DSM−5のためのパーソナリティ・インベントリーにおける主要5因子の10の側面
「DSM−5のためのパーソナリティ・インベントリーにおける主要5因子の10の側面」
Ten aspects of the Big Five in the Personality Inventory for DSM–5.
DeYoung, Colin G.; Carey, Bridget E.; Krueger, Robert F.; Ross, Scott R.
Personality Disorders: Theory, Research, and Treatment, Vol 7(2), Apr 2016, 113-123
覚え書きです。
"the Personality Inventory for DSM–5 (PID-5)"という尺度があって、それはビッグファイブの5つの次元に似た5つのより高次元のファクターと、そのなかの25の側面から見ることができるのだそうです。
この研究では、 Big Five Aspect Scales (BFAS)を使って、この25の側面(facets)をBig Fiveのなかの10の要素に統合しようと試みています。
なんだかいろんな尺度が出てくるので、Google先生で調べてみました。
The Personality Inventory for DSM-5 (PID-5)
これですね。
220項目の質問紙です。
- I avoid risky situations. 危険な状況は避けます。
- My emotions sometimes change for no good reason. 私の感情はときどき大した理由もなく変化します。
- I can’t concentrate on anything. ぜんぜん集中できない。
- Sometimes I get this weird feeling that parts of my body feel like they’re dead or not really me. 自分の身体の一部が生きてないような、自分のものじゃないような、奇妙な気分にときどきなります。
といった質問に4件法で回答するとのこと。
短縮版はこちら。
The Personality Inventory for DSM-5, Brief Form (PID-5-BF)
25項目です。ずいぶん数が違いますね。
- Negative Affect:否定的情動
- Detachment:デタッチメント
- Antagonism:敵意
- Disinhibition:脱抑制
- Psychoticism:精神病性
という5つの主要な因子が測定されるようです。
岡野憲一郎先生のブログで紹介されていました。
陰性感情傾向 Negative Affectivity、疎遠さDetachment、敵対性 Antagonism 脱抑制 Disinhibition 精神病性Psychotism はそれぞれ、ビックファイブの裏返し、ないし言い換えというわけなのだ。説明して進ぜよう。こんな感じだ。
Negative Affectivity (vs. emotional stability 情緒安定性)
Detachment (vs. extraversion 外向性)
Antagonism (vs. agreeableness 協調性)
Disinhibition (vs. conscientiousness 勤勉性)
Psychoticism (vs. lucidity 清明さ)
ここで真ん中の3つはちょうどビッグファイブのうちの3つと表裏になっている。ではnegative affectivity はどうか。これってビッグファイブのうちのneuroticism (情緒不安定性、と訳される)に似ているのだ。なぜならneuroticismって不安 anxiety, 気分屋 moodiness, 心配性 worry, 羨望 envy 嫉妬 jealousyで特徴付けられると説明されているのだから。したがってnegative affectivity = neuroticism とみなしていいだろう。とするとこれは表表の関係だ。では psychoticism 精神病性はどうか?これはエキセントリシティ、認知の調節の失敗、常識的でない思考という風に説明されている。とするとこれはビッグファイブの中の「Openness to Experience 経験への開放性」を極端にしたようなものだ。これも一種の表表の関係だろう。
長々と引用。なるほど。
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