花粉症、アレルギー性鼻炎の心理学

2/17/2016

心理テスト 心理学 身体

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そろそろ花粉症のシーズンが近づいてきました。
毎年この時期になると、なんとなく気が重いという人はけっこういるのではないでしょうか? 

個人的な記憶をさかのぼれば、高校時代のある春の日に、東京の街中を歩いていて突然くしゃみがとまらなくなったのが、花粉症の発症でした。

あれからずいぶん長いつきあいになりますが、ここ数年では春だけでなく、秋の花粉もつらくて、仕事なんてしてられないよという気分になります。

花粉症の人はうつ病になりやすい、なんていう研究をどこかで見かけたことがあるのですが、どうなんでしょう。

花粉症に対する昔年の恨みを少しでもはらしてやろうと、Google Scholorで「花粉症、心理学」といったキーワードで検索してみたのでいくつか紹介してみます。


花粉症、鼻アレルギーの心身症的側面

小川浩司他, 鼻アレルギー診療における心身医学的検討, 耳鼻咽喉科45巻 9号, 1973年, pp. 605-612

こんな雑誌の論文、初めて読みました(アブストラクトだけね)。
情動表出が視床下部--自律神経系を介してなされることを考えれば,精神的要因が自律神経系によつて鼻粘膜の状態に影響し,鼻アレルギーの発症,増悪に関与することが理解できる。そして日常臨床においても,鼻アレルギーの発症や増悪が心因に影響されていると予想される場合をしばしば経験する。
花粉症の時期ってうつっぽくなる人が多いですが、心因で鼻アレルギーが悪化することだってあるとのことですね。
 心理的要因と一口にいつても,感情的に未熟な性格のため,心理的ストレスを適度に処理できずに不必要にイライラしたり,緊張したりする場合から,生活環境,対人関係における過度の緊張,葛藤などの慢性状態が続くもの,または明確な心因は把握できずに自律神経緊張不安だけの場合もあり,その診断や治療にわれわれなりの工夫を必要とした。ここに幾つかの知見を得たので報告し,諸賢のご批判を仰ぐ次第である。
工夫や知見は雑誌を購読している人しか読めないので、分かりませんです。

アレルギー性鼻炎とQOL

荻野 敏, アレルギー性鼻炎におけるQOL 調査, 耳鼻咽喉科免疫アレルギー, Vol. 33 (2015) No. 1 p. 7-9

「花粉症を含めたアレルギー性鼻炎の有病率は 30% を超える」のだそうです。アレルギー性鼻炎と、生活の質(QOL)についての論文。

症状として次のようなものがあげられていました。
  • くしゃみ、鼻水、鼻づまり
  • 涙眼などの眼の症状
  • 皮膚のかゆみ、発疹
  • のどのかゆみ、異物感
  • 下痢などの胃腸障害
  • 頭痛、頭重感
  • 全身倦怠観
  • 微熱
  • 睡眠障害
などなど。

これだけ症状が重なると、日常生活にさまざまな影響があります。QOL (Quality of Life)は大きな障害を受けます。

2001年の『アレルギーの臨床』という雑誌に掲載されたデータによると、日本全国の花粉症患者の数は、未受信者も含めると1300万人を超えるとのことで、その経済的損失は3000億円に達するのだそうです()。

この論文では、アレルギー性鼻炎を対象にしたQOL 質問票がいくつか紹介されていました。特に調査をしたというわけではなく、「QOL 質問票を用いて治療評価を行うこと」でより全人的な治療法を検討することができるだろうという提言が結論。

日本アレルギー性鼻炎 QOL 質問票(Japanese Rhinoconjunctivitis Quality of Life Questionnaire, JRQLQ)

という質問票が、日本では比較的よく使われているようです。
JRQLQ 調査票は感度も良く,臨床的にも使用しやすく,我が国におけるアレルギー性鼻炎,花粉症のQOL調査には欠かせないものと位置づけられる。
不勉強で初めて聞いたけど。

日本アレルギー協会のサイトから、
をダウンロードすることができたので、ちょっと自分でやってみた。

厚生労働省のページでは、
というパンフレットを読むことができました。

そんでは花粉症のみなさま、つらい季節ですが、なんとか対処して暮らしていきましょう。

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