『ゼロからトースターを作ってみた結果』(トーマス・トウェイツ、新潮文庫) 

公開日: 1/26/2016 いろいろ




ゼロからトースターを作ってみた結果 』(トーマス・トウェイツ、新潮文庫) 
読了。

いや、面白かった。

デザイン関係の大学院の卒業制作として、トーマスさんが考えたのは、まったくのゼロから「トースター」を作ってみたらどうなるか、ということでした。

なぜそんなことをするのか。

なんとなく思いついちゃったから、としか言いようがないようだけど、ともかく、トーマスさんはこの「トースター・プロジェクト」を実現するために、あちこちに飛び、多くの分野の専門家と話をする。

トースターを作るといっても、電気部品を買ってきて日曜工作するといった話じゃない。

鉱山まで出向いて、やっとの思いで手に入れた鉄鉱石と銅から、鉄や銅線をつくったり、じゃがいものでんぷんからプラスチックを作ろうとするのです。
じゃがいもからプラスチックができるなんて、考えてみたこともなかった。

引用されていたのが、天文学者のカール・セーガンの次のような言葉。
ゼロからアップルパイを作りたければ、まずは宇宙を作らなければならない
宇宙を創るとまではいかなくても、トースターをゼロから作るには、相当な苦労があるのだということが分かった。

モデルとなったトースターは、ごく簡単な部品の製品で、3.99英ポンド(500円か600円くらい)で購入できたんだそうです。
それをゼロから作ってみて、結局、かかった費用は、1187.54英ポンド(約16万円)だったとのこと。

できたのは、こんな感じのトースターです。プラスチック部分が、なんだか大変なことになっているじゃないですか。



考えてみたら、僕たちがふだん当たり前のように使っている道具、たとえば鉛筆一本にしたって、「ゼロから作る」のは気が遠くなるほどの作業が必要となるでしょう。

材料だけを考えたって、世界各地から届いているにちがいない。

1991年にアルプスの氷河で見つかった5300年前のミイラ(アイスマンとか、エッツィと呼ばれている)でさえ、広い範囲の交易や交換なしでは手に入らない道具をたくさんもっていたのだといいます。

現代社会とぼくたちの日常生活が成り立つためにはどれくらいの人々のつながりが必要なのかをあらためて考えさせられる本でしたが、文体はゆるくて笑いながら読めます。


http://www.thetoasterproject.org/
で、Torster Projectの動画を観ることができました。

著者のウェブサイトは以下。
http://www.thomasthwaites.com/

あ、TEDでプレゼンしてるのもありますね。後で観よう。







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