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マインクラフトが自閉症の子供の助けになる7つの理由

マインクラフトが自閉症スペクトラムの子供の助けに

Minecraft helps kids with autism build richer lives | cnet
「マインクラフトが自閉症をもつ子供が豊かな生活を築く手助けをしてくれる」
子供たちはみんなマインクラフトで新しい世界を作ることに夢中になる。けれども、自閉症スペクトラムをもって暮らしている子供たちにとって、マインクラフトは、学校生活を送り、健康な社会的生活を築く方法も提供してくれる。
関心を惹かれたので読んでみました。

まず動画を見てみました。3分弱。オーストラリアの学校で、自閉症スペクトラムの子供たちが、協力やコミュニケーションを学ぶためのツールとしてマインクラフトを活用しているとのことです。



マインクラフト(minecraft)とは、日本でも子供たちに流行っているゲームです。3Dのレゴ風のブロックで構成された世界で、最近のゲームのリアルなグラフィックと比較すると、レトロな雰囲気です。ブロックでできた世界を自由に探検したり、採掘して、自由に物を組み立てることができます。

自閉症スペクトラムのHamish Ellem君(11歳)は、マインクラフトを始める前は両親曰く図書館で「目的もなくうろうろしている」ような子でしたが、今ではマインクラフトに集中して取り組むようになり、ゲームのなかで何かをつくるためにたくさんの本を読んだり、考えたりしているとのことです。


なぜマインクラフトが効果的なの?


なぜ、自閉症スペクトラムの子供にマインクラフトが効果的なのでしょうか?

「視覚的なフォーマットの情報と構造や、ある程度の予測可能性を与えてくれる」ことが、自閉症スペクトラムの子供を混乱させずに、課題に取り組みやすくしてくれるという理由が挙げられていました。

また、マインクラフトは「現実の世界の、より理解しやすいヴァージョン」を生徒に提供してくれるのだといいます。

自閉症スペクトラムの子供は、社会性やコミュニケーションの難しさをもっています。マインクラフトが提供する環境で、生徒たちは、コミュニケーションを学んだり、明確なゲームのルールのなかで遊ぶといったような社会的な相互作用をうながされます。

マルチプレイヤーモードで子供たちがいっしょに遊ぶときには、お互いに会話して、アイデアや計画をシェアする方法を学ばなくてはならないのです。マインクラフトで学んだことを、実際の生活でも応用することができるようになるのだとのことでした。


自閉症の子供がマインクラフトが大好きな7つの理由

7 Reasons Kids with Autism Love Minecraft
この記事では、児童心理学者のRandy Kulman博士が、自閉症の子供たちがマインクラフトを愛する7つの理由を挙げています。実際に子供たちに「マインクラフトのどこが好きなの?」と聞いてみたようですね。

決まりがない

マインクラフトには、これをしなければいけないといった決まりはありません。好きな物を自由に作ることができます。自閉症の子供が一般的には繰り返しやルールを好むということを考えるとこれは興味深いことだ、とKulman博士は書いています。

簡単に始められる

簡単な物を作ることから初めて、徐々に複雑な物の製作へと移っていけるので、子供は自分のペースで取り組むことができます。課題に圧倒されることなく、ちょっとずつ成功体験を積み上げることができるのがいいようです。

リアルだけど現実じゃない

マインクラフトは現実世界と同じようなロジックにしたがっているけれど、よりあつかいやすく、変えやすい。

ほしいものは何でも作ることができる

他の多くのゲームのようにストーリーにそって何かしなきゃいけないのではなくて、好きなものを好きなように作ることができるというのも、マインクラフトの魅力です。

自分の興味関心のままにできる

どこにこだわったっていいという自由度があるゲームだってのも、マインクラフトが好まれる理由のようです。自閉症スペクトラムの人で、あまり一般的ではないことに熱中して詳しくなることがありますが、マインクラフトはそうした好奇心を満たしてくれるゲームのようです。

マインクラフトは寛大だ

マインクラフトのなかでは「失敗する」ということはない。サバイバルモードで「殺される」ことはあっても、すぐに再開できるし、クリエイティブモードで遊べば、作った物を誰かに壊されたり、変えられたりすることもない。

誰かに物をめちゃくちゃにされたりしない

自分の世界や創作物をちゃんとコントロールできるという感覚がもてるし、誰かにめちゃくちゃにされたり、からかわれることもないのがいいとのことです。

箱庭療法に似てる

マインクラフトは「サンドボックス型のゲーム」というジャンルに分類されていますが、箱庭療法(サンドプレイセラピー)に似たところがあるのだなと思います。

箱庭療法
箱庭療法と同じく、マインクラフトでも「自由にして守られた空間」(だっけ)が提供されるということなんでしょうね。

A Girl With Mild Autism Uses Minecraft To Cope When She's Overwhelmed. Here's The Kingdom She Built.
「軽度の自閉症をもつ少女が、圧倒されたときの対処法としてマインクラフトを使う:彼女が築いた王国」

この記事では、どんな世界を作ったかという写真を見ることができます。こうした秩序だった世界を作ることで、安定を取り戻すのでしょうね。

How Minecraft is helping kids with autism
BBCでも、マインクラフトが自閉症の子供の支援になるということが取り上げられてました。動画つき。「自信がもてるし、友だちもできる」のがいいと自閉症の子供が言ったと書かれています。



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