今日の心理学:ウィリアム・マクドゥーガルの本能説

6/22/2015

心理学

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今日はウィリアム・マクドゥーガル(William McDougall;1871-1938)という心理学者の誕生日。キャリアの前半をイギリスで、後半はアメリカで過ごした。当時、アメリカでは行動主義の心理学が盛り上がっていたようだが、マクドゥーガルはそれに対立し、学習よりも本能を重視した。
Wikipediaの項目を見ると、ロンドン大学とオックスフォード大学で教えた後、ウィリアム・ジェームズの誘いでアメリカのハーバード大学に移ったとのことだ(1920年から27年まで)。その後はデューク大学で、近代超心理学の父ジョゼフ・バンクス・ラインESPカードを使って実験をした人だ)の元で超心理学の実験室を開設したんだって。
ユングから分析治療を受けていた経歴もあるので、超心理学に興味を持つのもさもありなん。本能への注目や目的論的観点も、ユングの影響なのかもしれない。
優生学に関心を持っていたことなどから、マクドゥーガルは主流の心理学者たちから科学的差別主義者と見なされていた。

マクドゥーガルは、人間の行動の原因は、学習ではなくて本能だと考えた。しかし、なんらかの行動の原因に、いちいちそれに対応する本能を探すと、人間のふるまいの数だけ本能の種類も増やさなくちゃいけなくなる。

浮気本能、節約本能、寄り道本能、アイスクリーム食べたい本能などなど。それって結局、人が何かしたことに「本能」ってつけただけちゃうんかと批判されたのだという(これを同義反復:トートロジーという)。

検索して調べていたら、
江戸川乱歩が大正五年に早稲田大学政治経済学部を卒業したさいの論文「競争論 」は、この『模倣の法則』とウィリアム・マクドゥーガルの行動心理学とに立脚していたという。『江戸川乱全集
なんて記述もあった。

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