ひふみ投信、この1年くらい積み立てているので、読んでみました。

投資家が「お金」よりも大切にしていること (星海社新書)
藤野 英人
講談社
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表紙の内側には、次のように書かれています。
  • カネ儲けは悪だ!
  • 日本人はお金に清く、真面目である
  • 外資系金融はまさにハゲタカ
  • 助け合いこそ、日本人の美徳
  • ITや金融、コンサル業は虚業にすぎない
  • ブラック企業が日本をダメにしている
  • 投資は汗水たらさないマネーゲーム
  • 「失われた20年」のせいで日本の未来は暗い
どれも「大ウソです」とのこと。

「お金」は、あくまで無色透明な概念にすぎなくて、ただの数字で、「色がついていないからこそ、お金には私たちの考えや態度が100%反映される」と著者は言います。


面白かったのは、日米のヒーロー像の違いが、それぞれの国民のお金観や価値観を反映しているという指摘。
アメリカのヒーローの共通点とは?
という質問があって、その答えは「みんな民間人」そして、「大富豪」が多いということです。
バットマンは、ゴッサムシティの大富豪ですし、アイアンマンもお金持ちです。チャーリーズ・エンジェルのチャーリーも実業家の大富豪。
サンダーバードを創設した人物も大金持ちで、島をひとつ買って国際救助隊を作り、自分の息子たちをサンダーバードのパイロットにするのです。

どれもまあ、お金持ちの社会貢献というわけですね(意地悪な人は、金持ちの道楽というかもしれないけど)。

対するに日本のヒーローは「公務員」が多いのだといいます。

ウルトラマンの科学特捜隊は公の機関だし、ウルトラマン自身も「宇宙警備隊」の一員なのです。ウルトラの父は宇宙保安官で、ウルトラの母は学校の先生なんだって(知らなかった)。

「太陽にほえろ!」とか「危ない刑事」「踊る大走査線」などの刑事物だけでなく、「遠山の金さん」「暴れん坊将軍」「水戸黄門」といった時代劇に至るまで、日本のヒーローは基本的には「公」の存在なのです。

テレビや映画のヒーローは、公務員が多くて、マンガから生まれた仮面ライダーやタイガーマスクなどは民間人が多いとのことでした。

アメリカではお金持ちの民間人が悪を倒して、日本では公務員ヒーローが活躍する、というのは、日米の文化の違いを反映していて面白いですね。

投資家が「お金」よりも大切にしていること (星海社新書)