ネガティブ思考をコンピュータ・プログラムで減らす(注意バイアス修正)

3/02/2016

うつ病 心理療法 精神医学

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Computer Program Reduces Negative Thought Bias, Depression|PsychCentral
「コンピュータ・プログラムでネガティブ思考バイアスやうつが減少する」

先日の、ヴァーチャル・リアリティでうつ病を治療する実験と似ているかもしれません。

アメリカでは、思春期の若者のほとんど11%が、大うつ病を患っていて、精神疾患のない人たちと比較して5倍以上も自殺を試みるのだそうです。

この記事で紹介されている研究では、否定的思考パターンに向かう頑固なバイアスを減らすようにデザインされたコンピューター・プログラムによって、大うつ病をもつ若者の抑うつ症が改善するということが明らかにされたといいます。




中国の湖南師範大学(Hunan Normal University)で行なわれた研究。

注意バイアス修正(attention bias modification;ABM)という、注意を悲しみから中立、そしてポジティブな言語連想に徐々にシフトしていくようにつくられた課題が用いられました。

被験者となったうつ病の若者たちは、1回22分全8回のABM課題を2週間に渡って行い、悲しみから中立的な言葉に注意を移す方法を学びました。

そして、9週間後に追加の30分のセッションが実施されます。そこで被験者たちは中立からポジティブな言葉に注意を移しました。

2週間のトレーニングが終わった時点で、注意バイアスのスコアと臨床医の評価した抑うつ症状はいずれも著しく減少していたといいます。この傾向は、プラセボ群と比べても大きかったと。

さらにはよりポジティブな思考パターンが増えて、12週間後には抑うつや不安感情がずいぶん減ったと報告されたのだって。

Wenhui Yang et al. Attention Bias Modification Treatment for Adolescents With Major Depression: A Randomized Controlled Trial, the Journal of the American Academy of Child and Adolescent Psychiatry,Volume 55, Issue 3, Pages 208–218

ここでアブストラクトだけ読むことができました。
ABM may be a potential treatment tool for mild to moderate adolescent major depression.
とのことです。

ついでにgoogleで注意バイアス修正法について調べてみます。

The Huffington Postに掲載されていた「不安症状の治療にスマホゲームが有効」という記事(2014.3.24)で、「注意バイアス修正治療訓練(Attention-bias modification training:ABMT)」を使って社交不安障害を治療する試みが紹介されているのを見つけました。

社交不安を生じさせるような注意バイアス(不安・脅威となる要素ばかりに注意が向いてしまうような注意のゆがみ)の修正を目指す」のが、注意バイアス修正治療訓練で、
たとえば、脅迫感を生じさせる刺激(怒った顔など)は無視し、脅迫感を生じさせないもの(幸せそうな表情など)に焦点を当てる訓練によって、注意バイアスを修正しようとする。
のだそうです。

Life Hackerでは、
科学的に証明された、不安を取り除く無料ゲームアプリ『Personal Zen』
というタイトルで、たぶん同じゲームが紹介されていました。
このゲームは注意バイアス修正トレーニング(Attention-Bias Modification TrainingまたはABMT)と呼ばれる、最近注目を集めつつある認知療法に基づいています。この療法は、苦痛となる刺激(アングリーフェイスなど)ではなく、苦痛ではない刺激(ニュートラルまたはハッピーフェイス)に注意を向けるというトレーニングを行います。このトレーニングによって不安を感じやすい人の不安やストレスを軽減できるのです。
だって。

『Personal Zen』不安やストレスを取り除ける胡散臭いゲームを試してみた結果…
には、実際に体験してみてのレビューが。ゲームとしてはつまんないみたいですね。

・・・

やってみたら、ほんまにつまらんかった。。。



毎日やってると、不安やうつは減るのかもしれないので、よかったら試してみてくださいな。ドラゴンボールにでてきそうなキャラです。

日常生活に応用するとしたらどんな方法が考えられるでしょう。
街中で幸せそうな顔の人を10人くらい探してみるとか?

いいこと日記を続けると幸福になるというポジティブ心理学の話ともつながるかもしれません。



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