悪夢と精神病理の深さはどのように関係しているか?
メンタルヘルスに何らかの問題を抱えている人は、悪夢をよく見るということは経験的によく知られています。
しかし、精神科に通院している人々と悪夢との関連はあまり分かっていません。
「多様な精神科症例における悪夢障害、精神病理の深さ、そして対処」
Nightmare Disorder, Psychopathology Levels, and Coping in a Diverse Psychiatric Sampleという論文では、さまざまな精神疾患をもった人たちが、悪夢障害を併発してそれに苦しんでいる場合、症状を悪化させているかどうか、また、異なった対処スタイルをもっているかどうかということを扱っています。
悪夢と精神病理
被験者となったのは中程度から重度のさまざまな精神疾患を抱えた498人の患者です。標準的なアセスメントの手続きの一部として、彼らは悪夢と精神病理、パーソナリティ病理、および対処法についての質問紙に回答することを求められました。その結果から分かったことは、悪夢障害をもっている患者は、より重い精神病理とパーソナリティ病理を示すということです。
対処方略に関しては、有意な差は見つからなかったとのこと。
悪夢の男女差
How to Avoid Nightmares and Bad Dreams to Get More Restful SleepというHuffingtonpostの記事では、モントリオール大学で行なわれた悪夢に関する研究(*)のことが紹介されていました。
253の悪夢(night mare)と431の悪い夢(bad dream)が調べられたそうです。悪夢とバッドドリームの違いってなんでしょうね。
悪夢は、身体的に攻撃されたり、危険な目に遭う夢のようです。
バッドドリームというのは、どうやら人間関係の葛藤などで悩まされる夢を指しているらしい。
研究によると、男性の悪夢は、自然災害や戦争といったテーマが多く、女性の場合は人間関係の葛藤がよく夢に出てくるといった傾向が明らかになったようです。
男の子向けのテレビアニメと、女の子向けのアニメの違いと同じなんでしょうね。
悪夢の原因は?
Huffingtonpostの同じ記事では、不安やストレス、トラウマ、うつ病などが悪夢に影響しているとありました。また、メディアで災害や戦争などの映像を見ることや、暑すぎる寒すぎるといった環境因、抗うつ薬や睡眠薬といった薬物なども、悪夢につながる可能性があるとのことです。悪夢と性格
人間不信や疎外感が強いといった性格の人も、慢性的な悪夢を体験することが多いという研究も紹介されていました(*)。パーソナリティの境界が薄く、よりクリエイティブな人ほど、悪夢に敏感だそうです。
もうひとつの興味深い研究(*)では、政治的に保守的な人はリベラルな人と比べて悪夢を多く報告するし、より怖い内容を見ることがわかりました。でも、夢を思い出すのはリベラルな人のほうが多いんだとのこと。なんでこんな違いが出るんでしょうね。
悪夢を止めるには
では悪夢を見ないようにするにはどうしたらいいのでしょう。睡眠環境や睡眠習慣を整えるといったことは基本ですが、それに加えて、「悪夢の内容を書き出す、あるいは人に話す」とか「日中のストレスに対処する」といったことが紹介されていました。
PTSDの症状として悪夢を見る帰還兵が、テレビゲームをすることで悪夢の怖さや受け身的なところが減ったという研究も紹介されていました。
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