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9月, 2016の投稿を表示しています

自殺予防デー、4人に1人が「本気で自殺を考えたことがある」

9月10日が「自殺予防デー」、今週は自殺予防週間です。 日本の2015年の自殺者数は2万4,025人。1998年以来、年間3万人を超えつづけていた自殺者数は、2010年以降は減少傾向にあります。 しかし、それでも日本の自殺率は先進国の中でも突出しており、とくに15歳~39歳の若い世代の死因第1位が自殺であるのは、日本だけなのだそうです。 日本の4人に1人が「本気で自殺したい」 調査結果に衝撃  R25 この記事によれば、日本財団が行った自殺意識に関する調査で、次のようなことが明らかになりました。 過去一年以内の自殺経験者は推計53万人 成人男女の4人に1人が「本気で自殺を考えたことがある」と回答 全国の20歳以上の男女、約4万人が対象となった調査です。 過去1年以内に自殺未遂を経験した人は、男性26万4000人、女性27万1000人と推定されています。 年代別では20代の自殺未遂者が最も多かったといいます。 また、「本気で自殺したいと考えたことがある」と答えた人は、全体の25.4%(男性22.6%、女性28.4%)、若年層(20~39歳)は34.5%でした。 若い人ほど「死にたい」と本気で考えるのが、今の日本社会ということでしょうか。 5人に1人が 身近な人を自殺で亡くしていることもわかりました。 自殺未遂には2つ以上の原因が重なっていることが多いということも調査から明らかになりました(自殺念慮者の65.5%が2つ以上の原因と回答)。 原因としては、男性は「勤務問題」「経済生活問題」「健康問題」、女性は「家庭問題」「健康問題」「学校問題」が上位だったとのことです。 日本財団の調査は下記から報告を読むことができます。 対象4万人超「全国初」自殺意識大規模調査

Facebookでリア充自慢するほど不幸になるしうつになりやすい

一週間のFacebook断ちで得られる4つのメリット や ソーシャルメディアやSNSにいつもつながってると、不安や抑うつが増すとの研究 でも取り上げましたが、SNSにはメンタルにネガティブな影響を与えることもあるのです。 「SNSでリア充自慢する奴ほど不幸になり、うつ病になりやすい」無慈悲な調査結果 という記事では、SNSと幸福感や抑うつに関するいくつかの研究が紹介されていました。 本当にリアルでの生活が充実しているなら、わざわざネットでアピールしなくたっていいんじゃない? SNSでリア充自慢している人って、本当に幸福なの? こんな疑問をもったことのある人もいるのではないでしょうか? 2013年に韓国で、Facebookユーザーに対してリサーチが行なわれたとのことです。 すると、 ・ある程度までは、SNSの友達が多いほうが幸福度は高まる ・しかし、友達の数が数千の単位になると、今度は鬱病の発症リスクが高まる という結果が得られたとのこと。 また別の研究では、「SNSで友達が多い人は、友達が少ない人とくらべて、逆に不幸を感じている」ということが明らかになりました。 「ダンバー数」で有名な、ロビン・ダンバー博士の研究で明らかになったのは、 ・どれだけ友達の数が多くても、コメントのやり取りをするのは150人ほど ・困ったときにネットで共感を示してれるのは、そのうち13.6人だけ ・さらに、困ったときに現実に助けてくれる「真の友達」は、4.1人しかいない ということでした。 「友だち100人できるかな」 という歌にあるように、まあ100人〜150人くらいが友だちの数の限界なのでしょう。 「(友達の上限が150人なのは)人間の認知に制限があるからだ。また、それ以上の人間関係をやりくりするのは、時間のコストが大きすぎる」 とダンバー博士。 また別の研究。 ・SNSを使う時間が長い人ほど、鬱病の発症率があがる ・他人の投稿と自分の現状を比べる回数が多いと、さらに不幸になっていく まとめると、自分のリア充を自慢しても不幸になるし、友だちが多すぎても、あるいはSNSを使いすぎてもうつや不幸になるということですね。 ううむ。やっぱりたまには Facebook断ち をした方がいいかもしれませ...

ホロウマスク錯視が統合失調症を予測する

「統合失調症を予測する視覚的錯覚」( Optical Illusions That Predict Schizophrenia )という記事を読むと、統合失調症の人はそうでない人と比べると錯視錯覚にだまされないということが書いてありました。 統合失調症は、幻覚や妄想など、「現実をゆがめて知覚する」病気だと考えられていますが、ある種の視覚的錯覚に対してはあまり反応しないのです。 いくつかの錯視が挙げられていましたが、たとえば「ホロウマスク錯視」と呼ばれる錯視があります。 次の動画を見てください。 こんなふうに、仮面の裏側の凹が、凸面の顔に見えてしまう錯視です。 「こっちは裏側のはずだ」と頭では分かっていても、やっぱり凸面に見えてしまいます。その瞬間、回転方向まで変わって見えますね。 「人間の顔はでっぱっているものだ」という無意識的推論が働いているのでしょうか。 ところが統合失調症の人にはこの錯視が起こらない(起こりにくい)ということが知られています。 他にも「チャブ錯視」や、有名な「ミューラー・リヤー錯視」なども、統合失調症の人は反応しにくいのだそうです。 チャブ錯視とは、「主観的コントラストが周辺部に依存して知覚される」ような錯視です。 中央の円の色は左右同じなのですが、違って見えますね。 調べてみたらすでに何年も前にwiredなどで取り上げられていました。 仮面の裏側が見える人・見えない人:「ホロウマスク錯視」研究 によると、 健常者が凹面の顔を見ているときには、トップダウン処理に関与する前頭頭頂ネットワークと、目から情報を受け取る脳の視覚野との間で結びつきが強くなった。一方、統合失調症患者にはそのような結びつきの強化はみられなかった。 とのことです。 健常者の脳はこの結びつきが強まることで自らの予想する視覚(つまりふつうの顔)が見えるように処理しているが、統合失調症患者はこの脳の回路をうまく調整できないので、凹面の顔を現実そのままに受け入れていると考えられています。 統合失調症の人のロールシャッハ・テストの反応なども、こうした錯視への感度の違いから説明できるところもあるのかもしれません。