たったひとつの質問でその人の性格を簡単に読み取る方法

How To Instantly Read Someone’s Personality With One Question|PSYBLOG

どんな質問だろうと思って読んでみました。

One type of question can indirectly reveal a lot about a person’s personality.
「ひとつのタイプの質問が、間接的にその人のパーソナリティについてたくさんのことを明らかにしてくれる」とのサブタイトルがあります。

その質問とは、

「あの人のこと、どう思います?」

だそうです。

他の人のことをどう考えているかを尋ねると、その人自身のパーソナリティについてとてもよくわかると書かれていました。その理由は、人が他人のなかに見るのは、多くは自身の性質だからだといいます。


もとになる研究がちゃんとあるようです。

Perceiver effects as projective tests: What your perceptions of others say about you. By Wood, Dustin; Harms, Peter; Vazire, Simine
Journal of Personality and Social Psychology, Vol 99(1), Jul 2010, 174-190.
「投映法テストとしての知覚者効果:あなたが他人をどう見るかということは、あなたについて教えてくれる」

こちらで全文読めました(pdf)。読んでないけど。

ようするに、人の悪口ばっかり言ってる人は、自分も否定的に見がちだということでしょうか。

調査では、他人をネガティブにとらえる人は、抑うつやパーソナリティ障害の傾向が強いことが明らかになったようです。また、他人を批判する人ほど、自己愛や反社会傾向が高いとのこと。

逆に、他人をポジティブにとらえる人ほど、より幸福で人生に満足しているのだといいます。

というわけで、あまり人を批判せずに、いいとこ見つけようとするほうが、自らもハッピーになれるよってことですね。

エニアグラム タイプ診断簡易テスト

ついでに、ひとつかふたつの短い性格テストってないものかと探してみたら、「エニアグラム タイプ診断簡易テスト」がヒットしました。
前にもどこかで見かけたことがあります。

[質問I]
A.欲しいものは遠慮しすぎずに確実に手に入れる。
B.自分と周囲とのバランスを大切にする。
C.つい自分の中の世界にひたりがちになる。

[質問II]
D.楽観的すぎて問題になることがある。
E.冷静沈着で合理的な人と思われる。
F.気持ちを発散したら、気がおさまる。

上のふたつの質問から、それぞれ自分に当てはまると思うものを直感的に選び、その組み合わせでパーソナリティを判断するのだそうです。

詳しくは、C+F研究所のサイトを。

エニアグラムって、標準化されているわけではなさそうなので、あくまでこんなのもあるよというくらいで。

一つだけの質問による心理学(psycology of single questions)

だらだらと「ひとつだけの質問」でウェブサーフィンしていてたどりついたのが「一つだけの質問による心理学」。

ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーが1979年に行なった、人々の選択に関する実験です。

どこかで読んだことがあるのですが、すっかり忘れていたので、wikipediaから引用してみます。次のような質問。
質問1:あなたの目の前に、以下の二つの選択肢が提示されたものとする。
選択肢A:100万円が無条件で手に入る。
選択肢B:コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない。
質問2:あなたは200万円の負債を抱えているものとする。そのとき、同様に以下の二つの選択肢が提示されたものとする。
選択肢A:無条件で負債が100万円減額され、負債総額が100万円となる。
選択肢B:コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら負債総額は変わらない。
ずいぶん前に「究極の選択」というのが流行りましたが、それに似ているかもしれない。

実験の結果、質問1では確実な「選択肢A」を選ぶ人の方が圧倒的に多かったのです。まあ、自分でも「選択肢A」を選ぶと思います。ギャンブルするよりは、確実に100万円が手に入るほうがいいですよね。だれか、100万円ください。

ところが、質問2では、ギャンブル性が高いにもかかわらず「選択肢B」を選ぶ人のほうが多いのです。

目の前に利益があると、その利益が手に入らないというリスクを回避したがる。
損をするかもしれないという状況が目の前にあると、損失を回避しようとする傾向があるということです。

カーネマンらのこのモデルは、プロスペクト理論と名づけられています。

【心理学】プロスペクト理論を使って彼にプロポーズさせる方法

という記事も見かけましたが、これが正しい応用の仕方なのかどうかはよくわからない。

超短縮版尺度

「心理学ワールド」に掲載されていた、
心理テストは信用できるのか(pdf)
では、超短縮版尺度がいくつか紹介されていたので、探してみました。

たとえば、
Single-Item Self-EsteemScale(SISE; Robins, Hendin& Trzeniewski, 2001)
という自尊心を測る尺度の質問項目は、
I have high self-esteem.
Not very true of me 1 ----2 ----3 ----4 ----5 ----6 ----7 Very true of me.
だそうです。

ちなみに、
Single Item Narcissism Scale
の質問項目は
I am a narcissist.
だって。

なんだか意外性だとかありがたみというか奥深さ(ってなんだ?)がなさそうな感じではありますが、こういうのも、ちゃんとした研究になるというのが面白いですね。

エニアグラムのほうがうけるんじゃないかという気もしますけれど。


まとまりないですが、このあたりで。

あ、よかったら次もどうぞ。

初対面でも1時間で恋に落ちる36の質問ー親密さを誘発する社会心理学の実験(そして谷川俊太郎の33の質問も)