な「トロル」が住んでいて、ヤギを食べようと待ちかまえている。 「ふとろう」と山にのぼることや、3匹とも同じ名前であることなどから、これはヤギの(そして絵本を読んでいる子どもたちの)成長をテーマにした絵本であるらしいことがわかる。 「橋を渡る」ということも、変化や成長などを象徴しているのだろう。 トロルは不気味で怖い存在だけれども、がらがらどんたちは怖がったりせずに平気で橋を渡っていく。擬音語と繰り返しの楽しさが絵本の魅力を増しているように感じる。

パニックや不安になりやすい性格? パニック障害と痛みや免疫異常との関連性

パニック障害の心理療法には何が適しているのか? の関連で、読んだものをメモしておく。 パニックになりやすい性格 「パニックになりやすいパーソナリティタイプはあるか?」 Is there a panic-prone personality type? Got Anxiety? 二人のサイコロジスト夫婦が書いたエッセイのようです。心理療法やカウンセリングの場面で、パニック障害の人にしばしば「なぜ私が? パニック障害の遺伝子かなにかをもって生まれたんでしょうか?」と尋ねられるそうだ。 Lippy: No Gloss admin パニック障害を引き起こすと特定された遺伝子はないけれど、これまでの研究では特定のパーソナリティ特徴があるだろうとされていて、それは遺伝的に不安状態と結びついているだろうとのこと。 そして、パニック障害と関連していると考えられているパーソナリティ特徴がいくつか挙げられている。

パニック障害の心理療法の改善率を比較すると? 認知行動療法と精神力動的心理療法

Medscape Medical News > Psychiatry Psychotherapies for Panic Disorder: Which Is Best? パニック障害や不安障害の治療の際、(妊娠などの理由で)薬なしで治したい、とか減薬したいというときに、心理療法やカウンセリングが選択肢にあがることがあるが、果たしてどのようなアプローチが効果的なのだろうか? パニック障害の心理療法としてはこれまで認知行動療法(CBT)が効果があることが確かめられてきたけれど、新しい研究では精神力動的心理療法(精神分析的な心理療法ということ)も有望なことを示している、という記事。

『ノルウェイの森』を参考にしつつ、アイロンがけと瞑想につい

僕は日曜日にはだいたい洗濯するのです。朝に洗って、寮の屋上に干して、夕方前にとりこんでせっせとアイロンをかけます。アイロンかけるの嫌いじゃないですね、僕は。くしゃくしゃのものがまっすぐになるのって、なかなかいいもんですよ、あれ。 これは村上春樹の『ノルウェイの森』で、主人公のワタナベ・トオルが、ガールフレンドの緑の父親(入院中でほとんどしゃべることができない)のベッドサイドでアイロンがけについて語るシーンだ。 「くしゃくしゃのものがまっすぐになるのって、なかなかいいもんですよ」というよさがずっと、よく分からなかった。技術的な問題で、アイロンをあててもくしゃくしゃのままだったり、よけいに酷いことになっていたから。 でもアイロン技術もそれなりに上達して、「くしゃくしゃのものがまっすぐになる」ことも増えてくると、たまにやってみるとこれはこれで頭がスッキリしていいじゃないかと思うようになった。 これって、一種の瞑想にだってなるんじゃない? 禅のお坊さんは、食事をしたり掃除をすることだって禅的な行為としてしているみたいだし。なんてことを考えて、 Ironing Meditation というキーワードで検索してみたら、けっこうヒットした。 同じようなことを考える人はたくさんいるものです。 Ironing Meditation – turning everyday activities into practice 「アイロン瞑想ー日課を(瞑想の)実践とする」 では、毎日の活動のほとんどが、心をセンタリングする体験の機会に変えることができると書かれている。 アイロンをかけるときには、ただアイロンをかける 皿を洗うときには、ただ皿を洗う 掃除するときには、ただ掃除する 休むときには、ただ休む ってのが大切。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療にマインドフルネスは効果があるのか? 

心的外傷後ストレス障害の症状へのマインドフルネスに基づいた治療的介入の研究概観:システマティック・レビュー An Overview of the Research on Mindfulness-Based Interventions for Treating Symptoms of Posttraumatic Stress Disorder: A Systematic Review Kirsty Banks, Emily Newman and Jannat Saleem Article first published online: 20 JUL 2015, Journal of Clinical Psychology

上手なメンタルクリニックの選び方を『うつの8割に薬は無意味 』 から紹介。

『 うつの8割に薬は無意味 』   (井原裕、朝日新書、2015年)を読んだ。最近よくある精神医療批判本かなと思ったが、以前に読んだ、井原先生の『 生活習慣病としてのうつ病 』がとてもよかったという記憶があるので手に取って購入した。 うつ病の拡大と向精神薬への批判 近年のうつ病概念の拡大によって、「悩める健康人」までが病気として医療の対象となっていったが、喧伝されているほどには抗うつ薬は効果がない。うつで休職中にハワイでサーフィンをするような「新型うつ」の増加の背景には、精神科医が安易に「3ヶ月の休職」といった診断書を出すことや、製薬会社の「心の風邪」などのキャンペーン、患者の「アブセンティイズム(サボりや怠けのこと)」なども影響しているだろうとのこと。 2012年には、日本うつ病学会もうつの大半を占めるという軽症うつ病については、「プラセボに対し確実に有効性を示し得る治療薬はほとんど存在しない」と宣言したという。

SNSやスマホが思春期の子どもに与える影響(特に瘦せ願望に関して)とルール作りについて

David Goehring 旅先で神戸新聞(2015年7月20日)を読んでいたらSNS(Social Networking Service)が思春期の子どもに与える影響に関する記事を見かけた。このごろ、LINEやスマホの使い方に関する悩みや相談をよく聞くので、実際のところどうなんだろうと疑問に思っていた。研究で明らかになったのは・・・

『スタンフォード監獄実験』再び映画化、3作のトレイラーを見比べてみる

心理学史上もっとも有名な実験の一つである「スタンフォード監獄実験」が再び映画化された。三作のトレイラーを見比べて、「悪の心理学」を学ぶ。被験者へのその後の影響は? スタンフォード監獄実験 「スタンフォード監獄実験」とは、スタンフォード大学で1971年に フィリップ・ジンバルドー の指揮のもとに行なわれた心理学実験である。普通の人々が、ある役割を与えられると、それに合わせて行動も変化するということを証明しようとして実施された。スタンフォード大学の地下実験室が監獄に改造され、新聞広告等で21人の被験者が集められた。そして、11人を看守役に、10人を受刑者役に分け、2週間に渡って、それぞれの役割を演じてもらおうという計画だった。実験が始まると、ジンバルドーが当初想定していたこと以上のことが起こったのだった。いったい何が起こったのだろう? ジンバルドーはよりリアルな状況で実験を行なうために、パトカーを用いて囚人を逮捕して指紋を採取し、脱衣させてシラミ駆除剤まで散布したという。そして、番号のついたスモックを着用させた。囚人役はこれ以降、名前ではなく番号で呼ばれることになる。足首には鎖まで巻かれていた。 看守役は警棒を持ち、表情が読まれないようにサングラスを着用した。 時間が経過すると、ジンバルドーが期待したように、看守役はより看守らしく、囚人役はより囚人らしくふるまうようになっていった。看守役は自ら囚人役に罰則を与えはじめ、反抗的な囚人を独房に監禁したり、バケツへの排便を強要するようになった。 これはかなわないと囚人役のひとりが実験の中止を求めたが、ジンバルドーは実験を続行した。精神的に錯乱する囚人が出たり、看守が囚人に暴力をふるうようなことまで起こってきたため、経過を目撃した牧師が家族に連絡し、弁護士を通じて実験の中止が要求された。当初2週間の予定だった実験は6日間で中止されたという。 ジンバルドー自身が、実験がつくり出した異様な雰囲気に飲み込まれてしまい、冷静に状況を判断することができなかったのだと後に語っている。 この実験は、人間の良心や道徳心というものが、状況によって容易く変質してしまうということを証明したという意味で、人々に大きな衝撃を与えた。 映画になった心理学実験 これまで『es[エス]』 (2001)、『エクスペリ...

脳トレになるかもしれない目の錯覚とか視覚的イリュージョンとか

8 Optical Illusions to Freak Out Your Brain 脳がこんがらがる8つの視覚的錯覚 という動画。 ええっ、なにこれ? って思うような視覚的なイリュージョンを動画で紹介してくれてます。脳に刺激を与えると、ちょっとした脳トレになるかもしれません。 youtubeのおすすめで上がってきたので転載してみる次第。 Freak out というスラングは、「パニックになる」とか「訳の分からないことをする」といった異常な反応を意味する言葉だそうです。英語では、「to lose control」という意味になるんだって。 2014年の7月(一年前ですね)に公開されて、2,067,163回再生されたそうなので、なかなか人気の動画らしい。 これはなかなか面白かった。福田繁雄のイラストに似てる。 オプティカル・イリュージョンといいながら、音の錯覚なども取り上げられています。よかったらどうぞ。 こちらはちょっとアダルトな錯視から始まります。もちろん、純情な人には見えません。

片足立ちテストであなたのパートナーとの愛情関係の不安定さが分かる

片足立ちで恋愛の不安定さが分かる? 片足でバランスを取ることで、身体的な安定だけでなく、結婚その他の親密な関係の安定性も確かめることができるんだという興味深い研究。身体の姿勢は感情や思考に大きな影響を与えているのだという。

パニック発作は光恐怖と関連している

パニック障害の人が、光への過敏性を訴えることがある。蛍光灯や街の灯りが異常に明るく感じて、ときによってはパニック発作が誘発される。光刺激とパニック障害はどのように関連しているのだろう?

どちらの狼に餌をやるかは自分で決められるーマイナス思考と怒りのマネジメント

マイナス思考の人 生きてると、毎日何かしら嫌なことがある。もちろん、楽しいことや幸せと感じる出来事だって起こるだろう。楽しいことや幸せなことに目が向きやすい人もいれば、逆にネガティブな出来事や感情ばかりが気になる人もいる。よく言う「マイナス思考」の人は、楽天的な人と同じような一日を過ごしたとしても、嫌なことばかりを記憶しているだろう。それってずいぶん損な人生のような気がしませんか? だったら、どうすればいいのだろう。

身近に感じたすぐ後に子供が親を叩くことがあるのはなぜ?

身近に感じた後に子供が(親を)叩くことがあるのはなぜですか? Why Kids Sometimes Hit After They Feel Close という記事。 “ Peaceful Parent, Happy Kids: How To Stop Yelling and Start Connecting(穏やかな子育て、ハッピーな子ども:わめかないでつながるには)”という本を書いたローラ博士への質問コーナーらしい。 ローラ博士――息子と穏やかに暮らすためのアドバイスが欲しいんです。彼は4歳で、弟が生まれてからしょっちゅう怒っているように見えます。初めは機嫌よく笑ってるんです。でもその後、私を叩きはじめます。ふざけてるんじゃなくて、本当に私に怒っているみたいです。どうすればいいかわからなかったので、息子の手を取って「叩いちゃだめよ。あなた怒ってるんじゃない?」と言いました。そうしたら息子は泣き始めたんです。息子と心地よく過ごしていて、触れ合おうとしたときに、どうしてこんなことが起こるのでしょうか? ケイティ なんだかよくある相談っぽい。親密になったかな、って感じたすぐ後に、子どもが乱暴にふるまうのはどうしてなんでしょう?

人間型(ヒューマノイド)ロボットの進化と課題(とあらためてヒトの赤ちゃんってすごいんだなと)

NHKクローズアップ現代の番組ホームページで 人間型ロボット 頂上決戦  ~進化続ける夢の技術~ という映像を見た(番組は見そびれた)。 ヒューマノイド型のロボットとは、人間と同じように考えて、行動するようなロボットを指している。現代、ロボットはどれくらいの能力を持つようになったのだろう? 果たしてそれは実用に耐えることができるのだろうか?

精神転送で不老不死になることはできるだろうか? 

精神転送で不老不死 Self/less というのはこの夏アメリカで公開予定のSF映画。癌で死にかけている大富豪が、自分の意識を健康な若い男に転送しようと試みる、というストーリー。昔、藤子不二雄のSFマンガでもあったぞこんな設定。 未来ドロボウ *調べてみたら、藤子・F・不二雄の「未来ドロボウ」という作品だった。大富豪の老人が、青年と身体を交換することで若返るという話でしたね。面白かった記憶がある。 人生の勝利者をめざし、わき目もふらず勉強する少年、学は父の工場がつぶれ、高校進学を断念しなければならなくなる。そんなとき、人生に成功した大金持ちの老人と知りあう。自分の未来の不幸をなげき、老人をうらやましがる学に、老人は自分の全財産と学の未来を取りかえてもいいともちかけた。それを老人のじょうだんだと思った学は軽い気持ちで契約書にサインしてしまうが、本当に体を入れかえられてしまう! そして、老人の余命は半年だった!! はたして、学の未来はどうなるのか!? そうだ。こんな話でした。 意識の転送は可能か? 以下は、 Could You Transfer Your Consciousness To Another Body? あなたの意識を他の人の身体に転送することは可能? というタイトルの動画。 脳はだいたい3ポンドの重さで(男性は1350~1500グラム、女性では1200~1250グラム)、そこには約860億のニューロンがある(千数百億個との説も。どうやって数えるのだろう)。そのつながりは一兆にもなるという。気が遠くなるような数ですね。 脳はニューロンのネットワークから成り立っており、ある記憶が想起されるときには同じニューロンのネットワークが発火すると考えられている。 現在でも、コンピューターを使ってある程度、なにをイメージしているかが分かるようになっている。 科学者たちは、いつの日かヒトの脳内のニューロン間のすべてのネットワークを再現することができると信じている。そのネットワークは、 コネクトーム(connectome) と呼ばれている。 そのうち、ヒトのコネクトームをコンピュータ上で再現できるようになると、「精神転送」ということが、つまり記憶のダウンロードやアップロードが可能になる、と考えている科学者も...

認知行動療法の抗うつ治療効果は下降している? だとしたらなぜだろう。

「認知行動療法の抗うつ治療効果は下降している」という論文のアブストラクトだけ読んだ。タイトル通りのことが、メタアナリシスで明らかになったんだって。認知行動療法といえば、日本でも何年か前からテレビ番組で取り上げられたり、診療報酬の対象となったりして、その効果が認められてきた治療だけれど、持ち上げられているほど効果はないということなのでしょうか? なんでだろう?

コミュニケイション上手になる方法

『コミュニケイションのレッスン 聞く・話す・交渉する』(鴻上尚史、大和書房)を読んでいるところ。舞台演出家の立場から、コミュニケイションのスキルを向上させるためのヒントを教えてくれる。コミュニケーションじゃなくって、「コミュニケイション」と書いてあるのはなんでか気になるけれど、個人的には後者の方がなんとなく「ちょっと昔の街中の会話」を表しているような印象があって好ましい。 Rick&Brenda Beerhorst 「世間」と「社会」 興味深かったのは、「世間」と「社会」という二つの視点の区別だ。 「世間様に顔向けできない」なんてセリフは最近言わなくなったと思うけど、「みんなが持ってるから(僕もプレステ欲しい)」という子は今も多そうだ。「世間」と「社会」って、似たような言葉だけど、何が違うんだろう? それって、どんなふうにコミュニケイションに影響してるのかな。

米1粒の寿司を握れる? 15ミリ四方の紙で鶴を折ることできますか?(いろんな採用試験があるものだ)

米1粒の寿司、いくつ握れる? 倉敷の病院、採用試験に :朝日新聞デジタル という記事を読んだ。「 米1粒の寿司(すし)を握り、15ミリ四方の紙で鶴を折る」という課題が、 倉敷中央病院がこの夏の研修医採用で用いる試験問題らしい。  医学生からは「鶴が折れないと不採用!?」と戸惑いの声もあがるが、病院側は「出来栄えの優劣で評価するわけではありません」。 「集中力」や「諦めない心」をはかるのが目的。生き残りをかけ、多様な若手を求める地域の病院は、極小の折り鶴に大きな祈りを込める。 って、すでに問題を公開してるのはいいのか、とつっこみたくなるけれど。きっとこれは、こういうふうにニュースで広まったり、うわさになることで、よりたくさんの応募があるだろうということが期待されてるんでしょうね。

レジリエンスって? 折れない心を身につけるための心理学

このごろよく聞く「レジリエンス」という言葉。災害や事件などのトラウマを同じように体験しても、PTSDを発症する人もいれば、トラウマ体験をうまく乗り越えることのできる人もいる。 この違いはなんだろう、っていうところから、レジリエンス( resilience )が研究されるようになった。「 精神的 回復力」とか「復元力」「耐久力」と訳されている。「自然治癒力」といった意味合いもある。 心理学や性維新医学では 「極度の不利な状況に直面しても、正常な平衡状態を維持することができる能力」と定義されている。 レジリエンスの対義語は「脆弱 性 (vulnerability)  」という言葉だ。 ではこの、折れない心ってなんだろう? どうすれば身につくのだろうか?

睡眠不足は脳の敵!快適な睡眠のための5つのコツ

!夜中に目が覚めてしまい眠れなくてネットサーフィンいたら(よけいに眠れなくなりますね)、「よりよく眠る:研究で明らかになった5つのパワフルで新しい方法」という記事を見かけた。 Get Better Sleep: 5 Powerful New Tips From Research  | TIME 睡眠不足はあなたのIQを下げる 睡眠不足や、睡眠の質が悪いと、子どもの知能指数(IQ)は低下する傾向があるという。モントリオール大学で行なわれた実験によると、自閉症スペクトラムの子どもと定型発達の子ども、いずれの群においても、睡眠の質と認知能力には深い関わりがあったという( * )。大人だって、ちゃんと眠れなかった次の日はアタマの回転が悪くなりますよね。

自分の目が信じられなくなる錯視錯覚画像の詰め合わせをどうぞ

「見る」ということは、たんに外部からの刺激を受け取っているということではない。目はビデオカメラみたいに外を撮影しているのではなくて、もっと能動的に環境世界を「解釈」している。「〜として見る」という構えがあるからこそ、意味のあるものとしてとらえることができるのだろう。

『オープンダイアローグとは何か』(斎藤環著+訳、医学書院)

オープンダイアローグとは何か 『オープンダイアローグとは何か』(斎藤環著+訳、医学書院)を読んだ。 「オープンダイアローグ」とは、フィンランドで実践されている対話を中心とした新しい統合失調症の治療法のことだ。要請があれば24時間以内に精神科医や看護師、ソーシャルワーカー、心理士などがチームを組んで訪ねていき、患者と家族、その他重要な人々と車座になってとことん対話をするのだ。必要に応じて、毎日でも開かれた対話を重ねていく。   オープンダイアローグは、統合失調症などの精神的危機にある人への治療として、従来の(投薬と入院中心の)治療方法よりも治療成績がよい。2年間の予後調査では、入院期間や再発率が大きく低下し、82%の患者で精神症状はごく軽いかほぼまったく見られないという。

アニマル・ロボットセラピーの可能性。

しばらく前に、 カウンセラーが機械化されることは当分ないだろう と書いたけど、アニマルセラピーならぬロボットセラピーは、現実になってきているようだ。熊のロボットなので、アニマル・ロボットセラピーということになるのかな。

オンラインで認知のテストを受けてみよう。ストループ効果について。

cognitive fun! 認知ファン! 心を学び、遊ぶ。 というサイト。 いろいろな認知のテストをオンラインで受けることができる。 アカウントを作って自分の記録を保存したり、他の人たちの記録と比べてみることもできるんだそう。 Cognitive tests: Color Reading Interference (Stroop) このストループ効果のテストを試してみた。 ストループ効果というのは、1935年にジョン・ストループ(John Stroop)という心理学者によって報告された、文字の意味と文字色のように二つの情報が干渉しあう現象を指す。 色名を答えてくださいという質問にどれくらい素早く回答できるか? あか と書かれていたら、たぶんすぐ答えることができただろう。では次の問題だったら? あか この場合は、「青」と答えなくてはいけないけれど、思わず「赤」と言いそうになる。 あお の場合も、「赤」が正解なのに、一瞬、回答が遅れる。 「逆ストループ課題」では、色名ではなく、書かれている文字を読んでもらう。上の場合では「あお」と言わなきゃいけない。 うつ病や不安障害があると、注意機能が低下し、この種の課題に対応するのが難しくなるのだという。 こうした課題では、意味の異なる刺激のどちらか片方だけに反応しなくてはならないのだが、ということはもう片方は上手に無視する必要があるということにもなる。 脳のなかで二つの情報が干渉しあうということで、 プロミスのきりんの広告 のことを思い出した。言葉とイラストが、妙に干渉しませんか?

袖振り合うも他生の縁、それともこれは腐れ縁。

袖振り合うも他生の縁 「袖振り合うも他生の縁」とは、道を歩いていてたまたま袖が触れ合うようなほんの偶然の出会いでさえも、ひょっとしたらそれは前世からの深い縁によるものだ、といった意味合いの言葉だ。 通勤のとき、いつも同じ時刻に同じ人とすれ違ったり、あるいは同じ電車にしばらく乗ることがある。「あ、いつものあの人だ」と思うけれど、もちろん声をかけることなんてない。ないですよね、普通。 それでも毎日すれ違っているうちに、なんとなく親しみを感じてくることがある。「この人はどんな人生を歩んでいる人なんだろう。独身だろうか、家族はいるのか。仕事は何してるんだろう」なんて思いながら、すれ違う1、2秒を過ごすわけだ。そのうちにこっそりと「あだ名」をつけることもあったな。 以下、今までの実例。 「 れれれのおじさん 」:引っ越すまではよくすれ違っていた、赤塚不二夫のマンガに出てきそうなおじさん。 「 怒りザル 」もしくは「 ランボー 」:帰りの電車でときどき見かけるお兄さん。いつもなんか怒っているように見える。夏場はタンクトップで、筋肉をぴくぴくさせたりシャドーボクシングしたりしてはる。 「 スナフキン 」:朝すれ違う人。女性だけど、スナフキン的風貌。 なんてあだ名をつけて毎日観察するとけっこう楽しい。向こうだってこちらを観察しているかもしれんですけど、それはそれでお互いさまだ。 腐れ縁 「あいつとは腐れ縁でさあ」なんて聞くことがある。縁が腐ってしまうというのはどういうことだろう。昔は「鎖縁」とも書いたそうで、鎖のように切っても切れない関係とか、あるいは輪がつらなって後世まで続いていくような縁を表していたとも言われる。 「 わしとお前は 焼山葛 うらは切れても 根は切れぬ 」と詠んだのは高杉晋作。野焼きをすると、かずらのツルは焼き切れるけれど、根っこはつながって決して切れない、そんなふうな人間関係を表しているようだ。 いつもいろんな人と会っていると、たとえば夫婦やカップルなどで、(さっさと別れた方がいいんじゃないかい)と正直思わないでもない人と話をすることがある。ご本人も「別れたい離れたい」というからなおさら。けど、なかなか離れられないのも、人情なのか慣性の法則なのか、面倒臭さからなのか、やっぱり前世の因縁なのか。 どれが正解かは分かりま...