大事な発表の前とか、あるいは誰かとぎくしゃくしたとき、不安を感じることがありますよね。英語では、心配や不安でどきどきしている状態を指すのに、have butterflies in one’s stomach(胃の中にチョウチョがいる)なんていう表現があるそうです。なんだか面白い表現ですね。 不安は誰しも体験することですが、ときには不安によって圧倒されて、仕事や生活、人間関係に支障がでることもあります。では、不安に対処し、やわらげるには、どうしたらいいのでしょうか? 不安について学ぶ 不安とは? 不安に対処するためには、まず不安について知る必要があります。 不安(anxiety,uneasiness)とは、何かに脅かされているという感情です。「恐怖」という場合は対象がはっきりしていますが、「不安」というときにはより漠然としていることが多いようです。何かが気がかりで、落ちつかない。あるいは何か危険なことが起きそうだと警戒している心の状態ですね。 不安を意味するドイツ語Angstということばは、語源をさかのぼると「せまいところ」「当惑や狼狽」「呼吸が短いこと」などを意味しているそうです。 不安について、いくつか知っておいた方がよいことをあげてみます。 不安を抱くのは普通のことです。誰だって不安になることはあるし、それはノーマルなことなのです。 不安は適応的です。不安は、私たちに危険を知らせてくれます。また、不安があるから、がんばって準備して成果をあげようと努力もするわけです。 不安は危険なものではありません。不安そのものがあなたを傷つけたり、危険にさらすわけではないのです。不安は、あなたを危険から守るためにあります。 不安はいつまでも続きません。時がすぎれば、次第に減っていくものです。 不安は火災警報装置のようなものと考えてみるとわかりやすいかもしれません。煙や炎を探知して火事を知らせてくれる警報装置は、私たちを火事から守ってくれる働きをしています。ところが警報装置が敏感すぎるとどうなるでしょう? 秋刀魚を焼いたり、煙草を吸うたびにブザーが鳴って慌てるようだと、ちょっと困りますよね。そんなときには、警報装置の感度を少し落とす必要がありそうです。 不安と身体反応 不安を感じているとき、あなたの身体は、闘うか逃げるか、...