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発表された心理学の研究結果の多くは牛の糞だと判明!?

google アラートで"psychology"でひっかかった記事が一日一度届くように設定してあるのだけれど、今日届いたメールでいちばんインパクトの強いタイトルはこれ。

「発表された心理学の研究結果の多くは牛の糞だ」

A Lot Of Published Psychology Results Are Bullshit

というGIZMODEの記事でした。



ようは心理学の研究はあまた発表されているけれども、ほとんど追試が行われておらず、科学的に検証されないままだということらしい。

著名な社会心理学者が論文をねつ造していたことが分かったり、メジャーな学会誌があちこちで批判されているESPを支持する論文を掲載したり、ということもあるが、多くの研究者は誠実に論文を書いている。

むしろ問題は、データを分析しなおすと、研究者たちが考えているほどにははっきりして説得力のある結果が得られないということだって。

何百もの研究が同じ方向の結果を示しているなら、それを信じてもいいけれど、ひとつの論文が斬新でラディカルなことを主張していても、たいしてあてにはならないということ。

元となったのは、
Estimating the reproducibility of psychological science|Science
という論文。

再現性ということが十分理解されていないのは、ひとりひとりの科学者にとって、追試よりも目新しさの方が優先順位が高いというインセンティブがあるからだ。イノベーションは大切だけれど、斬新なアイデアは古くなるのも早い。学会誌の編集者は、追試はオリジナルじゃない、「それはもう知っているから」と掲載しないことが多いけれど、ほんとはちゃんと追試した方が確実なんだよと。

同じテーマの記事でも、Japan Times なんかは、
Psychology research is often questionable, study finds
「心理学の研究はしばしば疑問符付きだということが判明」
と温厚なタイトルなので、ブルシットはどーなんでしょうね。

鶏の糞、牛の糞、象の糞

ブルシットで思い出したのが、ゲシュタルトセラピーを創始したフリッツ・パールズの言葉。

Friedrick Perls (1893 – 1970)
Friedrick Perls (1893 – 1970)

ええと、確か、日常のくだらないおしゃべりやゴシップが「鶏の糞」で、頭でっかちで何の役にも立たない議論が「牛の糞」、「象の糞」はなんだったっけ。高邁な理論だったかな。

どこに書いてあったんだっけ。



・・・
追記(2015年9月12日)
『心理学ワールド』に掲載されていた
心理学研究の「常識」が変わる ?─ 心理学界における再現可能性問題への取り組み
を読んだ。
精度の高い追試の実施にまずもって必要なのは,追試者は原典(オリジナル)に忠実であること,すなわち自らのオリジナリティを追求しないことである。われわれ心理学者は,その成長過程において「オリジナリティの高い研究を目指せ」という精神をたたき込まれ,それをほとんど唯一の行動規範としてきた。そのことと再現可能性の検証への取り組みとの間に大きな葛藤が生じることは想像に難くない。その意味で,心理学者には今,ある種のパラダイムシフトが求められている。
とのこと。


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