アリックス・ジェネラス「アスペルガー症候群である自分の内面との会話をどのように学んだのか」(TED)

10/08/2015

ガジェット 発達障害

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TEDでアリックス・ジェネラスというアスペルガーをもつ女性の講演を観た。
アリックス・ジェネラスは無数のアイデアを持つ若い女性です。科学で賞を取ったり、新技術の開発を支援したり、面白い(ビデオをご覧ください)ジョークを飛ばしたりします。アリックスは自閉症スペクトラムの1種であるアスペルガー症候群で、コミュニケーションにおける基本的な社会能力に問題があります。そのため、外の世界に自分の考えをどうやって伝えるればよいのか、長年懸命に学んできました。この個人的で愉快なトークで、アリックスは自分の人生と、より多くの人々が自分の大きなアイデアについて話せるツールの構想について話します。

とても興味深い講演でした。
アスペルガーの人たちのなかにはとても優れたアイデアをもっている人がいるけれど、コミュニケーションの難しさからそのアイデアが共有されないという問題がある。また、一般の人たちの誤解や偏見も、アスペルガーの人が理解されない原因のひとつだ。
アリックスさんは、アスペルガーや高機能自閉症などの自閉症スペクトラムの人々を支援するためにAutismSeesという会社を立ち上げて、Podiumというアプリを作った。
自閉症スペクトラムの人が、自分について知る手助けや、コミュニケーション能力の向上を支援するアプリとのこと。日本語版も出るといいですね。

Podium

ところで、視覚で思考するタイプの彼女はよく明晰夢を見るのだそう。
言われてみると、アスペルガーの人が明晰夢を見る頻度って高そうな気がするが、そういった研究ってあるのだろうか。

と思ってGoogle Scholar で調べてみたけど、見つけられなかった。

教えてGooにあった、
睡眠中に見る夢が、現実と区別出来ずに困っています
という質問では、30代の女性が次のように書いていた。
昔から眠っている時はとにかくよく夢を見るタイプで、目が覚めても夢の内容をしっかり覚えていて、途中で起きてしまっても夢の続きを見ようと思えばいくらでも見られます。
質問というか、相談は、タイトルのとおり、夢と現実の区別がつかなくなってトラブルになってしまうといった内容だったが、回答者とのやりとりのなかで、質問者は成人してからアスペルガーと診断されており、医師からは自閉症スペクトラムの人にしばしば見られるタイムスリップ現象やフラッシュバックではないかと指摘されたとのことだった。

Connection Between Lucid Dreaming And Aspergers?
「明晰夢とアスペルガーの間の関連は?」
というページでは、アスペルガーの当事者が、こんなアンケートを試みていた。
116人の回答で、

しょっちゅう明晰夢を見るという人は30%
ときどき見るという人は40%

という結果らしい。

Dream Content Analysis in Persons with an Autism Spectrum Disorder
「自閉症スペクトラム障害の人の夢内容の分析」
という論文のアブストラクトだけ読むと、自閉症スペクトラムの人はコントロール群と比べて夢を思い出すこと自体が少なく、悪夢や感情を体験することも乏しかったそうだ。
またREM睡眠中に起こして夢を報告させるという実験でも、自閉症スペクトラムの人の夢は短くて、物や人物もあまり登場せず、社会的相互作用や活動、感情なども乏しかったと報告されている。
明晰夢のことは書かれていなかった。

高機能自閉症の人と、アスペルガーの人とではまた夢体験も違うんじゃないかという気がする。



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