犬といるとナンパが成功する? より愛情深くなり、社交性や共感性も高まるという科学的研究

8/04/2015

心理学 動物

t f B! P L

犬を飼ってると愛情深くなる?

先日は、猫好きに悪いニュースをお知らせしましたが、今日は犬好きに良いニュースをお知らせいたします。ごめんなさい猫派のみなさま。たまたまですニャ。

Do Dog Owners Make Better Lovers? Some Scientific Answers | Psychology Today



「犬の飼い主は、より愛情深くなる? 科学的な答え」なんてタイトルがついています。犬を連れて歩いてると、ナンパの確率まで上がるんだって。

そのあたりの詳細は以下を!

犬っていう生きものは、かれこれ13万年くらい、ヒトとともに暮らしてきた。とても忠誠心が強くて頭もいいということは古くから知られている。

起源前8世紀の『オデュッセイア』には、主人の帰りを20年も待ち続けたアルゴスという犬の話が書かれている。アルゴスは、乞食の姿をしていた主オデュッセウスを人目で見抜き、尻尾をふって一声鳴いて息を引き取ったのだという。ギリシャ神話バージョンの「忠犬ハチ公」ですな。

この例からも分かるように、犬という生きものは人間と深いつながりを築く能力をもっている。犬は、飼い主の性格や好み、信念までも写し出しているし、心理的にも身体的にも私たちを豊かにしれくれる存在だ。

Psychology Todayでは、犬についての興味深い科学的発見が紹介されている。

犬を飼う人はより外向的で、犬は社会的な相互作用を刺激する

猫派と比べると、犬好きはより外出する傾向がある。もちろん、日に何回かは散歩に連れ出してやらなきゃいけないっていうこともあるけれど、犬を連れてると他の人と交流するきっかけにもなるだろう。

犬好きがもともと外向的だったというだけじゃなくって、犬が人をより社交的にするということも言えるんじゃないか。

犬を飼うってことは、家族の機能さえ変えることができる。

1990年代に行なわれた研究では、犬を飼っている家族は子どもとより多く外出したり、レジャー活動をする傾向が見られた。

犬の存在は、私たちの信頼や共感という感覚を増してくれる

こんな研究が紹介されていた。学生が、ビデオで二人のセラピストの「信頼できそうな度合い」を評価するのだけど、1人のセラピストは犬を連れていて、もう1人はそうではないという設定で比較する。
犬を連れてる方が、より「信頼できそう」と感じられるというわけだ。

また、小学校1年生の教室に犬がいると、子どもたちの攻撃的行動は減り、他の人への気遣いが増える。クラスに犬がいるというだけで、子どもはより共感的になるのだ。

犬といた方が人に気づかれやすい

通行人がどれくらい人の注意を惹くことができるかという実験。それぞれ、次のものを連れて歩くんだって。
  • ラブラドールの子犬
  • 大人のラブラドール犬
  • ロットワイヤー種の犬
  • テディベア
  • 鉢植えの植物
  • なにもなし
周囲の人々が通行人にどれくらい関心を払ったかを「無視、ちょっと見た、微笑んだ、話しかけた」ということで評価する。

なにも手にもってない人とか、テディベアや鉢植えをもって歩いている人には、誰も話しかけず、無視したという。まあ、鉢植えをもって歩いている人には話しかけにくいよね。それにロットワイヤー犬を連れた人も、ほとんど話しかけられなかったのだそう。ドイツの牧牛犬、警備犬とのことなので、より実用的な印象の犬なのかな。

ロットワイヤー犬

こんな犬だそうです。けっこうかわいいと思うのですが、なんでだろう。

一方で、ラブラドール犬は、とくに子犬は、たくさんの人に笑いかけられたり、話しかけられるきっかけになった。

Labrador Retriever

たしかに、ラブラドール連れているといろんな人に話しかけられて困ると聞いたことがある。庭の中にも通りすがりの人が入ってきてラブラドールのことを話題にするのだって。ラブラドールって、それだけ愛想がいい犬ってことなのでしょう。

犬を連れていると、人々はより気前がよく、より手助けをしてくれ、信頼してくれる


実験では、感じはいいけどTシャツとジーンズというインフォーマルな姿の若い男が、ランダムに人々に声をかけて、バスの料金を無心する。犬(雑種)を連れている場合と、そうでない場合で比べるというわけ。

結果は、犬を連れていた方がみな気前よくバス代をくれる傾向があった。

次の実験では若い女性が、犬を連れて、あるいは連れないで、バス料金をちょうだいとお願いする。男性は若い女性にはより気前いいけれど、性別に関係なく人々を気前よくするのは犬の存在だった。

3番目の実験では、若い男性が「うっかり」コインを道に落としてしまう。これまた、犬を連れてた方が、人々は親切に手伝ってくれた。

最後の実験は「男前テスト」っていうのだって。男性が、1人で歩いている18歳から25歳の女性にこんなふうに声をかける。

「やあ、僕の名前はアントニー。キミってほんとかわいいねってちょっと言いたくて。僕は午後は仕事なんだけど、もしよかったら電話番号教えてくれないかな? 後で電話するから、いっしょに何か飲もうよ」

ようは、ナンパする実験ですな。もちろん、犬を連れているときとそうでないときで比べるってわけだ。

驚きの結果。

犬を連れていた場合、28.3%の女性が電話番号を教えてくれた。他方で、犬なし条件では9.2%だけだったという。

それにしても犬なしでも1割の女性の電話番号を聞き出すなんて、やるなアントニー。

いろんな実験から推測されるのは、犬を連れている人は、より親切で思慮深くて、感受性のある人だと見なされる傾向があるということだ。そして、周りの人たちもより気前よくなり、手助けしようとする。

ここから得られる教訓はシンプルだ。

「もしあなたの社会的生活をレベルアップしたければ、犬を飼え!」

という結論。

そういえば、子どものころは犬を飼っていたけど、長らく犬に触れていないなあ。


知りたい! やってみたい! アニマルセラピー

ページビューの合計

このブログを検索

ブログ アーカイブ

Amazon.co.jpアソシエイト

about

からす
心理学(臨床心理学中心)と関連領域についての覚書です。


QooQ