石器の作り方、あるいは人類はどのようにして道具を使うようになったか

8/30/2015

いろいろ 人類学

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しばらく前に、330万年前の石器が発見されたというニュースがあった。

これまでは、最初の石器はホモ・ハビリス(器用なヒト)というヒト族が作ったと考えられていた。身長130センチくらいで、不釣り合いに長い腕を持っており、脳の容量は現世人類の半分くらいだった。ホモ・ハビリスが生息していた時代における最古の道具は、約260万年前だったという。

こんな感じのヒト。

なかなか威厳があるじゃないですか。
大晦日の紅白で演歌とかを歌っていてもぜんぜん不思議じゃない。

Homo habilis
道具の製作と使用は、火起こしや農業と同じく、人類の歴史における重要な節目だ。

今回、ケニアのトゥルカナ湖で発見された石器は、約330万年前のものだと推定されている。荒削りではあるが、骨髄を取り出すために骨を砕いたり、幼虫を捕まえるために木の実や表皮を剥いだりするのは可能なくらいのものだったそうだ。

誰がこの石器を作ったのかは、今もまだ謎だそうだ。ホモ・ハビリス以前に地球を闊歩していたヒトか、ヒト族の遠い親戚であるホミニンだと考えられている。

石器は、ヒトが歴史上もっとも長く使った、かつ(たぶん)最初の道具のひとつだ。

この道具を検証することは、ヒトの認知機能の進化/発達の大きな手がかりとなるだろう。
石器の変遷を進化としてとらえ、ピアジェの発達心理学に対応させる見方もあります。現代人の発達年齢と対応させる考え方です。たとえば、原人段階で左右対称を意識したと思われるハンドアックス、現代人の7~8歳、旧人段階で先を読む洞察力を必要とするルヴァロワ技法、11~12歳、新人段階でシステム思考から生まれた整った石器、14歳以降というわけです。 また、旧石器の分析から、人類の空間認識の発達をとらえる見方もあります。200万年前は、「近接」、「分離」、「序列」といった単純な空間概念、120万年前は、直径や半径、左右対称、反射、反転など、30万年前からは、多方向の視点や、現在と同じ三次元的な見方、全体との関係などの空間概念が加わるというのです。こうした見方は、単なる技法の進化ではなく、その背景にある空間認知能力の進化を取り出そうとしています。「先史時代の人の心を探る
 「石器の変遷を、発達、進歩と見ることによって、抜け落ちるものはあるはず」との注意書きも重要だと思う。

***

Youtubeで見つけた石器製作の動画が面白かった。

今度作ってみたいと思ったので、メモ代わりに。



立正大学の久保田正寿先生という方が実演してはるようです。






立正大学 教員情報:久保田 正寿(MASAJU KUBOTA)


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