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ギャンブル依存の人の25.2%がADHDなのだそうです。


「ADHDとギャンブル障害の関連性」
Association of attention-deficit/hyperactivity disorder with gambling disorder


ADHD(注意欠陥多動性障害)があると、他の精神疾患や生活上の問題のリスクも増えるということには多くのエビデンスがあります。

この研究では、ADHDとギャンブル障害の関連性が調べられました。

163名のギャンブル障害の対象者が、子どもの頃、そして現在、ADHD(やその他の精神科的な疾患)をもっていた(もっている)かということを調査しています。


その前に、ギャンブル障害(gambling disorder)について。一般的には、「ギャンブル依存症」と呼ばれることが多いと思います。DSM5からこの名称になりました。

ギャンブラーズ・アノニマスの20の質問

ギャンブラーズ・アノニマス日本のサイトにある「20の質問」を見てみましょう。

  1. ギャンブルのために仕事や学業がおろそかになることがありましたか?
  2. ギャンブルのために家庭が不幸になることがありましたか?
  3. ギャンブルのために評判が悪くなることがありましたか?
  4. ギャンブルをした後で自責の念を感じることがありましたか?
  5. 借金を払うためのお金を工面するためや、お金に困っているときに何とかしようとしてギャンブルをすることがありましたか?
  6. ギャンブルのために意欲や能率が落ちることがありましたか?
  7. 負けた後で、すぐにまたやって、負けを取り戻さなければと思うことがありましたか?
  8. 勝った後で、すぐにまたやって、もっと勝ちたいという強い欲求を感じることがありましか?
  9. 一文無しになるまでギャンブルをすることがよくありましたか?
  10. ギャンブルの資金を作るために借金をすることがありましたか?
  11. ギャンブルの資金を作るために、自分や家族のものを売ることがありましたか?
  12. 正常な支払いのために「ギャンブルの元手」を使うのを渋ることがありましたか?
  13. ギャンブルのために家族の幸せをかえりみないようになることがありましたか?
  14. 予定していたよりも長くギャンブルをしてしまうことがありましたか?
  15. 悩みやトラブルから逃げようとしてギャンブルをすることがありましたか?
  16. ギャンブルの資金を工面するために法律に触れることをしたとか、しようと考えることがありましたか?
  17. ギャンブルのために不眠になることがありましたか?
  18. 口論や失望や欲求不満のためにギャンブルをしたいという衝動にかられたことがありましたか?
  19. 良いことがあると2・3時間ギャンブルをして祝おうという欲求がおきることがありましたか?
  20. ギャンブルが原因で自殺しようと考えることがありましたか?

このうち7つ以上当てはまれば、「強迫的ギャンブラー」である可能性が高いとのことです。

DSM-5によるギャンブル障害の診断基準 


DSM-5 によるギャンブル障害の診断基準は次の通り

A.臨床的に意味のある機能障害または苦痛を引き起こすに至る持続的かつ 反復性の問題賭博行為で、その人が過去 12 カ月間に以下のうち 4 (またはそれ以上)を示している。


1 興奮を得たいがために、掛け金の額を増やし賭博をする欲求。 
2 賭博をするのを中断したり、または中止したりすると落ち着かなく なる。またはいらだつ。 
3 賭博をするのを制限する、減らす、または中止したりするなどの努 力を繰り返し成功しなかったことがある。 
4 しばしば賭博に心を奪われている(例: 過去の賭博体験を再体験す ること、ハンディをつけること、または次の賭けの計画を立てるこ と、賭博をするための金銭を得る方法を考えること、を絶えず考え ている)。 
5 苦痛の気分(例: 無気力、罪悪感、不安、抑うつ)のときに、賭博 をすることが多い。 
6 賭博で金をすった後、別の日にそれを取り戻しに帰ってくることが 多い(失った金を深追いする)。 
7 賭博へののめり込みを隠すために、嘘をつく。 
8 賭博のために、重要な人間関係、仕事、教育、または職業上の機会 を危険にさらし、または失ったことがある。 
9 賭博によって引き起こされた絶望的な経済状態を免れるために、他 人に金を出してくれるよう頼む。 

B.その賭博行為は、躁病エピソードではうまく説明されない。

ギャンブル障害の程度

 軽度: 45 項目の基準に当てはまる。 
中等度: 67 項目の基準に当てはまる。 
重度: 89 項目の基準に当てはまる。

ADHDとギャンブル障害の関連性

論文に戻ります。
調査の結果、対象者のうち28.8%がこれまでの人生でADHDの症状を体験していました。また25.2%の人が、現在でもDSM-5のADHDの診断基準に合致していたのです。

さらには、現在ADHDのあるギャンブル障害の患者は、物質使用障害や適応障害、そしてクラスターBのパーソナリティ障害(ボーラーラインや反社会性パーソナリティ障害)などを併発する割合が高いということが明らかになりました。

加えて、ADHDをもつギャンブル障害の人のほうが、自殺を試みることが多いのだそうです。

ADHDのないギャンブル障害の人と比べて、ADHDをもつ人たちは、ギャンブルに費やす時間がより長時間に渡ること、ギャンブルの鎮静効果、より早いギャンブル障害の発展などを報告しました。




なんとなく観てしまった短編映画。

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