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『レジリエンスの鍛え方』、心の中の7匹の「思い込み犬」

レジリエンス

レジリエンスって? 折れない心を身につけるための心理学

でも紹介しましたが、レジリエンス(resilience)とは、メンタルな面での「回復力」「復元力」「耐久力」を指す言葉です。

戦争や災害、過酷な労働といったストレスフルな状況でも、うまくやりぬいてバランスを崩さないでいられる人がいます。

そうした人は「レジリエンスがある」ということにな流のです。

刺激と反応のあいだにはスペースがある

『「レジリエンス」の鍛え方』(久世浩司、実業之に本社)
という本を電車で読みました。



エリートと呼ばれる人には大きく分けて二種類存在します。たくましいエリートと脆いエリートです。
ここでいう“たくましい"とは、精神的な打たれ強さであり感情をコントロールできる強い自己規律のことです。心理的なたくましさがあるビジネスエリートは、 継続的に成果をあげ、社内や社外での競争に生き残り、長いキャリアで成功を収めることができます。
一方で自己プロフィールに書かれた学歴や経歴からはエリートに見えても、いざ難しい仕事を任せると精神的な脆さを見せる人がいます。結果として、重要な仕事も任せられることなく、厳しい競争にサバイブすることができず、キャリアのどこかで挫折してしまいます。なぜこのような差が生まれるのか。その答えは「レジリエンス」にあります。
本書ではその「レジリエンス」について解説、さらに「レジリエンス」を身につけるための7つの技術を紹介。現在、いくつかのグローバル企業はレジリエンスに注目し、レジリエンスを高める法人研修を実施しています。ロイヤル・ダッチ・シェル、グラクソ・スミス・クライン、IBM、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどです。
また「レジリエンス」は、グローバルに活躍したい人だけに有効なものではありません。多くの人はビジネスシーンや生活のなかで、いくつもの失敗をします。時には同じような失敗を繰り返すこと、失敗によって新しいチャレンジを躊躇することもあります。そこに大きなチャンスがあるにも関わらずです。私たちは、苦手なこと、難しいこと、失敗しそうなことに対して「無理! 」と言いがちです。そこにリスクばかりが見えたり、失敗することへの嫌悪感や羞恥心があるからです。レジリエンスは、「無理! 」と言わずに一歩踏み出すための技術です。
本書はレジリエンスを身につけるための「レジリエンス・トレーニング」本でもあります。そもそも「レジリエンス・トレーニング」とは、ポジティブ心理学の生みの親として著名な米・ペンシルベニア大学のマーティン・セリグマン博士らが、おもにうつ病の予防策として開発したものが有名です。欧米の進学校やリーマンショック以降の金融業界に導入されただけでなく、米陸軍の兵士たちが戦地に赴く前に強靭な精神を鍛錬するためのプログラムとしても高い評価を受けています。
一方、本書で紹介する「レジリエンス・トレーニング」は、30年来に及ぶレジリエンスの研究をベースとしながら、認知行動療法、ポジティブ心理学、PTG(心的外傷後の成長)の研究・手法を統合し、欧州で生み出された第2世代のトレーニング法。英国のイースト・ロンドン大学のイローナ・ボニウェル博士らによって開発され、英国やフランスで研究が進められています。日本国内で紹介するのは本書が初となります。

『7つの習慣』で有名なコヴィ博士の人生を変えたというフランクルのこんな言葉が紹介されていました。
刺激と反応のあいだにはスペースがある。そのスペースをどう生かすかが、私たちの成長と幸福の鍵を握っている

そのスペースの自分の反応の仕方を決めるのが「思い込み」だといいます。
認知療法でいうところの、自動思考や信念のことですね。

この本でも、アルバート・エリスのABCモデルが紹介されています。例えば、こんな感じ。

A. 隣りの家の人が夜中に大ゲンカをしていてうるさい。
B. 人の安眠の邪魔をしやがって! 嫌がらせか!
C. 腹が立って眠れない。

このBのところが、「思い込み」ということになります。

心の中の7匹の犬

この本では、代表的な思い込みを「7種類の犬」に例えています。次のような犬たちです。あなたの中にもどれかが住み着いているかもしれません。



正義犬

「べき思考」が強くて「〜すべき」「〜すべきでない」といった口癖がある。怒りや嫉妬の感情を生む。

批判犬

他人を批判しがち。「白黒思考」。怒りや不満の感情。

負け犬

「自分はダメな人間だ」。怖れや悲しみ、不満の感情。

誤り犬

「私のせいで失敗してしまった」と自己関連づけ。罪悪感や羞恥心。

心配犬

悲観的思考。「ひどいことになるだろう」。不安や怖れの感情。

あきらめ犬

「自分の手に負えない」「できっこない」。不安や憂うつ、無力感。

無関心犬

面倒なことを避けて「どっちでもいい」「しらない」。疲労感や意欲喪失。

だそうです。自分の中で、どの犬がつぶやいているのかを、ときどき確認してみるといいかもしれないですね。

どうすればレジリエンスや自己効力感を養うことができるか、といったことが具体的に書かれていて、勉強になる本でした。



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