スキップしてメイン コンテンツに移動

赤ん坊の空間推論スキルは、4歳時の算数能力を予測する

Babies’ Spatial Reasoning Skills Predict Math Ability at Age 4|PsycheCentral
赤ん坊の空間推論スキルは、4歳時の算数能力を予測する

Psychological Science誌に発表された研究によると、乳幼児期の空間推論スキルが、4歳になったときの算数の能力を予測していることが明らかになったそうです。

数学好きの人もいれば、数学が怖くて近寄りたくない人もいるのはなぜかということを説明してくれるかもしれない発見とのこと。

「この結果は、単に賢い乳児は賢い4歳児になるということじゃありません。そうじゃなくて、私たちが早期の空間推論と算数能力について、何か特別なことをして磨くことができるだろうということなんです」と研究者のステラ・ロウレンコさんは話しています。

以前の研究では、13歳のときに空間的な能力が優れていることは、科学やエンジニアリング、数学などの分野における30年以上後の専門的・創造的な達成を予測することが示されていたんだそうです。

空間推論は、後の数学的、科学的な思考力の基礎となるということなんですね。

この度の研究では、6ヶ月から13ヶ月の63人の乳児が被験者となって、「心的変形(mental transformation)」という視覚−空間スキルをテストされました。

「心的変形」で検索すると、日本では「折り紙」の研究がいくつかヒットしました。


たとえばこんなの。
立体イメージの形成―『折り紙』を使った心理学的研究|KAKEN


ロウレンコさんたちの研究に戻ります。

乳児は、「心的空間」のなかで対象を変形させたり、回転させる能力もテストされました。

同時に、語彙やワーキングメモリ、空間的短期記憶、処理速度などの認知能力も測定されています。

空間推論を調べる方法は、次のようなものだそうです。

赤ちゃんが、テトリスのような図形が映ったビデオ映像を見せられるのですが、2つの図形が鏡映像となっているものと、そうじゃないものに分けられるのだと。

赤ちゃんは、珍しいものや興味のあるものを長く見つめるので、「2つの図形は(回転させたり、反転させたら)同じだ」と気がついたら、それだけ長時間目を向けているだろうということです。ファンツの選好注視法ですね。

赤ちゃんたちは、4歳になった時点で、再びテストを受けます。簡単な数学概念の記号のコントロールをともなう心的変形能力のテストです。

乳幼児のときに、鏡映像のビデオを長く見ていた子ほど、4歳のときのテストの成績も良かったという結果でした。
つまり、赤ちゃんのときに空間推論が得意な子は、後の数学的な能力も優れているということが明らかになったというわけです。

この発見は、早期の算数教育に役立つだけでなく、学習障害のひとつである算数障害の改善などにも応用できるかもしれないとのこと。

空間推論スキルを向上させる子どもの遊びってどんなのがあるでしょうか。やっぱり積み木や折り紙がよさそうな気がします。


  • 積み木
KAPLAって、同じ形の積み木しかないんですが、いろんなものが作れて大人でも楽しめます。

ボーネルンド オリジナル積み木 M 白木 【ボーネルンド】 KAPLA 魔法の板 カプラ 1000 【並行輸入品】

  • 折り紙
ここに挙げたのは上級編。こんなのとてもできそうもありません。
端正な折り紙 切らずに1枚で折る 爬虫類・両生類折り紙
  • マインクラフトやテトリス
ドラゴンクエスト・ビルダーズなどでもいいのでしょう。







コメント

このブログの人気の投稿

果物に例える恋愛心理テスト「フルーツバスケット」で本音がわかる?

簡単な恋愛心理テスト「フルーツバスケット」 「フルーツバスケット」という簡単でおもしろい心理テストのことを聞きました。 「心理テスト」というよりは「心理ゲーム」と呼んだ方がいいですね。 こんなゲームです。 【問】 あなたの目の前に、フルーツバスケットがあります。バスケットには、リンゴ、バナナ、ぶどう、みかん、イチゴ、キウイが入っています。5種類のフルーツを、それぞれ身近な異性にあてはめてみてください。 リンゴ= バナナ= ぶどう= みかん= イチゴ= キウイ= さて、いかがでしょう? 何人かにあらかじめ聞いておくと、後で比べられて楽しいです。

数唱と語音整列の乖離は何を意味しているか?

WAISの数唱と語音整列について、この二つに乖離があったらどう解釈されるんだろうかと思って調べてみたメモ。どちらも作動記憶(ワーキングメモリー)に含まれる下位検査だが、いくらか性質が違う。両者の相関は、中程度くらいだったと思う。 数唱 vs 語音整列 Digit span versus letter number sequencing とある海外の掲示板(?)でのやりとり。 一方が他方よりも高得点だった場合、どんな風に説明できるかな? どっちも順番に配列することが含まれているし、ほとんどの人が順序を操作するために聴覚的記憶を使ってると思う。けど、4点以上の乖離(discrepancy)があった場合は? 実施したばかりのアセスメントを詳しく考えてみると、言葉の受容と表出が明らかに難しいケースだったけど、視空間スキルと処理速度はまったく問題なく保たれていた。-Miriam という問題提起に対するスレッドのようだ。 私も以前に何度か同じようなパターンに出会ったことがあって似たようなことを考えたことがあるけど、ぜんぜん専門外だったから。あなたももう考えてるだろうけど、語音整列はたぶんより複雑な課題だと思う。というのも、数唱のように単に数字を扱うんじゃなくって、(文字と数字という)二種類の情報を使ってそれを切り替えながら作業しなきゃいけないから。被験者が教示を理解して、すべてをすっかり頭に入れることができたという手応えはありましたか? これ(語音整列)を実行するにはいくつかの操作が必要だし、呈示されたものすべてを受け取るには言語受容スキルが特に障壁となるかもしれません。他の下位検査にもこの仮説が当てはまるならば意味をなさないかもしれませんが・・・もっと知識のある人ならいい意見が出せるかも。-Butterfly22 私も同じように考えていました。数唱よりも語音整列の方がいいスコアを示しているような同様のアセスメント事例がおかしいのはなんでかなって。-Miriam 数唱が高くて語音整列が低い場合は、並べ替えなどの操作が入ると難しいのかなと推測できるけど、逆の場合はなんだろう。 数唱は基本的にはワーキングメモリーのタスクだけど、語音整列は、上の人が言ってるみたいに、もっと複雑だ。より心的に柔軟でないといけないし、情報の保存/再生の能力だけでなくて...

レイの複雑図形(ROCF)とは?高次脳機能障害や発達障害への評価と臨床応用

  レイの複雑図形(Rey-Osterrieth Complex Figure, ROCF)は、視空間構成能力および視覚的記憶を評価するために使用される神経心理学的な検査です。この検査は、視覚的に提示された複雑な図形を模写し、その後再現することで、被験者の視覚記憶や計画、組織化能力、遂行機能を評価します。以下に、ROCFの概要、高次脳機能障害および発達障害への評価と臨床応用について詳述します。 1. ROCFの概要と評価方法 ROCFは、もともとアンドレ・レイ(André Rey)によって開発され、その後、オステリアス(Paul Osterrieth)によって改良されました。検査は以下の手順で行われます。 模写フェーズ : 図形を見ながら模写します。この段階では視空間構成能力や手順の計画能力が評価されます。 即時再生フェーズ : 図形を隠した後、記憶に基づいて図形を再現します。この段階では視覚的短期記憶が関わります。 遅延再生フェーズ : 30分後に図形を再び再現します。これにより、長期的な視覚記憶が評価されます​ Okayama University Library 。 評価方法としては、Osterrieth法やBoston Qualitative Scoring System(BQSS)などがあります。BQSSは図形の構成要素を複数のカテゴリに分類し、それぞれの精度をスコアリングすることで、模写や再生時の認知戦略や遂行機能の評価を行います​ Okayama University Library 。 2. 高次脳機能障害への臨床応用 ROCFは高次脳機能障害(例: 脳卒中、外傷性脳損傷、認知症など)の評価において有用です。模写や再生の精度が低い場合、以下のような障害を示唆することがあります。 視覚的記憶障害 : 図形の再現時に主要な形状が欠落していたり、位置が大きくずれている場合。 遂行機能障害 : 模写フェーズで計画性が欠け、部分的な描写に留まる場合や、構成が乱れている場合。 注意障害 : 主要な要素を無視したり、同じパターンを繰り返し描画する保続現象が見られる場合​ JSchild 。 これらの評価は、リハビリテーションや介入プログラムの設計に役立つ情報を提供します。 3. 発達障害への評価と応用 発達障害(例: 自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害...