若い頃に自殺企図した人は後に心臓疾患になりやすい?

6/09/2016

自殺 心理学

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アメリカ心理学会のサイトで読んだ研究のレポート。

「10代の頃の自殺企図はその後の人生での心臓疾患を予測する」
Study: Facing Suicide Attempts as a Teenager Could Predict Heart Disease Later in Life

思春期・青年期の自殺の試みは、premature heartのリスクと関連しているだろうとのことです。
辞書を引くと、premature heart diseaseに「若年性心疾患」といった意味があるよう。

自殺しようとすると、心臓に負担がかかるということでしょうか?

自殺しようとしたことのある、あるいは自殺を試みた人が身近にいるティーンエイジャー(とくに男子)は、20代になってからの心臓疾患のリスクが上昇するということが、アメリカ心理学会に公刊された調査でわかったとあります。

自分だけじゃなくて、身近な人が自殺しようとしても?
なぜに男子?




8000人を対象とした、1994年から13年間に渡る調査で、次のような傾向が明らかになりました。

  • ティーンエイジャーの頃に自殺企図がある若い男性成人は、高血圧や全身の軽度の炎症が見られることが多い。
  • 身近な人が自殺を試みたことのある若い成人女性には、高血圧と肥満が見られやすい。

「自殺企図後のフォローアップ研究で、身体的健康にはあまり注目されてきませんでした。一般的に、自殺はメンタルヘルスの問題だと考えられていますが、若い人たちにとって、潜在的な身体的健康問題のサインでもあるのです」と研究を行ったリリー・シャナハン博士が述べています。

身体的な健康問題に加えて、若い頃の自殺の試みは、スティグマや社会的孤立、不健康な習慣、教育・仕事でのより低い達成といったことにもつながるとのことです。

自殺企図そのものが、心臓疾患を引き起こすというわけではなく、自殺企図につながるようなサポートの弱さや、社会的な孤立が身体的健康に影響しているということなのでしょうね。


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