心理的リアクタンスとあまのじゃく

公開日: 11/07/2016 心理学

海辺で逆立ちする男(心理的リアクタンス)

心理的リアクタンスとは、自由を脅かされたときに抵抗したくなるような動機を意味する心理学用語です。

リアクタンス(reactance)とは、「抵抗」というような意味の言葉です。

例えばお母さんから「ほら、明日から中間テストでしょ! ちゃんと勉強しなくちゃ!」と小言をいわれて、「今やろうと思ってたところなのに! そんなこと言われて、やる気なくなったわ!」なんて感じたことはないでしょうか?

心理的リアクタンスとは、こんなふうに上から目線で説得されたときに「自由が奪われた」と感じて抵抗する=説得されたのとは逆の方向に態度を変えるといったことを表しています。

人は、誰しも自分の行動や選択を自由に決めたいという欲求をもっています。

その自由が脅かされると、自由を取り戻したくなるのです。「失われた自由、あるいは失われそうな自由を回復・確保しようとする動機」を心理的リアクタンスと言います。

ブーメラン効果

こういう現象を「ブーメラン効果」と呼ぶこともあります。

あからさまに説得されると、かえって反発されるということは、日常生活でもよくあることです。

営業マンなら、あと一歩というところまで説得したのに(あるいは説得したから)、最後になって「やっぱりやめときます」とひっくりかえされるという経験をしたことがあるでしょう。

ブーメランのように反対方向に転換するからこう呼ばれているのですね。

恋愛と心理的リアクタンス

恋愛においても、ブーメラン効果、あるいは心理的リアクタンスから説明できることがあります。

親に強く反対されている恋が、余計に燃え上がるというのもそうです。ロミオとジュリエットのような状況ですね。

好きな人を口説こうと思ったら、押してばかりだと逆効果かもしれません。
相手が「自由を奪われた」と感じると、反発されるのです。

逆に「ツンデレ」なんていうのは、冷たくされるとよけいに気になるという意味で、心理的リアクタンスを上手に使っている例と言えるでしょう。

心理的リアクタンスを測る心理テスト

自由をうばわれそうになって反発するか、それとも大人しく従うかは、人によっても違うでしょう。
あまのじゃくな人は、「こうすれば」と言われたことにことごとく反対することでしょう。
そこまでいかなくても、自立心の強い人は、できるだけ自分の自由意志でものごとを選択したいと感じると思います。

心理的リアクタンスの度合いを測定するための尺度も開発されているようです(リアクタンス特性尺度の検討)。

ここではいくつかの質問項目だけ、抜粋してみます。

  • 他者からの激励に対し反感を覚える
  • 他者からのアドバイスを押し付けがましいと思う
  • 他者から何か言われると逆のことをしたくなる
  • 助言されても大抵反対のことをする
  • 明白なことを指摘されるとイライラする
  • 自由に意思決定ができないと腹が立つ
  • 自分がどう行動するかを人に決められるのは嫌だ
  • 何かを禁止されると返ってそれをやりたくなる

いかがでしょう?

たくさん当てはまる人は、きっとあまのじゃく、というか、心理的リアクタンスが強い人なのでしょう。

反対する人が多いと頑固になるという実験

反対者が多いと頑固になる:実験で確認|WIRED
によると、自分と意見を異にする人が多いときの方が、考えを変えにくくなる場合があるということが実験で確かめられているそうです。

アメリカのHewlett-Packard(HP)社のソーシャル・コンピューティング研究部門に属する心理学者たちが行なったこんな実験です。

数百人の被験者たちに、ふたつの家具のどっちがいいかを尋ねます。
しばらくしてから、同じ選択肢を呈示し、ふたたびどっちを選ぶかを聞きます。
そのときに、被験者が選んだのとは違う家具を好む人の人数を伝えるのです。

たとえば、
「あなたはAがいいって言うけど、30人の人がBの方がいいと言ってるよ」
という感じでしょうか。

実験の結果、その人数が多いほど、人は自分の最初の選択に固執する傾向があるとわかったのです。

「100人が違うよ、Bだよと言ってますけど?」

なんて言われると、心理的リアクタンスが働いて、

「いいえ、私はAがいいと思います」

と主張するのです。

心理的リアクタンスの反対の概念に、「同調圧力」というものがあります。

少人数のときには、同調圧力が働いて、「みんなと同じ選択にしておこう」と考える傾向が強いとHP社の心理学者たちは考えているようです。

カリギュラ効果

心理的リアクタンスと似たような意味の言葉に、「カリギュラ効果」というものもありましたね。

ダメと禁じられるほど、やってみたくなるという心理を表しています。

『カリギュラ』という1980年の映画が、あまりに過激だということで公開禁止となり、それでかえって人々の注目を集めたという出来事に由来しているそうです。

Youtubeなどで”Caligula 1980”で検索すると、トレイラーなどを観ることができます。

鶴女房などの「見るなの禁止」も、カリギュラ効果と言えるでしょう。





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