『火星の人』を読んで思い出したのが、昔やったことのある「月で遭難したら(NASA)」というコンセンサス・ゲームです。 コンセンサス・ゲームとは、ある課題に対してグループで意見を出し合いながら「合意」に至るというものです。企業研修のグループワークなどでも行なわれることが多いみたいですね。 まずは個人で課題に回答した後、皆でディスカッションして、グループとしての意見をまとめます。ただし、多数決などは使わず全員が納得するまでとことん話合うという方法を取ります。 コンセンサス・ゲームにはいろいろありますが、このNASAはJay Hallという社会心理学者が1962年に考案したものだそうです。 調べてみると、Hallさんは2011年に78歳で亡くなったらしい。 Ernest James (Jay) Hall Jr. (1932-2011) Dr. Hall committed himself to developing new educational techniques and was a pioneer in implementing learning for leaders. In 1962, with assistance from NASA, he created the NASA Moon Survival Task - the original Consensus Decision—Making Exercise—which has been used world-wide and imitated in a variety of formats. 教育のための新しい技法や、リーダーシップを学ぶための方法などを研究していた人なんですね。NASAの助けを借りて「NASA 月のサバイバル」というゲームを開発しました。 NASA Moon Survival Task -: The Original Consensus Exercise という21ページの短い本も出ていたようです。 日本語版はいくつかのサイトで紹介されていますが、こんな内容です。 あなたの乗った宇宙船が、月面に緊急着陸した。 母船は、月面上の距離で約300キロ離れている。 宇宙船は壊れたので、月面を自力で進むしかない。 母船にたどりつかないかぎり、確実に死が待っ...