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3月, 2016の投稿を表示しています

認知行動療法は詐欺で金の無駄? 長期的な治療効果に関する研究

認知行動療法は詐欺で金の無駄? Is CBT a Scam & a Waste of Money? |PsychCentral というタイトルに釣られてしまいました。 John M. Grohol博士によるエッセイ。 Oliver Jamesさんというイギリスのサイコロジストの主張が、MailOnlineというサイトで記事になっていて、それへの反論のようです。 'CBT is a scam and a waste of money': Popular talking therapy is not a long-term solution, says leading psychologist | MailOnline 認知行動療法(CBT)は詐欺でお金の無駄:ポピュラーな対話療法は長期的な解決ではない、と指導的な心理学者が述べた。 Oliver Jamesさんの言ってるのは次のようなことらしいです。 Cognitive Behavioural Therapy (CBT) is the most popular talking therapy Oliver James argues research shows it does not have a lasting benefit After 5 to 20 sessions those with anxiety or depression appear to recover 2 years later they are no different to those who had no treatment, he said Says proponents have mis-sold CBT to the Government and policymakers   He is calling on the Government to fund other types of treatment Psychodynamic therapy focuses on root cause of problems, he said ええと、上から、、 認知行動療法(CBT)はもっともポピュラーな対話療法です。 オリバー・ジェームスが言うには、研究ではCBT...

PTSDにおける悪夢と自殺の関係

Nightmares and Suicide in Posttraumatic Stress Disorder: The Mediating Role of Defeat, Entrapment, and Hopelessness , Journal of Clinical Sleep Medicine, Volume: 12    Number: 03, 2016 「PTSDにおける悪夢と自殺:挫折とEntrapment、絶望の仲介的な役割」

認知行動療法に○○○を加えると、不安障害の治療成績が向上する

Adding Newer Treatment Can Ease Anxiety In The Long Run |PsychCentral 「新しい治療を加えると長期的に不安を減少させることができる」 the  Journal of Consulting and Clinical Psychology に掲載された論文から。 動機付け面接   “motivational interviewing”  を標準的な認知行動療法(CBT)に加えることで、全般性不安障害の症状の重症度が、CBT単独の治療よりも改善したという研究です。

現代のカウンセラーに影響を与えているのは誰?

Who influences today’s counselors? |Counseling Today 「現代のカウンセラーに影響を与えているのは誰?」 「カウンセリング・トゥデイ」の記事です。ちょっと面白かったので紹介します。 アメリカ・カウンセリング協会の会員からランダムに選んで、「あなたに影響を与えた人物は誰ですか?」とアンケート調査を行ったのですね。 何人もの現役カウンセラーの回答が掲載されていますが、そこで挙げられた名前をいくつか紹介してみましょう。 個人的なスーパーヴァイザーの名前や、作家、著名な心理学者や精神科医などの名が上がっています。

お金と幸福に関する意外な心理学研究の結果

Christopher J. Boyce, et al. Individual Differences in Loss Aversion:Conscientiousness Predicts How Life Satisfaction Responds to Losses Versus Gains in Income ,the journal Personality and Social Psychology Bulletin,March 9, 2016 『パーソナリティと社会心理学誌』に掲載された論文。 「失うことへの嫌悪の個人差」といったタイトルです。 副題は、収入を失うことと得ることが、それぞれ人生の満足度にどれくらい影響を与えているかをConscientiousness(律儀さとか良識性)が予測している、といった意味合いでしょうか。

認知症や記憶障害のリハビリにいいかもしれないカードゲーム「ナンジャモンジャ」

タッピングで花粉症対策、そして思考場療法(TFT)をめぐる論争について

春らしいぽかぽかした天気になってきて、散歩日和でしたが、せっかくいい季節なのに花粉症が始まってつらくてたまりません。 涙は出るし、くしゃみ鼻水鼻づまりで、頭がずーんと重苦しい。人の話をちゃんと聞けなくなるのは、カウンセラーにとって致命的ではなかろうか。「ふむふむ。苦しいのですね。はっくしょーん」なんて応答は、あまりよくない気がしますが、こればかりはしかたがない。 花粉症、アレルギー性鼻炎の心理学 でも、花粉症が生活の室( Quality of Life)に大きな影響を与えることを紹介しました。外に出るのが嫌になるし、仕事にだって集中できません。 かといって薬を飲むと眠くなることが多いし、どうしたものかと鼻うがいやら、ツボ押しやらを試しているところです。そんなこんなしていてGoogleで検索していたら、花粉症のタッピング(TFTとかEFTとか)を紹介したサイトがあったので、半信半疑ながら試してみたのです。

未解決の怒りの感情を処理することの役割:エモーション・フォーカスト・セラピーと愛着に基づいた家族療法の比較

Attachment-based family therapy and emotion-focused therapy for unresolved anger: The role of productive emotional processing. Diamond, Gary M.; Shahar, Ben; Sabo, Daphna; Tsvieli, Noa Psychotherapy, Vol 53(1), Mar 2016, 34-44. Psychotherapy誌に掲載された論文のアブストラクトだけ読んだのでメモ。

苦しみを経験した人は優しくなれるか?

「苦しみと同情:人生における逆境体験と共感 Suffering and compassion: The links among adverse life experiences, empathy, compassion, and prosocial behavior . Lim, Daniel; DeSteno, David Emotion, Vol 16(2), Mar 2016, 175-182. 過去において苦しみを経験するということは、伝統的には人生にネガティブな結果をもたらすと考えられてきました。けれども、徐々に明らかになってきたことによれば、逆境とレジリエンスのあいだには不均一さ(heterogeneity)があることが示唆されています。苦しみを共にすることで、逆境はしばしば協調行動を高めるのです。本論文で、著者は二つの研究を提示し、過去の逆境体験の重さが共感に媒介された同情という永続的な傾向と結びついているかどうか、そしてもしそうなら同情は他者の苦しみを和らげるという行動とリンクしているかどうかということを検証しました。MTurkとラボラトリに基づいたパラダイムを用いて(?)、著者らは、過去の逆境体験のシビアさが大きいことは、共感性の高まりを予測する、そして必要なときに他者に同情を感じる安定した傾向とリンクしていることを発見しました。また彼らは、同情の個人差が、他者を支援する行動反応を生じさせることを示しています。 MTurkというのがよく分からなかった。Mechanical Turk? 辛い体験をして成長する人と、すさんでしまう人が確かにいるけれど、それを分けるのはなんでしょう? 個人の回復力? 周囲のサポート?  

ネガティブ思考をコンピュータ・プログラムで減らす(注意バイアス修正)

Computer Program Reduces Negative Thought Bias, Depression |PsychCentral 「コンピュータ・プログラムでネガティブ思考バイアスやうつが減少する」 先日の、 ヴァーチャル・リアリティでうつ病を治療する実験 と似ているかもしれません。 アメリカでは、思春期の若者のほとんど11%が、大うつ病を患っていて、精神疾患のない人たちと比較して5倍以上も自殺を試みるのだそうです。 この記事で紹介されている研究では、否定的思考パターンに向かう頑固なバイアスを減らすようにデザインされたコンピューター・プログラムによって、大うつ病をもつ若者の抑うつ症が改善するということが明らかにされたといいます。