PTSDの早期介入の効果ー長時間暴露療法と認知療法

4/13/2016

トラウマ 心理療法 精神医学 認知行動療法

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「早期治療は助けになるが、PTSDの影響は残り続けるだろう」
Early Treatment Helps, but Effects of PTSD May Linger|PsychCentral

The Journal of Clinical Psychiatry誌に投稿された研究によると、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の患者の多くは、早期治療によって回復するが、それにもかかわらず、トラウマ的事件の後、何年にも渡って苦しむことがあるとのことです。

研究では、単回性のトラウマ的出来事の後、PTSDを患った個人(非軍人)のいくつかのグループが検証されました。232人が対象となり、12週間に渡って調査されたのです。

参加者は、長時間暴露療法、認知療法、SSRI、プラセボなどのいずれかの治療を受けました。治療を拒んだ人々もフォローされたそうです。5ヶ月ごと36ヶ月後にも再びアセスメントされました。


それによると、長時間暴露療法と認知療法を受けたグループは、5ヶ月後、症状が大きく回復していました。他のグループと比べて61%も良かったとのことです。

三年後にアセスメントしたときにも彼らの症状は低いままでしたが、興味深いことに、治療を拒んだ人たちも含めた他のグループの症状も、三年後には同じくらい低いレベルに落ちついていたのです。

つまり、早期に長時間暴露療法や認知療法を行なうことは、回復を早めるけれど、三年後のPTSDの残存症状のレベルは、あんまり変わらないということです。

自然回復で説明できるだろうと書かれていました。単回性のトラウマ的出来事の後、ある程度、安全な環境に暮らしていれば、自然回復が期待できますが、そうでない過酷な環境に置かれ続ける人々への支援が大切だろうと。


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