スキップしてメイン コンテンツに移動

サチリアージス(男子色情症)とサテュロス【語源を調べてみた】

男子色情症あるいはサチリアージスとは、男性の性欲が異常亢進した状態。
ギリシャ神話のサテュロス(Satyros)が語源とのこと。
サテュロスは、ギリシャ神話に登場する下半身が山羊の半人半獣の精霊で、ローマ神話の森の精霊ファウヌスや、ギリシャの牧羊の神パーンとも同一視されていたそうです。

自然の神であり、「欲情の塊」と見られていました。

ウィリアム・アドルフ・ブグロー作『ニンフとサテュロス』(1873年)

ディオニューソスというお酒や集団的狂乱の神様の仲間で、同じように乱痴気騒ぎが好きな精霊のようです。ブグロー作の『ニンフとサテュロス』という作品にも、そうした光景が描かれています。

1人の名前というわけではなく、サテュロスの種族というのがいるのですね。

マルシュアースという名のサテュロスは、アポローンと音楽の腕を競って破れてしまい、罰として生きながら全身の皮を剥がれて死んだそうです。

半分山羊の姿で、角が生えたサテュロスもいて、後のキリスト教世界では悪魔やサバトのイメージにつながっていきました。

さて、サテュロスが語源のサチリアージス(男子色情症)。

19世紀に精神科医のクラフト・エビングがHypersexuality(性行動亢進)について書いているそうです。
ドンファン症候群と呼ばれたり、あるいは女性の場合はニンフォマニアといった名称もあります。

WikipediaのHypersexualityの項目をちらりと読むと、性行動亢進自体が主な状態として見られることもあれば、クリューヴァー・ビューシー症候群 (Kluver-Bucy syndrome:脳の扁桃体の損傷、障害に起因する行動障害)や双極性障害に伴うこともあるとのこと。また、ある種の薬物療法やホルモン療法の副作用として性行動亢進が生じることもあります。

 性依存などの依存症(アディクション)として理解され、治療の対象となることもあります。

最近ニュースでよく見る言葉だったので、調べたことをメモしてみました。


---
追記
「サチリアージス」というキーワードは、この度は、高畑裕太容疑者の事件との関連でたくさん検索されています。キーワードプランナーを見ると、月間平均検索件数は720件ですが、2016年3月だけ6600回と突出しています。
そのころに何か関連の事件があったかと、期間をしていして調べてみたら、例の「美人タレント女医」の一件でした。
「典型的なニンフォマニアの症例です。日本では異常性欲の色情症と訳されますが、気分障害の一種で、そう状態の際に過剰な性交を求めたり、自慰行為を頻繁に繰り返したりします。男性の場合は、サチリアージスといいます」(精神科医)経験男性800人…タレント女医・脇坂容疑者の“異常性欲”


【関連文献はこちら】
性依存症のリアル
性依存―その理解と回復
セックス依存症―その理解と回復・援助
性依存症の治療―暴走する性・彷徨う愛


【よろしければこちらもお読みください】
ギャンブル依存の人の25.2%がADHDなのだそうです。

ようするに自意識過剰? スポットライト効果、あるいはバリー・マニロウ実験と人の目を気にしない方法

アスペルガー症候群と高機能自閉症の成人における恋愛関係と満足感




コメント

このブログの人気の投稿

果物に例える恋愛心理テスト「フルーツバスケット」で本音がわかる?

簡単な恋愛心理テスト「フルーツバスケット」 「フルーツバスケット」という簡単でおもしろい心理テストのことを聞きました。 「心理テスト」というよりは「心理ゲーム」と呼んだ方がいいですね。 こんなゲームです。 【問】 あなたの目の前に、フルーツバスケットがあります。バスケットには、リンゴ、バナナ、ぶどう、みかん、イチゴ、キウイが入っています。5種類のフルーツを、それぞれ身近な異性にあてはめてみてください。 リンゴ= バナナ= ぶどう= みかん= イチゴ= キウイ= さて、いかがでしょう? 何人かにあらかじめ聞いておくと、後で比べられて楽しいです。

数唱と語音整列の乖離は何を意味しているか?

WAISの数唱と語音整列について、この二つに乖離があったらどう解釈されるんだろうかと思って調べてみたメモ。どちらも作動記憶(ワーキングメモリー)に含まれる下位検査だが、いくらか性質が違う。両者の相関は、中程度くらいだったと思う。 数唱 vs 語音整列 Digit span versus letter number sequencing とある海外の掲示板(?)でのやりとり。 一方が他方よりも高得点だった場合、どんな風に説明できるかな? どっちも順番に配列することが含まれているし、ほとんどの人が順序を操作するために聴覚的記憶を使ってると思う。けど、4点以上の乖離(discrepancy)があった場合は? 実施したばかりのアセスメントを詳しく考えてみると、言葉の受容と表出が明らかに難しいケースだったけど、視空間スキルと処理速度はまったく問題なく保たれていた。-Miriam という問題提起に対するスレッドのようだ。 私も以前に何度か同じようなパターンに出会ったことがあって似たようなことを考えたことがあるけど、ぜんぜん専門外だったから。あなたももう考えてるだろうけど、語音整列はたぶんより複雑な課題だと思う。というのも、数唱のように単に数字を扱うんじゃなくって、(文字と数字という)二種類の情報を使ってそれを切り替えながら作業しなきゃいけないから。被験者が教示を理解して、すべてをすっかり頭に入れることができたという手応えはありましたか? これ(語音整列)を実行するにはいくつかの操作が必要だし、呈示されたものすべてを受け取るには言語受容スキルが特に障壁となるかもしれません。他の下位検査にもこの仮説が当てはまるならば意味をなさないかもしれませんが・・・もっと知識のある人ならいい意見が出せるかも。-Butterfly22 私も同じように考えていました。数唱よりも語音整列の方がいいスコアを示しているような同様のアセスメント事例がおかしいのはなんでかなって。-Miriam 数唱が高くて語音整列が低い場合は、並べ替えなどの操作が入ると難しいのかなと推測できるけど、逆の場合はなんだろう。 数唱は基本的にはワーキングメモリーのタスクだけど、語音整列は、上の人が言ってるみたいに、もっと複雑だ。より心的に柔軟でないといけないし、情報の保存/再生の能力だけでなくて...

レイの複雑図形(ROCF)とは?高次脳機能障害や発達障害への評価と臨床応用

  レイの複雑図形(Rey-Osterrieth Complex Figure, ROCF)は、視空間構成能力および視覚的記憶を評価するために使用される神経心理学的な検査です。この検査は、視覚的に提示された複雑な図形を模写し、その後再現することで、被験者の視覚記憶や計画、組織化能力、遂行機能を評価します。以下に、ROCFの概要、高次脳機能障害および発達障害への評価と臨床応用について詳述します。 1. ROCFの概要と評価方法 ROCFは、もともとアンドレ・レイ(André Rey)によって開発され、その後、オステリアス(Paul Osterrieth)によって改良されました。検査は以下の手順で行われます。 模写フェーズ : 図形を見ながら模写します。この段階では視空間構成能力や手順の計画能力が評価されます。 即時再生フェーズ : 図形を隠した後、記憶に基づいて図形を再現します。この段階では視覚的短期記憶が関わります。 遅延再生フェーズ : 30分後に図形を再び再現します。これにより、長期的な視覚記憶が評価されます​ Okayama University Library 。 評価方法としては、Osterrieth法やBoston Qualitative Scoring System(BQSS)などがあります。BQSSは図形の構成要素を複数のカテゴリに分類し、それぞれの精度をスコアリングすることで、模写や再生時の認知戦略や遂行機能の評価を行います​ Okayama University Library 。 2. 高次脳機能障害への臨床応用 ROCFは高次脳機能障害(例: 脳卒中、外傷性脳損傷、認知症など)の評価において有用です。模写や再生の精度が低い場合、以下のような障害を示唆することがあります。 視覚的記憶障害 : 図形の再現時に主要な形状が欠落していたり、位置が大きくずれている場合。 遂行機能障害 : 模写フェーズで計画性が欠け、部分的な描写に留まる場合や、構成が乱れている場合。 注意障害 : 主要な要素を無視したり、同じパターンを繰り返し描画する保続現象が見られる場合​ JSchild 。 これらの評価は、リハビリテーションや介入プログラムの設計に役立つ情報を提供します。 3. 発達障害への評価と応用 発達障害(例: 自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害...