たまたまうつ病の病前性格・心因・状況因を読んでいたら、
類型論的病前性格研究は,メランコリー型 性格者がインクルーデンツ,レマネンツ的状況のなかで内因性うつ病を発症させていくこ とを繰り返し指摘してきた.
とあって、「インクルーデンツ」「レマネンツ」ってなんだったっけ? 昔、聞いたことある気がするけど、と思ったので調べて記します。

インクルーデンツ(インクルデンツ)

うつ病の病前性格として知られているメランコリー親和型の人は、責任感が強くて秩序を重んじる、他人とは協調してぶつからないようにするといった性格特性が知られています。

インクルデンツとは、「封入性」というような意味で(よくわからんね)、「変化に弱い」というくらいのことを指しているらしい。

Inkuludenz(独)
英語では、include=含む
ですね。

「封入」というのは、その人の持っている「秩序」とか「ルール」のなかから抜け出せないってことなのだそう。
だから、新しい状況になってもこれまでのやり方を変えられず、ストレスが増大して鬱になりやすい。

レマネンツ

レマネンツとは「負目性」という意味だそう。
「時間的に遅れを取ってしまった」という負目、あるいは「やるべきだったことができなかった」という感情を指しています。あれだね。「後の祭り」「祭りの後(ante festumだっけ)」ですね。

remanent
って英語では「残留している」といった意味ですね。
ドイツ語ではRemanenzか。

精神病理学の本などで読んだことがあるなあとうっすらと思い出して、検索してみたらこの本でした。

テレンバッハ『メランコリー』



みすず書房のサイトの本書の目次に、
IV 内因性メランコリーの病因論
1 状況心理学について
2 「インクルデンツ」の布置
3 「レマネンツ」の布置
という項目がありました。

多分、昔、図書館で借りてパラパラめくって、また閉じたんだと思います。
「読んだつもり」の本ってたくさんありますね。

今度はちゃんと読んでみよう(でも公認心理師の試験にはまず出題されないでしょう)。