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ホロウマスク錯視が統合失調症を予測する


「統合失調症を予測する視覚的錯覚」(Optical Illusions That Predict Schizophrenia)という記事を読むと、統合失調症の人はそうでない人と比べると錯視錯覚にだまされないということが書いてありました。

統合失調症は、幻覚や妄想など、「現実をゆがめて知覚する」病気だと考えられていますが、ある種の視覚的錯覚に対してはあまり反応しないのです。

いくつかの錯視が挙げられていましたが、たとえば「ホロウマスク錯視」と呼ばれる錯視があります。

次の動画を見てください。



こんなふうに、仮面の裏側の凹が、凸面の顔に見えてしまう錯視です。
「こっちは裏側のはずだ」と頭では分かっていても、やっぱり凸面に見えてしまいます。その瞬間、回転方向まで変わって見えますね。

「人間の顔はでっぱっているものだ」という無意識的推論が働いているのでしょうか。

ところが統合失調症の人にはこの錯視が起こらない(起こりにくい)ということが知られています。

他にも「チャブ錯視」や、有名な「ミューラー・リヤー錯視」なども、統合失調症の人は反応しにくいのだそうです。

チャブ錯視とは、「主観的コントラストが周辺部に依存して知覚される」ような錯視です。


中央の円の色は左右同じなのですが、違って見えますね。

調べてみたらすでに何年も前にwiredなどで取り上げられていました。

仮面の裏側が見える人・見えない人:「ホロウマスク錯視」研究
によると、
健常者が凹面の顔を見ているときには、トップダウン処理に関与する前頭頭頂ネットワークと、目から情報を受け取る脳の視覚野との間で結びつきが強くなった。一方、統合失調症患者にはそのような結びつきの強化はみられなかった。
とのことです。

健常者の脳はこの結びつきが強まることで自らの予想する視覚(つまりふつうの顔)が見えるように処理しているが、統合失調症患者はこの脳の回路をうまく調整できないので、凹面の顔を現実そのままに受け入れていると考えられています。

統合失調症の人のロールシャッハ・テストの反応なども、こうした錯視への感度の違いから説明できるところもあるのかもしれません。


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