サイコパス、自己愛傾向などのダークサイドを測る心理テスト

9/01/2015

心理テスト 心理学

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ウェブで『パーソナリティ研究』を読んでいたら、反社会的なパーソナリティ傾向を測定するための心理尺度に関する論文を見かけた。

日本語版Dark Triad Dirty Dozen (DTDD-J) 作成の試み

反社会的なパーソナリティ特性の代表として、
  • マキャベリアニズム:他者操作的で搾取的な特性
  • サイコパシー傾向:利己性や希薄な感情を代表とする対人的・感情的側面と衝動性のような行動的側面を持つ特性
  • 自己愛傾向:賞賛や注目,地位や名声を求め,他者に対して競争的で攻撃的な特性
の3つが挙げられており、これがDark Triad (DT)と呼ばれているのだと。


因子分析の結果、この3つのDT特性に対応した3つのグループ因子と、総合的なDT特性による1つの因子から構成されることが示されたとのこと。

尺度自体は、論文の最後か、
DTDD-J[pdf]
で見ることができる。

「私には他の人をあやつっても自分の思い通りにするところがある」
「私には他の人をだましたり嘘をついても自分の思い通りにするところがある」
「私は,どちらかというと疑い深くひねくれた人間である」
といった12の質問に、「全くあてはまらない」から「非常にあてはまる」までの5件法で回答する。平均得点などは論文の6ページのTable1に。

疑い深くてひねくれた人間が、こうした質問に正直に答えるだろうか、っていう疑問はあるけれど、なかなか興味深い論文でした。

尺度の名前がインパクトありすぎだと思う。

何日か前に読んだ
サイコパスに学ぶ正しいマインドフルネスへの道(パレオな男)
というブログ記事では、
サイコパスの脳と仏教徒の脳には、多くの類似点がある。どちらも合理的な思考力が高く、「今ここ」に生きる考え方が強く、プレッシャーが大きい状況にも強い
というケビン・ダットンの説が紹介されていた。

神田橋條治先生もどこかでそんなことを書いておられたような記憶がある。

精神病質者の「竹を割ったような」パーソナリティは、ある意味で高僧に似ているけれど、高僧の場合はもともとは葛藤やこだわりがあってそれを修行によって乗り越えてきた、というところが違うんだというような話だった気がする。

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