「なぜか仕事でケアレスミスが減らない」
「約束や締め切りをうっかり忘れてしまう」
「片付けが苦手で、いつも物を探している」
「会議中にじっとしているのが苦痛だ」
こうした「困りごと」が子供の頃からずっと続いていて、日常生活や社会生活に支障を感じている場合、もしかするとそれは大人のADHD(注意欠如・多動症)の特性が関係しているかもしれません。
近年、大人のADHDへの関心が高まり、「自分もそうかもしれない」と考える人が増えています。
この記事は、診断を下すものではありませんが、大人のADHDに見られがちな特徴を理解するため、ご自身で振り返るための「セルフチェックリスト」を提供します。
大人のADHDとは?
ADHDは、生まれつきの脳機能の特性による発達障害の一つです。決して「本人の努力不足」や「性格の問題」ではありません。
ADHDの主な特性は「不注意」「多動性」「衝動性」の3つです。
子供の頃は「多動性(じっとしていられない)」が目立つことが多いですが、大人になると、そうした身体的な動きは減り、内面的な「落ち着かなさ」や、主に「不注意」の特性による困難が目立つようになる傾向があります。
大人のADHD 特徴セルフチェックリスト
以下の項目について、子供の頃から一貫して「よく当てはまる」と感じるか、振り返ってみましょう。
「不注意」に関する特徴
仕事や作業で、細かい部分でのケアレスミスが多い。
一つのことに集中し続けるのが難しく、気が散りやすい。
話を聞いている途中で、別のことを考えてしまう。
やるべき作業や活動を、順序立てて行うのが苦手。
締め切りを守るのが難しく、先延ばしにしがち。
片付けが苦手で、机の上や部屋が散らかりやすい。
財布、鍵、携帯電話など、必要な物を頻繁になくしたり、置き忘れたりする。
約束や日々のやるべきこと(例:公共料金の支払い)を忘れやすい。
「多動性・衝動性」に関する特徴
会議中など、じっと座っているのが苦痛で、そわそわしてしまう。
手足や体を無意識に動かしてしまう(貧乏ゆすり、ペン回しなど)。
おしゃべりが止まらなくなることがある。
相手が話し終わる前に、さえぎって話し始めてしまう。
列に並ぶなど、順番を待つのが苦手。
結果をよく考えずに、衝動的に行動してしまう(例:衝動買い、急な転職)。
感情がカッとなりやすく、思ったことをすぐ口にしてしまうことがある。
チェックリストを使用する上での注意点
このリストは、あくまでも自分自身の特性を振り返るための「手がかり」です。
一時的なものではないか?
ADHDの特性は、大人になってから急に現れるものではなく、子供時代から一貫して見られるものです。
生活に支障が出ているか?
誰にでも当てはまるような項目はありますが、ADHDが背景にある場合、これらの特性が仕事、対人関係、家事など、生活の様々な場面で「深刻な困りごと」として表れます。
他の可能性はないか?
強いストレスやうつ病、他の精神疾患によっても、一時的に集中力が低下したり、落ち着きがなくなったりすることがあります。
もし「当てはまるかも」と思ったら
もし、このチェックリストの多くの項目が「子供の頃からずっと当てはまる」と感じ、それによって「生きづらさ」や「困難」を強く感じているのであれば、一人で抱え込まないことが大切です。
これは医学的な「診断」ではありません。正確な診断や、特性との付き合い方を知るためには、大人の発達障害を専門とする精神科や心療内科、専門の相談機関に相談することを検討してみてください。
自分の特性を正しく理解することは、対策を立て、より過ごしやすい環境を整えるための第一歩となります。
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