子どもの頃に飼っていた犬は、けっこうおっちょこちょいだった。

田舎だったので住宅街を抜けて田んぼのあぜ道や山に入ったあたりで鎖を放すと(当時はだれも文句を言わなかった)、よろこんでどこかに駆けていく。しばらくすると戻ってきて、いっしょに家に帰った。

あるとき、肥だめに落っこちたらしく、酷いことになって戻ってきたことがある。

肥だめ、知ってますか? 表面がけっこう固くなるので、子どもたちもそこに石を投げ入れたり、片足を乗せて体重をかけたりして(きたないなあ)、度胸試しをしたものでした。

うちの犬も、きっと肥だめに足を乗せてくんくんしているうちに、薄氷のごときうんこが割れてどぼんと浸かったに違いない。

小学生時代の6年間飼って、病気で死んだときにはずいぶん悲しかったのを覚えている。


犬の性格テスト

さてさて。犬の性格テストというのを見かけたので、ちょっと紹介してみたい。

DOG PERSONALITY QUESTIONNAIRE (DPQ)

というんだそうだ。テキサス大学の心理学部門で、アマンダ・ジョーンズ博士らが開発したとのこと。75項目の長いバージョンと、45項目の短縮版があり、信頼性、妥当性も確認されている。

試みに一部だけ訳して紹介してみたい。
  • 臆病さ
  • 人への攻撃性
  • 活動性/興奮しやすさ
  • 訓練への応答性
  • 動物への攻撃性
といった5つの因子があるようだけれど、そこから「人への攻撃性」と「訓練への応答性」に関する項目を45項目の短縮版から抜き出してみた。

犬の場合、日本の犬で標準化の手続きをしないといけないんだろうか、それともこのままでいいんだろうか、なんていう疑問はありますが、まあそのあたりは・・・。

以下に、あなたの犬に該当するかもしれないし、しないかもしれない、いくつかの性格傾向や行動に関する記述があります。それぞれ、どれくらい同意するかしないかを、各文のとなりに番号で記入してください。あなたの犬のいつもの行動にもとづいて判断してください。

1 全く当てはまらない
2 当てはまらない
3 やや当てはまらない
4 どちらともいえない
5 やや当てはまる
6 当てはまる
7 非常に当てはまる

ただし、逆転項目と書かれている質問は、

7 全く当てはまらない
6 当てはまらない
5 やや当てはまらない
4 どちらともいえない
3 やや当てはまる
2 当てはまる
1 非常に当てはまる

となります。

人への攻撃性

Facet 1 一般的な攻撃性

7.(  )見知らぬ人に対して攻撃的にふるまう。
18.(  )見知らぬ人々にもフレンドリーだ。(逆転項目)
40.(  )神経質な、あるいは怯えているとき、犬は攻撃的になる
合計点(  )

Facet 2 状況的攻撃性

25.(  )人から脅威を感じたとき(例えば追いつめられるとか、首に縄をつけられるとか)、犬は攻撃的にふるまう。
30.(  )獣医のところにいるあいだ攻撃的になる。
36.(  )大事なものを守るために攻撃的になる(たとえば盗んだものとか、お菓子とか、餌のお椀とか)
合計点(  )

2つのFacetの合計点(  )

訓練への応答性

Facet 1 訓練しやすさ

29.(  )罰への反応がにぶい。(逆転項目)
38.(  )命令を無視する。(逆転項目)
43.(  )気が散るような状況でも(たとえば、うるさくてせわしない場所とか、他の犬が周りにいるなど)、課題に集中することができる。
合計点(  )

Facet 2 コントロールしやすさ

5.(  )リードを離しても、呼ばれたらすぐに戻ってくる。
10.(  )開いたドアや門から素早く抜け出す。(逆転項目)
32.(  )命じられると食べ物や物を手放すことができる。
合計点(  )

2つのFacetの合計点(  )

それぞれの数値を合計して、得点が高いほど、その傾向が強いということらしい。

Jones, A. C. (2009). Development and validation of a dog personality questionnaire. Ph.D. Thesis. University of Texas, Austin.

いかがだっただろう。
飼い犬がおとなしい性格か、それとも怒りっぽい気性か、心理テストでわかるとちょっと面白いかもしれない。