暑いですね。

子どもが夏休みになると、親子のかかわりも増えていくものかと思います。そのぶん、コラと叱ったり、子どものしでかすあれやこれやでカリカリすることだってあるかもしれない。

「そんな生活してると夏休み中に宿題終わらないよ!」
「31日になって泣くのはあなただよ!」
「蟻とキリギリスの話、知ってるでしょう。いつやるの!今でしょ!」

などなど、あの手この手を使って子どもにやるべきことをやらせようとします。それもこれも、我が子の幸せを祈ってのこと(たぶん)。

ところが新しい研究では、親は子どもの幸せを見誤る傾向があるとの結果が示されている(1)。


親は子どもの幸せを見誤る

スペインの357人の子どもとその親たちを対象とした研究から分かったのは次のような傾向。

10歳から11歳の子どもの親は、子どもの幸福について、たいてい過大評価しがちだという。
「この子はきっとハッピーだろう」と思い込んでいるってことか。

一方で、15歳から16歳の子どもの親は、逆に子どもの幸福を過小評価する傾向が見られたという。

無邪気でハッピーな子ども時代と、悩める思春期、というステレオタイプに親がしばられている、ということだろうか。

ハッピーな子どもに育てる科学的な10の方法

1.冗談を言い合おう

ジョークを言って子どもと関わることで、子どもはより創造的に考えることができるようになるし、友達をつくったり、ストレスを解消することにもつながるのだそう。

2.ポジティブに

子ども(とくに5歳未満)にネガティブな感情をぶつけたり乱暴に扱うと、その子も将来乱暴になる。怒ってる親→怒ってる赤ちゃん→怒ってる親、といった悪循環にならないように。

3.自分への思いやりをもつ

自分への思いやりは、人生におけるとても重要なスキルで、困難に直面したときに立ち直ることを助けてくれる。

4.手放す

子どもが巣立つときには、ちゃんと手放すのがいい。「ヘリコプター」親(なにかあったらすぐに駆けつける過保護な親)をもつ大学の新入生は、のんびりリラックスした両親をもつ新入生と比べて、より不安が高く、自意識過剰で、新しい経験にオープンではない。

5.夫婦関係をはぐくむ

赤ん坊が生まれたからといって、パートナーとの関係をないがしろにしないこと。夫婦関係が不安定で、離婚やなんやとどたばたしている家庭で幼少期を過ごした子どもは、睡眠障害などの問題を抱えやすいという調査結果がある。

6.親自身のメンタルヘルスが大切

うつ傾向のある母親は健康な母親とくらべると子どもの泣き声にうまく反応できない。子どものためにも、まず自身のケアが大切。

7.息子と母親のよい関係

母親と親密でよい関係をもった息子は、問題行動を起こしにくいとの研究がある(女の子よりもこの傾向は強いらしい)。親との間の「安全な愛着」は、より広い世界を冒険する前の「安全基地」となる。

14歳の頃、母親とよい関係をもっていた子どもは、大人になってからの恋愛もうまくいく傾向があるらしい。

8.生意気だからといって心配しない

思春期の子どもは親に口答えしがちだが、そういう態度は、家の外での友達からのプレッシャーを拒否する強さともつながっている。家での自主性は、友達の間での自主性を伸ばす。

9.完璧を目指さない

完璧であることを期待されていると信じている親は、よりストレスを感じていて子育てにも自信がない。そんなプレッシャーは無視して、ゆったりした子育てを試みましょう。

10.あなたの子どもを知る

子育てというのはフリーサイズの服みたいなものじゃない。子どもの性格や個性に合わせて仕立てることが大切。子どもに合わせて柔軟な子育てをすることで、子どもの不安やうつの度合いは半減するという研究がある。不安が強くて親の手助けがより必要な子もいれば、あまり手をかけすぎるとかえってスポイルされてしまう子もいる。


夏休みもあと半分くらい。ハッピーにすごしたいものです。


(1)New Study Shows Parents Misjudge Children’s Happiness
(2)10 Scientific Tips For Raising Happy Kids