『インサイド・ヘッド』と5つの感情

今公開されているディズニー映画『インサイド・ヘッド』は、喜怒哀楽と嫌悪感という5つの感情が登場する。

主人公はライリーという女の子だけれど、頭のなかには5人(?)の感情をつかさどるキャラクターが住んでいて、「ライリーを守り、幸せにする」ために話合ったり、あれこれ活躍する。
誰もが持っているのに誰も見たことがない無限に広がる 頭の中の世界で “感情たち”が繰り広げる感動の冒険ファンタジー!
ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ビビリ、ムカムカ、すべてがあなたの一部。 必要じゃないと思っていたカナシミの感情が必要な理由とは、、、? それに気づいたとき、あなたは、自分をもっと好きになる
といった感じのお話だ。

誰しも、できることならヨロコビばかり感じて生きていきたいと願うものかもしれないけれど、カナシミがいなくなると何が起こるのだろう? カナシミが必要な理由って、分かりますか?


といったとことで、映画のおさらい(もしくは予習)。

5人の感情はそれぞれ、
ヨロコビ、イカリ、ビビリ、ムカムカ、カナシミ
という名前をもっている。

「いつでも笑っていたいのに、どうして悲しみがこみあげてくるんだろう」
それはカナシミが頭の中のボタンを押したから、というわけだ。

普遍的な6つの感情

感情や表情の普遍性について最初に言及したのは、たぶんチャールズ・ダーウィンだろう。ダーウィンは、『人及び動物の表情について 』(岩波文庫)という著作で、動物と人類の表情の共通性とその進化について論じた。


アメリカの心理学者ポール・エクマン(Paul Ekman、1934年-)は、人間の感情や表情は人類に普遍的な特徴であることを明らかにした。アメリカのテレビドラマ『Lie to Me(ライ・トゥ・ミー-嘘の瞬間)』のモデルにもなった人だ。エクマンが最初に取り上げたのは、怒り、嫌悪、恐れ、喜び(幸せ)、悲しみ、驚きという6つの感情だった。


『インサイド・ヘッド』とは、
  • ヨロコビ 喜び
  • イカリ 怒り
  • ビビリ 怖れ
  • ムカムカ 嫌悪
  • カナシミ 悲しみ
というように対応しているみたいだが、あれ、映画には「驚き」がないのか。

エクマンは後に、
おもしろさ、軽蔑、満足、困惑、興奮、罪悪感、自負心、安心、納得感、喜び、恥といった感情も、普遍的なもののリストにつけ加えた。

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ポール・エクマン、 菅 靖彦


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なんて本が翻訳されている。

自我状態療法の会議室テクニック

映画のトレイラーから、トラウマや解離性障害の心理療法で使われることのある「自我状態療法(ego state therapy)」を連想した。

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自我状態療法とは、Watkinsという人が考案したカウンセリングや心理療法の手法だ。

人間の心の中にはさまざまな自我状態がある。泣いている子どもとか、怒っている部分とか、傷ついているパートなどだ。

それぞれの自我状態の葛藤が強くなるとバランスが崩れてしまう。トラウマ体験などがある場合には、ある自我状態が切り離されて、解離してしまうこともしばしば生じる。

自我状態療法は、心の中のそれぞれの部分の思いや感情を共有しながら、話合ったり、調整していくようなアプローチだという。

「会議室テクニック」というのは、名前の通り想像された会議室にいろんな自我状態を集めて、お互いに話し合うような技法だ。

試してみたかったら、静かな一人きりになれる場所と、しばらくの時間を確保して、目をつぶって階段を下って「会議室」に降りていくところをイメージしてほしい。

会議室のなかには、あなたのいくつかの「感情」が擬人化されて登場する(と思ってください)。

それぞれの感情と、想像やイメージのなかで、率直に話合ってみると、「そうか、僕はこんなふうに感じていたんだ」といった気づきが生まれる、かもしれないないかもしれない。

感情の心理テスト

心理テストで診断!あなたのセンター感情は?『インサイド・ヘッド』あなたグラフ診断
なんていうのもありました。

こんな心理ゲームも見かけたことがある。
あなたはロボットを作りました。そのロボットには感情をもっているのですが、ただひとつだけ足りない感情がありました。それは、どんな感情でしょうか?
あなたが想像した感情は、他人から見たあなたの印象だそうです。欠けている感情が「喜び」なら、あなたは他人から見て「楽しそうな人」と見られてるんじゃないかっていうことのようです。




続きは、ぜひ劇場で!