赤ん坊の空間推論スキルは、4歳時の算数能力を予測する

8/20/2016

心理学

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Babies’ Spatial Reasoning Skills Predict Math Ability at Age 4|PsycheCentral
赤ん坊の空間推論スキルは、4歳時の算数能力を予測する

Psychological Science誌に発表された研究によると、乳幼児期の空間推論スキルが、4歳になったときの算数の能力を予測していることが明らかになったそうです。

数学好きの人もいれば、数学が怖くて近寄りたくない人もいるのはなぜかということを説明してくれるかもしれない発見とのこと。

「この結果は、単に賢い乳児は賢い4歳児になるということじゃありません。そうじゃなくて、私たちが早期の空間推論と算数能力について、何か特別なことをして磨くことができるだろうということなんです」と研究者のステラ・ロウレンコさんは話しています。

以前の研究では、13歳のときに空間的な能力が優れていることは、科学やエンジニアリング、数学などの分野における30年以上後の専門的・創造的な達成を予測することが示されていたんだそうです。

空間推論は、後の数学的、科学的な思考力の基礎となるということなんですね。

この度の研究では、6ヶ月から13ヶ月の63人の乳児が被験者となって、「心的変形(mental transformation)」という視覚−空間スキルをテストされました。

「心的変形」で検索すると、日本では「折り紙」の研究がいくつかヒットしました。


たとえばこんなの。
立体イメージの形成―『折り紙』を使った心理学的研究|KAKEN


ロウレンコさんたちの研究に戻ります。

乳児は、「心的空間」のなかで対象を変形させたり、回転させる能力もテストされました。

同時に、語彙やワーキングメモリ、空間的短期記憶、処理速度などの認知能力も測定されています。

空間推論を調べる方法は、次のようなものだそうです。

赤ちゃんが、テトリスのような図形が映ったビデオ映像を見せられるのですが、2つの図形が鏡映像となっているものと、そうじゃないものに分けられるのだと。

赤ちゃんは、珍しいものや興味のあるものを長く見つめるので、「2つの図形は(回転させたり、反転させたら)同じだ」と気がついたら、それだけ長時間目を向けているだろうということです。ファンツの選好注視法ですね。

赤ちゃんたちは、4歳になった時点で、再びテストを受けます。簡単な数学概念の記号のコントロールをともなう心的変形能力のテストです。

乳幼児のときに、鏡映像のビデオを長く見ていた子ほど、4歳のときのテストの成績も良かったという結果でした。
つまり、赤ちゃんのときに空間推論が得意な子は、後の数学的な能力も優れているということが明らかになったというわけです。

この発見は、早期の算数教育に役立つだけでなく、学習障害のひとつである算数障害の改善などにも応用できるかもしれないとのこと。

空間推論スキルを向上させる子どもの遊びってどんなのがあるでしょうか。やっぱり積み木や折り紙がよさそうな気がします。


  • 積み木
KAPLAって、同じ形の積み木しかないんですが、いろんなものが作れて大人でも楽しめます。

ボーネルンド オリジナル積み木 M 白木 【ボーネルンド】 KAPLA 魔法の板 カプラ 1000 【並行輸入品】

  • 折り紙
ここに挙げたのは上級編。こんなのとてもできそうもありません。
端正な折り紙 切らずに1枚で折る 爬虫類・両生類折り紙
  • マインクラフトやテトリス
ドラゴンクエスト・ビルダーズなどでもいいのでしょう。







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