ポジティブシンキングだって? 今はよくても後で抑うつ症状をもたらすこともあるという心理学研究

公開日: 2/05/2016 うつ病 心理学



世の中には、「マイナス思考をやめてプラス思考で行こう! ポジティブになろう」といった言葉がたくさん飛び交っていますが、果たして本当に前向きだと人生ハッピーになるのでしょうか?

Psychological Science誌に掲載されたのは次の論文。

Pleasure Now, Pain Later:Positive Fantasies About the Future Predict Symptoms of Depression
「今の心地よさ、後からの苦痛:将来についてのポジティブな空想は抑うつ症状を予測する」


うつ病になると考え方は極端でネガティブなものになりがちです。
認知行動療法などで、「認知の歪み」とか「自動思考」といった言葉で取り上げられるのは、大抵、ネガティブなことですよね。
「きっとまた失敗するに違いない」
「どうせみんな俺のことを嫌っている」
云々。

こうした思考パターンをもっていると、当然、抑うつもひどくなるでしょう。

だとすれば、肯定的に考えることができれば、うつ病を避けることができるのでしょうか? 常識的に考えたら、「どうせ愛されてるし」とか「どうせ私、できる人だから」とポジティヴにとらえていたら、ハッピーになりそうなものです。

どうなんでしょうか?

いつものごとくアブストラクトをナナメヨミしただけなのですが、この論文で報告されている調査研究では、将来についてのポジティブな空想は、同時に測定したときには抑うつ症状を減少させるが、長期的にはそうじゃないということが明らかになったそうです。

長い目で見ると、ポジティブな空想は抑うつ症状を予測していたのです。

なんででしょうね。

子どもから成人まで、いくつかの群に調査をしたようですが、大学生について次のような記述がありました。

大学生の場合、ポジティブな空想と抑うつ症状の関係をいくらか媒介しているのは「学業成績の低さ」だというのです。

ふむ。

だとすると、本当は成績は低いのに、「どうせ私、できる人だから」「いざとなればできる」「まだ本気だしてないだけ」なんてポジティブに空想している大学生が、後々になって「単位足りない・・・」「必修落とした・・・」「卒業できない・・・」という現実に直面して抑うつ的になる、といったことかもと推測されます。

そういえば、ものごとの良い面だけを見て満足して、問題解決を避けてしまうような態度を表す「ポリアンナ症候群」という言葉もありました。時代がポジティブいいじゃん的な流れだからか、最近はあまり聞かない気がします。

あちこちの大学では、ちょうど後期の試験が終わったころなので、ポジティブ空想が破綻して抑うつ的になっている大学生も増えているかもしれませんね。

なぜ、一流の人は「ポジティブ思考」をしないのか?』とか『成功するには ポジティブ思考を捨てなさい』といった本にも、ポジティブ思考の罠について書かれています。

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