臨床心理士(clinical psychologist)の近年の理論的方向性(カナダの場合):認知行動療法が人気

8/22/2015

心理療法

t f B! P L
カナダのケベックにおける臨床心理士(clinical psychologistをいちおうこう訳しておく)の理論的オリエンテーションの現在のトレンドを調査した論文。

Current Trends in Theoretical Orientation of Psychologists: The Case of Quebec Clinicians|Journal of Clinical Psychology

【キーワード】
臨床心理士;心理療法;認知行動療法;人間性-実存的心理療法;力動的-精神分析療法;理論的オリエンテーション;カナダ;ケベック

北米の臨床心理士の理論的オリエンテーションのトレンドは、この10年ずいぶん変わってきたけれど、カナダではどうだろう?  というわけでカナダのサイコロジストの46%がいるケベック州で調べてみた、ということ。

20年前と比べると、中心的なオリエンテーションとして認知行動療法を選んだ臨床家の割合は18.4%から38%に増えた。一方で、他のオリエンテーションはそれほど減っていない。実存的-人間中心的アプローチや、力動的-精神分析的アプローチが主なオリエンテーションの臨床家は、2割くらいのままだそうだ。

2013年の調査では、8608人の臨床家に理論的なオリエンテーションを2つ選ぶように求めた。
55.8%が認知行動療法を、34.3%が実存的-人間的オリエンテーションを、27.9%が力動的-精神分析的理論を、21.8%がシステム相互作用オリエンテーション(ってなんだろう)を選んだんだそう。

日本ではどうなんでしょうね?

と思って、学会の会員数をちょっと調べてみた。

日本精神分析学会:2814名(うち、医師が862名。

日本認知療法学会:1200名(2008年の時点。

日本認知・行動療法学会:1931名(

日本人間性心理学会:968名(

日本箱庭療法学会:2075名(

ていうことなんだそうです。

箱庭療法学会を、ユング心理学系と考えたら、日本ではまだ力動的・深層心理学的アプローチが強いということでしょうか。


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